1.『一問一世界』
楊瀾、朱氷・著 江蘇人民出版社 2011年5月初版
中国中央テレビ(CCTV)、香港・鳳凰衛星テレビの人気キャスターを経て、中国人民政治協商会議(政協)第10回全国委員などを歴任。さらには四川大地震の震災孤児支援のための基金を立ち上げるなど、多方面で活躍する中国人女性・楊瀾(43)。
その社会経験20年の精華をつづる。
キッシンジャー、クリントン、ブッシュ(父)、リー・クアンユー、ジャック・ウェルチといった世界の要人との交際秘話から、彼女が見たメディアの世界、人生の転機におけるステップアップ、「勝利」や「成功」への新理解まで。
「幸福力」を得るために必要なのは、夢見る力、創造力、感受性、人と分かち合うことであり、むやみに成功を追い求める「成功総合症」にならないで……と奥深いメッセージを伝えている。
2.『超越2012:世界危機与人類的選択』(2012年を越える:世界危機と人類の選択)
李華平・著 当代中国出版社 2011年3月初版
古代マヤ族が予言したという2012年の人類最後の日。
地球温暖化や複雑な地域紛争、そして今年3月11日の東日本大震災とそれに伴う福島第一原発の事故、リビアへのNATO空爆……。
近年地球で起きている大事件や災害は、来たる2012年の前ぶれなのか? 人類への天罰なのか――?
新華通信社に勤めたジャーナリストで中国法学会会員の著者が、天文学、物理学、生物学、哲学、文学といった学術的な視点と、人類の発展史、社会進化史といった多角的な観点から、近年頻発する天災や人災の根源を探る。
その上で、明代の儒学者・王陽明の「知行合一」の思想で、末日のきざしを覚える己を救おうと主張する。
3.『中国震撼』
張維為・著 上海人民出版社 2011年1月初版
4.『苦難輝煌』(苦難輝く)
金一南・著(米) 華芸出版社 2009年1月初版
中国共産党の早期の歴史を、国際的観点から解読した歴史書。「我々はかつて奴隷だった。さもなくば1840年から1949年までの中華民族100年の零落はなかった。我々も英雄を擁した。さもなくば1949年から2050年までの中華民族の100年の復興はなかった」と本書。
中国メディアには「戦略的意識をもって歴史を評価し、なおかつ随筆のような深い味わいがある」と評されている。中国共産党中央宣伝部が全党員、役員幹部に推薦した「重点図書」。
2009年1月初版、その後2010年8月にベストテンに入るなどした息の長い書で、今回は今年7月1日の建党90周年を前に返り咲いたようだ。
5.『大家都有病』(みな病あり)
朱徳庸・著 現代出版社 2011年5月初版
台湾の人気漫画家・朱徳庸の最新作。
どうやっても自殺できない自殺願望のある3兄弟、毎日いらだっている夫婦、買い物依存症の女性……。クレイジーともいえる現代社会の人々を、ユーモアあふれる独特な視点とタッチで描写する。
朱徳庸の代表作といわれる『双響炮』シリーズは、若い男女のドタバタ生活コメディー。「世界の華人、最愛の4コマ漫画」と評され、大陸では人気俳優・胡兵の主演でドラマ化されて人気を博した。
また漫画作品は、大陸でも『双響炮』をはじめ『什麼事都在発生』(なんだって起こる、04年)、『絶対小孩』(ぜったい子ども、07年)などが出版されて評判となった。
6.『藏地密碼10』(チベット・コード10)
何馬・著 重慶出版社 2011年4月初版
7.『那些不能告訴大人的事』(大人に話せないあれらのこと)
饒雪漫・著 訳林出版社 2011年4月初版
青春小説作家、饒雪漫が、思春期の子どもを持つ親たちに送る55通の手紙。
「17歳の道の入り口に(ともに)立ち、どうやってその扉を開けて、閉めてやるか」「(子どもに)一番寄り添うべきことは、また離れるべきことは」……など難しい思春期の教育を、子どもの気持ちをふまえて解説。
「親子で読んでもらいたい」成長のためのガイドブック。
8.『坼裂』(割れる)
歌兌・著 解放軍文芸出版社 2011年1月初版
2008年5月12日の四川大地震を背景に、救援隊員・林絮と卿爽が見た被災者たちの恐怖と希望、美と醜、善と悪、崇高さと卑しさ……。
大地の崩壊は、まるで鏡を割るかのように、それぞれの内心にヒビを入れてしまったのか?
複雑な社会と人を、時に鋭く、時にユーモアを交えて活写。中国でも近年は珍しいというヒューマニズム文学の大作だ。
9.『女人財富非常道』(女性の財テクは大正解)
李南・著 広西師範大学出版社 2011年5月初版
話題となった前作の『我最想要的理財書』(私が一番欲しいと思う財テク書、2010年5月初版)の姉妹編。
中国テレビ各局の経済番組を受け持つ「女性経済キャスター、ナンバーワン」といわれる著者が「お金を稼ぐのは技術、使うのは芸術」「財テクは一生の勉強」として保険、不動産、株券、ファンド、宝石・貴金属などへの投資方法をわかりやすく解説。
不動産の帰属や婚礼費用、子どもへの財産分与、子どもの財テク学習法などを理解して、生活をより豊かにしましょうと呼びかけている。
10.『歴史的軌跡:中国共産党為什麼能』(歴史の軌跡:中国共産党はなぜ成し得たか)
謝春濤・主編 新世界出版社 2011年3月初版
中国国務院(政府)主管の新聞出版総署が推薦する、建党90周年の「重点図書」。
中国共産党がなぜ成し得たか……なぜ「新中国を建国できたか」「世界第2の経済体に発展させ得たか」「社会主義と市場経済の結合を実現させ得たか」「震災を克服し、北京五輪を成功させたか」「約8000万党員の管理ができる大政党なのか」といった13の謎に答える。
大規模党員から一般読者まで、幅広く楽しめるという「通俗的党史読み物」。
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