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2009年1月

 1999~2008年 「上海書城」最も売れた本

     
10周年を迎えた上海書城

上海最大の書店「上海書城」がオープンしたのは、1999年。今年、10周年を迎える。上海書城はこのほど、開店から10年間の毎年の売上ベスト5、計50冊を発表したと『新聞晨報』が伝えた。
オープンの年に最も売れたのは、児童向け読み物『十万個為什麼(新世紀版)』(少年児童出版社)。1961年に初版が刊行されて以来、版を重ねてきたロングセラーだ。そのほかに、余秋雨著『霜冷長河』、『唐詩三百首(図文本)』、銭鐘書著『囲城』。ミッチ・アルボム著『相約星期二』(邦訳は、『モリー先生との火曜日』)も入っている。文化的読み物が目立った年だ。
2000年のトップは、『三重門』(邦訳は、『上海ビート』)。「韓寒現象」という言葉も生み出すことになる若手人気作家、韓寒のデビュー作だ。台湾の人気作家、蔡志恒のネット小説『第一次的親密接触』もベスト5入り。この本を機にネット発小説が売れ始めた。

   

上海書城の店頭2001年は世界的ベストセラーの『富爸爸、窮爸爸』(邦訳は、『金持ち父さん、貧乏父さん』)がトップワンとなった。ベスト5にはそのほか、青春アニメの同名小説版『我為歌狂』や村上春樹著『挪威的森林(ノルウェイの森)』など。いかに財を築き、成功するかというテーマが本の売れ筋のひとつとなっていく一方で、若者たちは、都市生活での虚無感や退廃的ムードを描く村上春樹を好むようになっているという対象的なベストセラー本が並んだ。
2002年のトップは、企業や組織の変革をテーマとしたスペンサー・ジョンソン著『誰動了我的奶酪』(邦題は、『チーズはどこへ消えた?』)が最も売れた。上海書城だけでも2万冊が売れたという。ビジネスものでは、「21世紀最高の経営者」と言われる元ゼネラル・エレクトリックCEOの自伝『傑克・韋尓奇自伝』(邦題は、『ジャック・ウェルチ わが経営』)が売れたほか、台湾の王文華『蛋白質女孩』(邦題は、『蛋白質ガール』)もベスト5入りした。
健康関連書はいまや「売れている本」の常連だが、同ジャンルで最初にベストセラーとなったのは2003年の洪昭光著『登上健康快車』だろう。食生活の欧米化や生活リズムの変化で健康問題への関心が高まった社会状況が反映されている。以下、『財富人生――大型財経訪談節目精選本』
ヒラリー・クリントン米国務長官の回想録『親歴歴史:希拉里回憶録』(邦題は、『リビング・ヒストリー ヒラリー・ロダム・クリントン自伝』)や王蒙著『王蒙自述:我的人生哲学』が続く。『財富人生』書籍版の成功がテレビ番組の書籍化を進めていくことになり、『新歴歴史』が日本版よりもいち早く出版されたように、海外のベストセラー本の中国語版刊行のスピードはこの頃から早くなっていく。

2004年のベストワンは、これまた世界的ベストセラーのダン・ブラウン著『達・芬奇密碼』(邦題は、『ダ・ヴィンチ・コード』)。この本をきっかけにミステリーブームも起き、国産ミステリー作家も誕生していく。2005年のトップも翻訳書だ。ロバート・ローレンス・クーン著『他改変了・江沢民伝』(邦題は、『中国を変えた男――江沢民』)。いまも健在の政治家の半生を、それも外国人が書いたものとして大きな話題を呼んだ。小説では3年ぶりに余華著『兄弟(上)』がベスト5入り。下巻も2006年のベスト5にランクインしている。
2006年は中央電視台の教養番組「百家講壇」がブームとなった年だ。国学への関心は書籍化につながり、同番組に登場した学者たちの書籍が次々と出版された。その代表的学者が易中天で、彼の『品三国(上)』がベストワンとなった。2007年も、易中天の『品三国(下)』や『于丹<論語>心得』など「百家講壇」本は売れ続けた。『家常菜精選1288例』はレシピ本としては初のベスト5入りだ。最も売れたのは、ハリー・ポッターシリーズ完結編となるJ.K.ローリング著『哈利・波特与死亡聖器』(邦題は、『ハリー・ポッターと死の秘宝』である。
そして昨年だが、アメリカから始まった世界的金融不況の影響から、貨幣という側面から西欧の近代史・金融発展史をひもとき、米国債務事情の内幕などについても言及した宋鴻兵著『貨幣戦争』がベストワンとなった。外資系企業で働く女性を主人公にした職場小説『杜拉拉昇職記』も売れた1冊で、続編も出版。テレビ・映画化も予定されている。


