1.『中国震撼』
張維為・著 上海人民出版社 2011年1月初版
サブタイトルは「一個“文明型国家”的崛起」(文明型国家の勃興)。
著者は現在、スイス・ジュネーブのウェブスター大学の教授であり、復旦大学教授。1980年代には鄧小平氏をはじめ中国国家幹部の英語通訳として、約100カ国・地域を訪れている。
本書は国際関係の研究者である著者が、その豊かな学識と経験をもとに“文明型国家”として中国をいかに発展させるかを説く。
インドや東欧などの発展モデルとその欠陥を検証しつつ、「中国の勃興とは5000年の偉大な文明の復興」であり、「このような“文明型国家”は、他の文明のあらゆる長所を吸収し、その上で世界文明に対してオリジナリティーに富んだ貢献をすることができる」と強調。
“中国スタンダード”を文明上でも進めようという見解のようだ。
2.『劉心武 続紅楼夢』
劉心武・著 江蘇人民出版社 2011年3月初版
3.『做你自己』(原題『Life Is What You Make It』)
ピーター・バフェット著(米)、趙亜男・訳 新世界出版社 2011年3月初版
アメリカの著名投資家ウォーレン・バフェット氏の息子で、ミュージシャンのピーター・バフェット氏が2010年に出版した『人生は自分で作るもの:実現への道の探し方』の中国語版。
富裕層の親たちに子どもをいかに正しく育てるかについて、自身の成長体験を踏まえながら説き明かす。
裕福な親のもとで3人兄弟の末っ子として生まれたピーター氏だが、バフェット氏の教えのおかげで甘やかされずに質素に暮らし、人として「普通の幸せ」を得ることができたという。
大切なのは富や名誉ではなく、価値観と大好きなものに情熱を傾けることだとピーター氏は説く。一方で、19歳の時に家族から9万ドル相当の株を譲渡されたことも明かしている。
4.『蒋介石自述:1887‐1975(上)
師永剛、張凡・編著 華文出版社 2011年4月初版
中国国民党の初代総裁、国民政府主席、中華民国初代総統の蒋介石(1887-1975)。その自叙言論集。蒋介石が自らの経歴や政治軍事活動のみならず、孔子・孟子、教育について語り、詩や論文、修身道徳、信仰や青春について説く。
「比較的、客観的で公正な蒋介石の自叙伝」であり、「意識や政治面での誤読やミスリードは基本的になく、台湾に逃れてからの角度で始まっており、真実の蒋介石を解読できる」と内容紹介に。
国共内戦の敗北後の思いや未公開日記など、内容の約半分は大陸では初公開。蒋氏後継者との正式契約を経て、大陸での出版にこぎつけたという。重要演説の全内容や秘蔵写真、書道作品100点も収録されている。
5.『侯衛東官場筆記6』(侯衛東の官界メモ6)
小橋老樹・著 鳳凰出版社 2011年4月初版
村から鎮(町)、県、市、そして省の政府へ。主人公の公務員・侯衛東の10年にわたる栄転ドラマを描くとともに、ベールに覆われた官界の実情と秘密に迫る。
6.『原来的世界』
繆熱・著 京華出版社 2011年3月初版
中国のある寒村を舞台にした幻想ミステリー小説。
静かな臥牛村の祠堂で批判闘争大会が開かれていた。そこに現れた大蛇と、大蛇を追ううちに発見された神秘的な大木の洞、洞の出現で再発見された臥牛村の青銅文明、封鎖されていた神秘の扉を開けるカギ……。
誰がこのカギを扱うのか? 過ぎ去った文明は復活するのか? 人々の懐疑心と争いのムードが強まり、さまざまな人間模様が織りなされていく。そうした中で、謎に包まれた臥牛村の過去がしだいに暴かれていくのだった……。
7.『華爾街2:金融的力量』(ウォール街2:金融の力)
ドキュメンタリー「華爾街」製作チーム・著 中国商業出版社 2011年3月初版
中国中央テレビ(CCTV)の同名タイトルのドキュメンタリーを書籍化した。
世界の金融地区のシンボルであり、米国の金融史と切っても切り離せない「ウォール街」。本書は「中国人が初めて、世界金融の心臓部を深く探った」というルポの第2弾で、前作に引き続き内外の経済学者、政府高官、企業トップら(33人)へのインタビューをまとめる。
「中国人にウォール街を全面的に紹介し、資本市場の盛衰と経済起伏の法則、資本市場での実践者の経験、金融情勢と一国の勃興の関係を理解してもらいたい」というのが本シリーズの趣旨。本作では、金融危機終息のゆくえや、アメリカの「負債消費」が経済を本当に発展させるのか? などについて分析する。
8.『星光璀璨』(STARRY SKY)
匪我思存・著 新世界出版社 2011年3月初版
「恋愛小説の旗手」などといわれる中国の若手女性作家、匪我思存が3年にわたり完成させた新作小説。
スターたちが星のようにきらめく芸能界には陰謀やワナがはびこり、またそこは名誉と利益がうずまく場だった。彼らの恋愛には「男女関係の噂はあってもいいが、恋心を抱いてはならない」という秘密があった。本心を明かせないまま、つらい恋を抱いた大スターとマネージャー、新世代のアイドルと黒幕の資本家……。
恋と裏切り、艶聞とトップニュース、競争と感情のもつれ、恩と仇……。光と影が交差する芸能界を舞台に、当代きっての恋愛小説家が描く社会派ラブストーリー。
9.『自愈瑜伽』(自分で治すヨガ)
李庚姫・著(韓)、関啓鋭・訳 金城出版社 2011年1月初版
パソコンを前に長時間イス座ることで起こる肩こり、目の疲れ、首の痛み、腰痛など……。こうした現代病も、簡単なフォームで覚えられる古典的ヨガで予防治療できる!というのがこの本。
古典的ヨガの基本フォームをやさしく教えるテキストで、疾病ごとの予防治療に効果的なヨガをそれぞれ解説。「一生ものの家庭書であり、毎日練習して健康に!」とある。
韓国のベストセラーの中国語版。
10.『将愛』
夏達、姚非拉など著 長江出版社 2011年3月初版
大ヒット中国映画『杜拉拉昇職記』(Go Lala Go!)の主演・監督の徐静蕾がヒロインをつとめた最新ラブストーリー映画『将愛情進行到底』(略称・将愛)。
それをもとに人気の女性漫画家・夏達が漫画化した表題作をはじめ、5人の中国人漫画家(夏達、姚非拉、猪楽桃、于彦舒、姜暁晨)のイラスト・漫画作品をまとめた“コンプレーション版”。
五者五様のタッチと物語で、現代中国のラブロマンスが描かれる。
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