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2007年2月

 

   
   
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イラストエッセイ本が静かな人気、
火付け役は河童シリーズ


■女子高生のココロをつかんだ?

2カ月ほど前だっただろうか。マクドナルドで一息つこうと座ってみると、隣の席には高校生らしき女の子2人組。何やら熱心に本を読んでいるので、首を伸ばしてみると、彼女たちが手にしているのはイラストが満載の本だ。もしかして日本の本を読んでいる日本人かと思ったが、文字は中国語だし、話す会話も上海語である。ちらりと見えた表紙に「150cm」という文字があった。
それからしばらくして書店に出かけて、彼女たちが楽しそうに読んでいた本の正体が分かった。身長150センチの著者が自らのコンプレックスをセキララに語り、時に笑い、時にホロリとさせるイラスト満載の人気コミックエッセイ『150cm Life』(高木直子著、洪君訳、陝西師範大学出版社、2006年3月刊)だったのだ。

   
 
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■河童シリーズは4冊刊行

1月の当欄をお休みしてしまったのだけれど、先月紹介する予定だったベストテン(1月21日号『上海電視』)には、妹尾河童著、陶振孝訳『河童雑記本』(三聯出版社)が5位に登場している。講談社文庫の「河童が覗いたシリーズ」の『河童の手のうち幕の内』を翻訳したもので、昨年12月に出版された。同シリーズはこれまでに、日本、インド、スケッチブックの計4冊が出版されており、そのうち『河童が覗いたインド』の翻訳本『窺視印度』は2005年1月にもランクインしている。さらに、『河童が覗いた「仕事場」』も近刊の予定だ。
中国における日本の人気作家というと、村上春樹、田中芳樹、渡辺淳一の"御三家"や吉本ばなななどが上がってくるが、意外なところで妹尾河童の人気が高い。上海の海外旅行ブームを背景に、旅行ガイド本に飽き足らない読者に歓迎されたと思われるのと、中国の書籍ではほとんど見られないイラスト&エッセイという形もウケたのではないだろうか。

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■活字少なめが人気

書店をぐるりすると、この手の日本発のイラストあるいはコミックエッセイ本が何冊も出ている。台湾の幾米(ジミー)の大人向け絵本や、動物の写真を前面に押し出した書籍が数年前から人気なように、活字は少なめでイラストや写真多用の本は今後、ますます出てくるはずだ。

そのきざしと言えそうな日本の書籍というのを紹介すると…。
昨年12月に出版されたばかりの『愛哭的你』『温柔的你』の2冊組(南海出版公司)。人気脚本家の北川悦吏子が文を綴り、人気イラストレーターのMAYAMAXXが絵を描いた詩集『会いたい』(角川文庫)で、恋をした時のsweetでbitterな気持ちが込められた1冊だ。

学研の暮らしの絵本シリーズも翻訳が始まっている。渡邊忠司監修、伊藤美樹/絵の『食べ方のマナーとコツ』の中国語版『不出糗! 用餐的優雅』(中国軽工業出版社、2006年9月刊)で、美しく食べるために必要なスマートな作法を、和食・洋食・中華やフォーマルな席の食事別に楽しくイラストで見せている。そのほか、贈り方や仕事などのマナー本も翻訳されている。この手の実用書は中国書籍に欠けていたジャンルだけに有望株だ。

さらに、金子みすずの童謡集『向着明亮那方』(邦題『明るいほうへ』、JULA出版局)や、中国で最も有名な日本人俳優、高倉健著で、唐仁原教久/絵の『南極的比鵝』(邦題『南極のペンギン』、集英社)も北京の新星出版社から今年1月に出版されている。
活字離れは中国とて、同様。こういった活字少なめイラスト多用本は、中国の書籍にも今後影響を与えていきそうだ。