10年を通してみると、10冊のベストワンのうち半分は翻訳モノだ。ベスト5を見ても翻訳モノが登場しなかったのは2008年のみで、ベスト5の50冊のうち16冊で3分の1を占めている。ジャンルとしては小説が12冊、ビジネス・自己啓発ものが11冊、教養・語学関係が7冊だった。重厚な小説は売れなくなり、自己啓発本や平易な言葉で書かれた教養もの、ハウツー系などが売れるようになっているのは日本とさして変わらない。上海の10年を映し出す50冊となっている。

 上海書城年間ベストワン
 
 1999 『十万個為什麼(新世紀版)』
 
 2000 『三重門』
 
 2001 『富爸爸、窮爸爸』
 
 2002 『誰動了我的奶酪』
 
 2003 『登上健康快車』
 
 2004 『達・芬奇密碼』
 
 2005 『他改変了中国:江沢民伝』
 
 2006 『品三国(上)』
 
 2007 『哈利・波特与死亡聖器』
 
 2008 『貨幣戦争』

 
春節を前にした上海市内の様子(1)(フリーランスライター 須藤みか)
日本の新聞・雑誌・ウェブに連載・寄稿している。
著書に『上海ジャパニーズ 日本を飛び出した和僑24人』、
『上海発!新・中国的流儀70』(ともに、講談社+α文庫)など。
ウェブでは当欄のほか、以下に連載中。
http://blog.5012.jp/nikkeiwoman/essay3/
   
   
shan_07   上海のベストセラー
(『上海電視』1月15日号掲載「網上書城」ベストテンより)
     

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sh200901_07

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1位 『詩翁彼豆故事集』
[英]J.K.ローリング著 馬愛農訳 人民文学出版社 2008年12月初版


ハリー・ポッターシリーズの最終巻にその名が登場する魔法界のおとぎ話。邦訳は、『吟遊詩人ビードルの物語』。


2位 『秘密 人類成功的根本秘密首次完全掲露』
[豪]ロンダ・バーン著 謝明憲訳 中国城市出版社 2008年11月初版


成功した人間が理解していたという「秘密」を知ることで、健康や富、幸福を手にいれ豊かに生きることを説いた人生指南書。邦訳は、『ザ・シークレット』。


3位 『小時代1.0折紙時代』
郭敬明著 長江文藝出版社 2008年10月初版


上海を舞台に4人の女子大学生の友情と愛を描く青春小説。


4位 『非是非非:世界経典趣味悖論(増訂版)』
孟雲剣著 新世界出版社 2008年10月初版


世界の古典のパラドックスを読み解く。思考することの大切さを伝える哲学の入門的書籍。


5位 『四魔頭』
[英]アガサ・クリスティ著 張建平訳 人民文学出版社 2008年9月初版


探偵ポワロシリーズの1冊。国際的な犯罪組織に立ち向かう探偵ポワロの推理が冴える。邦訳は、『謎のビッグ・フォア(ビッグ4)』。


6位 『不生病的智慧3』
欒加芹著 江蘇文藝出版社 2008年6月初版


食物と、中医学で言うところの経絡と原穴の利用こそが、全方位型の特効薬であるとする健康指南書。


7位 『烏拉尼亜』
[仏]ル・クレジオ著 紫嫣訳 人民文学出版社 2008年1月初版


2008年ノーベル文学賞受賞作家の最新作。フランス人地理学者はメキシコをフィールドワーク中、理想の国「ウラニア」を発見する…。理想の国を描きながら現代社会を風刺した作品。


8位 『第十三個故事』
[英]ダイアン・セッターフィールド著 金逸明著 人民文学出版社 2008年5月初版


父親の古書店で働く主人公のもとに1通の手紙が届く。手紙に導かれて、差出人である著名な女性作家の屋敷を訪ねて行くと、作家は出自の秘密を語りだした…。


9位 『星塵』
[英]ニール・ゲイマン著 人民文学出版社 2008年8月初版


手に入れたら願いがかなうという流れ星を得ようとする青年や王子、魔女たちが繰り広げる冒険ファンタジー。邦訳は、『スターダスト』。


10位 『扔在八月的路上』
[日]伊藤たかみ著 伏怡琳訳 人民文学出版社 2008年10月初版


2006年に芥川賞を受賞した『八月の路上に捨てる』の翻訳本』。


春節を前にした上海市内の様子(2)
 
 
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