消息筋によれば、周、花は「民間草の根の力」代表として座談会に出席したのは、政府の対応の誤りで、中央宣伝部は2人への取材を禁止するなど、「雪蔵」(お蔵入り)にしたという。
10月15日、周、花が座談会で習近平から指名されてから、ネットでは騒然となり、この反響は非常にマイナスだった。周、花のロジック、著作のレベルへの批判が絶えず、政府系メディアは彼らは「プラスのエネルギー」に満ちていると養護したが、ネット上の2人への言論を封殺、議論がこれ以上高まらないようにした。
消息筋は、周はかつて新浪微博でオピニオンリーダー(前述の薛蛮子ら)を批判したことでネット市民から注目され、当局もこれに留意したが、座談会の前に彼の経歴について詳しく調べなかったと指摘。周はかつてウェブサイトでわいせつな情報を流したとして取り調べを受けたが、関連部門は知らなかったようだ。
11月に浙江省・烏鎮で開かれた「世界インターネット大会」でも周、花が参加した「烏鎮ネット著名人フォーラム」は会議の重要な日程ではなく、政府系メディアの報道もないなど、当局が「誤って選んだ」ことを薄めようとしていることが明らかになった。
ネットで周の動向を調べても、本人の微博を除けば、政府系のチャンネルからは消失した。
ネットでは以前、周、花が文芸工作座談会に出席したことに、「劉雲山(政治局常務委員)が習近平を困らせようと故意に偽物を潜り込ませた」といった憶測が出た。だが中宣部の対応は、「誤って選んだ」ことへの後遺症と解読できるという。
もう1人の「ネット作家」である花は、このほど遼寧省撫順市作家協会副主席に就任したが、これも地方政府が情勢を誤り、追随した結果だとみられている。
中国ネット動向を報じる米国のウェブサイト「中国数字時代」の編集者、蕭強は周小平について、「真理部(宣伝部)が自由派に対する影響を与えることを放棄した」との見方を発表している。
「たとえ一般的なレベルのネットユーザーでも、周の文章が非常にデタラメと分かるだろう、ではなぜ朝廷(共産党政権)は大々的にこのようなでたらめな作家をもてはやしたのか」として、(1)宣伝部が習近平を罠にかけた(2)人材不足(3)影響力を与える対象を調整した―の3つを挙げ、自らは3の見方を取るとして、以下のように述べている。
「3つの見方はいずれも推測にすぎないが、1つだけはっきりしていることがある。それは周を持ち上げることで、多くの習近平ファン(知識人を含む)が失望したことだ。だが習近平は決して愚かなわけではない(さもなければここまで高い地位に登りつめられるわけがない)。彼が周小平を持ち上げたのには意図があったはずだ。それゆえ、自分は3番目の見方、つまり朝廷は『自由派や民主派』を騙すことはあきらめ、底辺の民衆を騙すことに精力を集中したのだ。底辺の民衆とは経済レベルではなく、思考レベルであり、簡単に周小平に騙されるような人々で、その思考能力は大したことがない」
習近平政権のネット世論政策は、批判的な声の断固たる封じ込めから、自らの政権を賛同、さらには「歌功頌德」(為政者の功績や徳をほめたたえる)周のような御用文士による一般大衆への教化宣伝へと進んでいるようだ。だがネットで様々な情報を得るようになった網民らは決してこうした宣伝に惑わされるほど愚かではないというのが、今回彼らも得た教訓ではないだろうか。網民との対等かつ真摯な対話なくしてネット社会の主流を占めることはできないのである。
|