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★蛇足ながら、
日本関係の書籍の話をもう少し。映画、ドラマ化もされたリリー・フランキーのベストセラー小説『東京タワー』も1月に、海外のビジネス書に強い中信出版社から出版された。最近は、キャッチコピーが踊るオビをつけた書籍が中国でも増えているが、この本は表紙のタイトル横にコピー「日本の"泣ける"小説ナンバーワン」をつけている、ちょっと変り種。
それから、江國香織の新刊翻訳本も昨年12月に出ている。彼女の本はこれまでにも翻訳されているが、今回出たのは『沈落的黄昏』(北京十月文藝出版社、25元、邦題『落下する夕方』)。こちらのキャッチコピーは、中国の女性たちに強く支持される人気作家の名を前面に出している。「安妮宝貝的感覚」の日本の女性作家の恋愛小説という売り出し方で、中国の読者には分かりやすいし、ファンもつかみやすそうだ。

sh200702_10春節の支度 
  龍華寺にかけられた短冊sh200702_18
 須藤みか/上海在住フリーランスライター
日刊ゲンダイでの連載をまとめた
『上海発!新・中国的流儀70』
(講談社+α文庫)発売中!
ウェブでは、以下に連載中。
http://blog.5012.jp/nikkeiwoman/essay3/
http://blog.excite.co.jp/g-shanghai/
   
   
 

『上海電視』1月21日号(上海書城、季風書園、思考楽書局など調べ)

     
   
1位 『于丹「論語」心得』
于丹著 中華書局


中央電視台の教育チャンネルの人気番組「百家講檀」の「《論語》心得」を書籍化したもの。著者の于丹は古代文学を専門とする北京師範大学教授。


2位 『風雲側記』
袁鷹著 中国档案出版社

中国当局が今年1月、発行禁止処分にしたとされる8冊のうちの1冊。人民日報元編集者による回顧録で、1950年代から80年代までの中国の歴史上の出来事を顧みている。


3位 『我們的1980年代』
曠晨著 友誼出版公司

1950年代から80年代までの中国の歴史的出来事を顧みる叢書の1冊。『風雲側記』と同様に、発禁となったと言われる1冊。


4位 『郁金香』
張愛玲著 十月文藝出版社

5巻からなる張愛玲全集の1巻。1947年5月に上海の『小報』に連載されたあと散逸し、2002年に発見、2005年に『上海文学』誌に再録された作品「郁金香」も収録されている。


5位 『一個普通中国人的家族史 1850-2004』
国亜著 広播電視出版社


普通の中国人家庭を通して、19世紀半ばから21世紀初めに至るまでの150年の時代の変化を描いた小説。同書も、今年1月に発禁処分にされた1冊。著者は70年代生まれで、ネット上で多くの文章を精力的に発表している。


6位 『蓉島之春』
亦舒著 花城出版社


上海に生まれ、香港で育ち、現在はカナダに暮らす人気作家、亦舒。繁体字版は、2004年7月に出版。


7位 『白色城堡』
[トルコ]オルハン・パムク著 瀋志興訳 上海人民出版社

昨年ノーベル文学賞を受賞したトルコのオルハン・パムク。2000年に発表した『わたしの名は紅』が世界的ベストセラーとなっているが、最初にパムクが国際的な注目を集めたのが本作品。捕虜のベネチア人とトルコ人との間に起こる衝突や友情、異文化を描いた。


8位 『西班牙旅行筆記』
林達著 北京三聯出版社
米国在住作家、林達の『帯一本書去巴黎』に続き2冊目となるエッセイ集で、スペインの旅について記したもの。


9位 『万古江河:中国歴史文化的転折与開展』
許倬雲著 上海文藝出版社

中国文化発祥の地理的空間からスタートし、中国文化の多元的発展、さらにアジアと世界における中国文化の歴程に言及していく。


10位 『手機』
[米]スティーブン・キング著 夏菁訳 上海訳文出版社
昨年2月に米国で出版されたスティーブン・キングの最新ホラー長編小説の中国語版が早くも刊行。
 
     

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