■活字少なめが人気
書店をぐるりすると、この手の日本発のイラストあるいはコミックエッセイ本が何冊も出ている。台湾の幾米(ジミー)の大人向け絵本や、動物の写真を前面に押し出した書籍が数年前から人気なように、活字は少なめでイラストや写真多用の本は今後、ますます出てくるはずだ。
そのきざしと言えそうな日本の書籍というのを紹介すると…。
昨年12月に出版されたばかりの『愛哭的你』『温柔的你』の2冊組(南海出版公司)。人気脚本家の北川悦吏子が文を綴り、人気イラストレーターのMAYAMAXXが絵を描いた詩集『会いたい』(角川文庫)で、恋をした時のsweetでbitterな気持ちが込められた1冊だ。
学研の暮らしの絵本シリーズも翻訳が始まっている。渡邊忠司監修、伊藤美樹/絵の『食べ方のマナーとコツ』の中国語版『不出糗! 用餐的優雅』(中国軽工業出版社、2006年9月刊)で、美しく食べるために必要なスマートな作法を、和食・洋食・中華やフォーマルな席の食事別に楽しくイラストで見せている。そのほか、贈り方や仕事などのマナー本も翻訳されている。この手の実用書は中国書籍に欠けていたジャンルだけに有望株だ。
さらに、金子みすずの童謡集『向着明亮那方』(邦題『明るいほうへ』、JULA出版局)や、中国で最も有名な日本人俳優、高倉健著で、唐仁原教久/絵の『南極的比鵝』(邦題『南極のペンギン』、集英社)も北京の新星出版社から今年1月に出版されている。
活字離れは中国とて、同様。こういった活字少なめイラスト多用本は、中国の書籍にも今後影響を与えていきそうだ。
|