1.『史蒂夫・喬布斯伝』(スティーブ・ジョブズ)
ウォルター・アイザックソン(米)著/管延圻など訳 中信出版社 2011年10月初版
10月5日死去した米アップルの創業者で、前最高経営責任者(CEO)のスティーブ・ジョブズが生前、取材に全面協力した公認伝記。10月24日に世界同時発売となった。日本では、『スティーブ・ジョブズ』ⅠⅡ巻として、講談社から翻訳出版された。
アップル創設の経緯から、iPhone、iPadの誕生秘話、さらに引退まで、ベールに包まれたジョブズの軌跡が明らかに。
ライバルとされた米マイクロソフトの共同創業者兼会長ビル・ゲイツ氏について、「想像力がない」と酷評していたことも話題となった。
中国では、この正規版とは別に、パクリ本や海賊版が数多く出回った。
2.『青春』
韓寒・著 湖南人民出版社 2011年9月初版
「80後」作家のパイオニアにしてオピニオンリーダー、韓寒の最新エッセイの精選集。「フランス製品ボイコット」「山寨(コピー品)立法」「建国大業」「仕方なく万博を待つ」「倒鉤(釣魚=フィッシング)事件」など、時代と社会を鋭くきりとる痛快エッセイの数々を収録。
プロのラリーレーサーとしての一面や、小説の創作秘話についても明かしている。
3.『于丹趣品人生』
于丹・著 中信出版社 2011年10月初版
4.『朱鎔基講話実録』(全4巻)
『朱鎔基講話実録』編集チーム編 人民出版社 2011年9月初版
5.『百年孤独』(百年の孤独)
G.ガルシア=マルケス著(コロンビア) 范曄・訳 南海出版公司 2011年6月初版
6.『世界如此険悪,你要内心強大』(世界はこんなに険悪だから、内心を力強く)
石勇・著 印刷工業出版社 2011年7月初版
7.『失恋33天』(失恋33日)
鮑鯨鯨・著 中信出版社 2010年1月初版
11月8日の公開からわずか3週間で3億元の興行収入を上げ、今年一番の「ダークホース」といわれる中国映画「失恋33天」の原作本。もとは2009年にネット小説として公開され、人気を呼んだラブコメディーだ。
都会の結婚式プロデュース会社に勤める黄小仙が失恋してからの33日間の心の変遷を、リズミカルに丁寧に描く。落ち込んだり、悩んだりしながらも、最初はイヤな同僚だった「王小賎」こと王一揚の優しさに、しだいに心を開いていく……。
映画のヒットは、中国で俗に「光棍節」(独身デー)といわれる11月11日に“失恋モノ”を当てたことといわれる。とくに2011年は「1」が6つ並ぶ100年に一度の「神棍節」ともてはやされて、観客動員に一役買った。
ストーリーにも派手さはないが、「80後(1980年代生まれ)の等身大のラブストーリー」「癒し系の物語」などと若者たちの共感を呼んだ。映画の大ヒットで、昨年1月に出版された原作本が見直された形となった。
8.『神奇的一氧化氮』(原題「Magical Nitric Oxide」、不思議な一酸化窒素)
フェリド・ムラド(米)、陳振興・著 訳林出版社 2011年11月初版
著者のフェリド・ムラド氏は、米国の内科医、薬理学者。1998年にノーベル生理学・医学賞を受賞。現在、ジョージ・ワシントン大学生化学・分子生物学科の教授を務める。
その主な研究は、薬物を用いて循環系の弛緩因子である一酸化窒素(NO)を体内に放出し、血管を拡張させるしくみについて……(適用例の1つに、バイアグラの開発がある)。
心血管系の健康に欠かせない物質で、糖尿病や癌、免疫疾患、性機能改善に効き目があるとされるNO。
本書では、そのNOを利用した養生法と疾病予防について論理的に説く。
どういった人たちにNOが必要か、また食事やスポーツ、抗酸化剤などから、いかに適量のNOを効率よく取り入れるかについて、わかりやすく解説する。
共著者の陳振興氏は医師、医学博士で、ムラド氏の研究協力パートナー。
9.『杜拉拉大結局』(杜拉拉の最終章)
李可・著 湖南文芸出版社 2011年10月初版
10.『好媽媽勝過好老師』(よい母はよい教師に勝る)
尹建莉・著 作家出版社
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