投稿者「東方」のアーカイブ

中国旅の記憶②-東方書店社員篇-

秋風五陵原 松原 直輝  2019年の11月某日早朝、私は円窓から秦嶺山脈を見下ろしつつ、人の悪口をひとしきり言い終えたあと、なんとかして眠りにつこうとしていた。前日大学での講義を終えた足で空港に着き、待合所で夜を過ごし… 続きを読む »

『中国文学の歴史』評 後藤裕也

中国文学の歴史 元明清の白話文学 小松謙 著 出版社:東方書店出版年:2024年9月価格 2,640円 中国文学の「やさくわ」になるか    研究書、ともすればそれは難解で堅苦しく、軽い気持ちで手に取ろうものなら読者の心… 続きを読む »

2024年秋の中国語圏映画

──東京と台北の映画祭から 吉川 龍生  2024年秋の映画祭シーズンは、中国語圏映画が充実していた。東京国際映画祭上映の中国語圏映画が前年比で激増し、存在感を増したことも大きい。東京・中国映画週間(10月22日〜29日… 続きを読む »

中国古版画散策 第九十六回

琵琶記の挿絵④ 夫(つま)を訪ねて都に向かう健気な妻 瀧本 弘之  前回は蔡邕と牛丞相の娘の婚姻で終わっていた。ここに参考に別の版本の婚礼の図版を掲げる。明末の湖州で刊行された二色刷りの版本(『硃訂琵琶記』内閣文庫蔵、明… 続きを読む »

中国旅の記憶①-東方書店社員篇-

 「旅」というものは、何かしら強烈な印象を残すことが多い。それが、外国であればなおさらだ。おそらく、文化や国民(民族)性による違いが、驚きや興奮などの強い感情を引き起こすのだろう。  そこで今回、小社社員によるオモシロ!… 続きを読む »

『長安ラッパー李白』編纂の舞台裏

大恵 和実 はじめに  『長安ラッパー李白』。このタイトルを見て、どんな印象を持つだろうか。眉を顰めてなにそれと思う方、漢詩は韻を踏んでるし確かにラップっぽいかもと思う方、あるいは諸葛孔明が現代に転生して音楽業界をゆるが… 続きを読む »

『信仰と越境のウイグル』評 柴田哲雄

信仰と越境のウイグル「進歩」の共和国から復興のイスラム共同体へ 中屋昌子 著出版社:文理閣出版年:2023年10月価格 2,750円 個人的な話から始めて恐縮であるが、中屋昌子氏と配偶者氏は、ご近所同士ということもあり、… 続きを読む »

中国古版画散策 第九十五回

琵琶記の挿絵③ 運命に翻弄される主人公たちを巧みに描く 瀧本 弘之  今回も陳大来本琵琶記(内閣文庫蔵)を中心に話を進めていく。前回は科挙に合格した受験生らが、祝賀会に出かける途中までを描いていた。蔡邕は主席合格者(状元… 続きを読む »