投稿者「東方」のアーカイブ

龍の横顔④ 龍と仙人――三人の唐代詩人たち

瀧本 弘之    大学時代に仙人に憧れていたことがある。奥秩父の甲武信岳に通じる沢筋に級友らと三人で分け入って、道もない沢で野営した。両岸の岩は迫り、見上げたところ二百メートル以上はあったか。ところどころ可憐な… 続きを読む »

『一九七八~一九七九年 北京瞥見』評 岩佐昌暲

一九七八~一九七九年 北京瞥見 田中瑩一 著出版社:好文出版出版年:2023年8月価格 1,870円 45年前の中国滞在記──いま出版する意味    著者の田中瑩一島根大学名誉教授(国語教育学、口承文芸表現研究)は197… 続きを読む »

石川忠久先生の思い出―埼玉県漢詩連盟創立十五年を振り返って―

塚越 義幸    去る11月11日に今田述氏の名著『漢俳 五・七・五の中国国民詩』(東方書店)の出版記念会が、漢詩結社葛飾吟社主催で、新橋の中国料理店「新橋亭」で行われた。その折、円卓の席の右隣に岡山大学名誉教… 続きを読む »

龍の横顔③ 知られざる篤学の研究・実践者──野崎誠近

瀧本 弘之    龍のことを調べるとき、大方の人が世話になる書物に『吉祥図案解題』というものがある。龍は吉祥(動)物の筆頭に数えられるべきものなので、吉祥物を調べようとして、その関係の書物を調べていくと、しぜん… 続きを読む »

中国古版画散策 第九十一回

『西廂記』の挿絵(下)-3 時代と地域で多様に変貌する挿絵 瀧本 弘之  前回は、「草橋驚夢」までを、主として内閣文庫の熊龍峰本を中心に説明してきた。張君瑞と崔鶯鶯は結婚を許されるが、その条件として君瑞の科挙合格が命じら… 続きを読む »

龍の横顔② 百科事典の龍くらべ

瀧本 弘之    前回、龍の図像として中国のものを取り上げたが、今回は日本のものを中心に取り上げてみたい。  私が龍で思い出すのは、タコである。  ……と言っても食べる章(た)魚(こ)ではなく、飛ばす凧(風筝)… 続きを読む »

【新墨子論1】墨子と工――書家の源流を求めて

松宮 貴之  中国思想史に於いて、儒学がその中心潮流として、君臨してきた時代は長い。但し、戦国期に於いて儒墨と並称され、後に姿を消した墨家の淵源となる思想の意義をここでは検討したい。  墨子は、従来「工人集団」から生じた… 続きを読む »