1.『朱鎔基講話実録』(全4巻)
『朱鎔基講話実録』編集チーム編 人民出版社 2011年9月初版
2.『虫図騰』(虫のトーテム)
闫志洋・著 新星出版社 2011年8月初版
中国初の“虫駆除師”をテーマにしたミステリー。中国の娯楽系ポータルサイトでの発表1カ月で1000万の大量アクセスを数えた人気小説を書籍化した。
あるところに、古くから伝わる神秘的な虫駆除技術をもった「駆虫師」たちがいた。彼らは「金木水火土」の5族に分かれ、それぞれが独特な虫駆除技術を伝承していたが、それは人を瞬時に救うこともできれば、死に至らしめることもできる秘術だった……。
「ぞっとするほど気味悪いが、先の読めないサスペンスに引き込まれる」という読者の評がネット上に書き込まれている。
3.『百年孤独』(百年の孤独)
G.ガルシア=マルケス著(コロンビア) 范曄・訳 南海出版公司 2011年6月初版
4.『老公,投降吧』(あなた、降参して)
柔柔的遥遥・著 江蘇文芸出版社 2010年5月初版
コメディータッチの都会派ラブストーリー。「萌えと愛の爆笑追夫(夫追っかけ)記」とある。
気ままで傲慢な成金女性・夏小花は、上流社会の貴公子・葉璽に好意を寄せていたが、彼には華麗麗という金持ちの新婦がいた。ところがズボラな性格の華麗麗は上品な葉璽にはそぐわないところがあり、さらに葉璽には他に想う人がいるらしかった。夏小花は2人の離婚を画策し、葉璽に「降参してほしい」と迫るのだが……。
成金ヒロインと現代版“王子様”が繰り広げる、コミカルなトレンディー小説だ。
5.『春宴』
安妮宝貝・著 湖南文芸出版社 2011年8月初版
6.『好媽媽勝過好老師』(よい母はよい教師に勝る)
尹建莉・著 作家出版社
7.『鬼吹灯之聖泉尋踪』(鬼吹灯――聖泉の跡を捜す)
天下覇唱・原著 御定六壬・改編 金城出版社 2011年8月初版
天下覇唱の冒険ミステリー小説『鬼吹灯』のシリーズ最新作。主人公の胡八一らが秘宝を探して活躍する。
前作に続く舞台は、南米のジャングルへと飛ぶ。そこで胡八一たちは神秘の秘術「十六字陰陽風水秘術」を使って、多くの墳墓を発見する。さらに伝説のインカ人の聖地で、不老効果があるという「青春泉」を発見するのだが、陰陽術の使い手で黒幕の老人が現れて……。
「鬼吹灯ワールド再び。ハリウッド映画ばりの痛快アドベンチャー」という壮大なスケールの物語。
8.『謀殺似水年華』(謀殺の歳月は水の如し)
蔡駿・著 南海出版社 2011年8月初版
中国の推理小説の第一人者、蔡駿(ツァイ・ジュン)の最新作。作家にはこれまでに『病毒』『猫眼』『天機』などのベストセラーがあり、作品の販売総数は約700万冊。7年連続で中国推理小説の販売総数ナンバーワンを保持している。
ある夏の大雨の夜、南明高校向かいの雑貨店で起きた殺人事件。唯一の目撃者は死者の13歳の息子だった。
15年後、事件未解決のまま担当刑事が殉職した。葬儀の準備で娘の田小麦が見つけたのは、父が遺した「工作手帳」。そこには、15年前の事件の凶器が、紫のシルクスカーフだと記されていた。しだいに事件の経緯に巻き込まれていく田小麦。そこからは「ストレートだが、絶望的な愛」という時代の悲劇が浮上してくるのだった……。
9.『大風歌:王立群講高祖劉邦(下)』(大風の歌:王立群が高祖劉邦を解説する)
王立群・著 陝西師範大学出版総社有限公司 2011年8月初版
中国の有名な歴史学者・王立群氏による中国中央テレビ(CCTV)の人気レクチャー番組「百家講壇」の講座をまとめたもの。
中国史上唯一、平民から皇帝へと上りつめた劉邦。それは中国史上で最短時間の7年間、天下を統一した皇帝だった。秦の郡県制に封建制度と中央集権を取り入れた「群国制」という統治体制をとったほか、「千古人主第一詞」(千古の君主、第一の詞)といわれる詩歌「大風歌」を後世に残した。
史書の『史記』『漢書』などの研究から、決断力と実行力に富み、適材適所の任用などで人望を集めた劉邦の功績や人となりを解説する。
10.『一句頂一万句』(一語が一万語にあたる)
劉震雲・著 長江文芸出版社 2009年3月初版
中国の『百年の孤独』といわれる長編小説。2011年「第8回茅盾文学賞」受賞作の1つ。
簡潔なプロット、洗練された言葉遣い、要所要所のシニカルなユーモアなどが特徴。
小説の前半は「過去」の物語。孤独で身寄りのない呉摩西がある時、唯一話のできる養女を見失い、養女を捜して河南省北部の延津県から出立する。後半は「現在」の物語で、養女の息子・牛建国が同じように孤独から逃れようと友人を探して延津県へと向かう……。
異なる時代に生きた“血縁関係”のある主人公たちの旅立ちと回帰の物語。
さらに登場する人物や家族、社会組織はいずれも話がかみ合わないという矛盾を抱える。会話というものが人間の唯一の交流手段になった時から、人は孤独と連れ添っていると作者は説く。
「古来、中国人はこうして奔走してきた。その視点は中国小説の“国風”だ」「『水滸伝』を思い出す」「現代中国の“大歴史”だ」などと評論家たちの評価も高い。
|