1.『従頭到脚説健康』(頭から足まで健康を語る)
曲黎敏・著 長江文芸出版社 2008年7月初版
2.『杜拉拉2 華年似水』(杜拉拉2 青年は水の如し)
李可・著 陝西師範大学出版社 2009年1月初版
3.『魔法誘惑』(マジックの誘惑)
劉謙・著 北京出版社 2009年2月第8刷
――日本の紅白歌合戦にあたる旧暦大晦日の人気テレビ番組「春節聯歓晩会」(春晩)。歌あり、踊りあり、コントありと盛りだくさんのエンタテインメント番組だが、今年人気をさらった1人が台湾のイケメン・マジシャン、劉謙だった。
華麗な手さばきとクールな笑顔に、中国の視聴者たちは熱狂。その影響でテーブルマジックや関連グッズがちょっとしたブームになっているほどだ。
本書(原書の簡体字版)も2006年の初版から今年2月で8刷を数え、劉謙人気を裏付けている。トランプ、コイン、輪ゴム、タバコ、マッチといった日用品で、カンタンにできるテーブルマジックを惜しげもなく紹介。続編もすでに出版されている。
4.『求医不如求己3』
中里巴人・著 江蘇文芸出版社 2008年11月初版
5.『老子的帮助』(老子の助け)
王蒙・著 華夏出版社 2009年1月初版
――中国の元文化相で作家協会副主席という文学界の重鎮・王蒙。『我的人生哲学』『青狐』などのベストセラーでも知られる作家が、「老子」全81章の現代意訳を試みた異色作。
「老子は、現代人にどんなことを教えてくれるか? 老子が提唱したのは“無為”(何もせず自然に任せる)の思想であったが、私の経歴は“懸命にやる”“やむをえずやる”の結合だった。そこで私は、私の経験から老子の学説を検証してみたのである」(王蒙)
まさに現代版の“衆妙之門”(全ての妙を生み出す門――老子)であろう。
6.『我的団長我的団』(下)
蘭暁竜・著 新星出版社 2009年1月初版
――抗日戦争末期を背景に、国民党捕虜兵士からなる一軍の角度から、国共合作の闘志と苦難の戦いを描く。作家の蘭暁竜は、1997年中央戯劇学院を卒業し、北京軍区戦友話劇団で脚本家として活躍。創作現代劇「愛爾納・突撃」が2005年に老舎文学賞を受賞。
本書『我的団長我的団』を原作とするテレビドラマが3月現在、北京テレビで連続放送されており、今後も全国のローカルチャンネルで放送が予定されている。。
7.『銭文忠解読《三字経》』(上)
銭文忠・著 中国民主法制出版社 2009年2月初版
――大人気のレクチャー番組、中国中央テレビ(CCTV)「百家講壇」の講座をまとめたもの。著者は現在、復旦大学歴史学部の教授。
『三字経』は、宋代の儒者・王応麟らが編纂したといわれる道徳教育のテキストで、韻をふんだ3字1句、計1000字余りの漢文からなっている。その内容は、歴史、天文、地理、倫理、道徳、民間伝説と幅広い。日本でも江戸時代に寺子屋で使われていたというが、なるほど「玉不琢,不成器」(たまみがかざれば、きをなさず)などの言葉は、今の日本でもよく知られている。
著者によると『三字経』の教えは、現代においても重要な意義があり、社会的効用があるという。
8.『生死之戦――達能娃哈哈国際商戦内幕』(生死の戦い――ダノン・ワハハ国際商戦の内幕)
銭衛清・著 北京出版社 2009年1月初版
――著者は、企業戦略管理の専門家で、清華大学の客員教授。
フランスの大手食品メーカー・ダノンと、中国最大手飲料メーカー・娃哈哈(ワハハ)集団は中国に合弁会社を設立しているが、そのうち1社の100%子会社が「娃哈哈」の商標で飲料などを生産した。娃哈哈との合弁で51%の株式を保有するダノンは、これは契約違反の商標使用であるとして2007年6月、米カリフォルニア州最高裁判所に商標権侵害で関連企業を提訴。中国で「達娃の争い」といわれ、世界的にも注目される商標権トラブルへと発展した――。
争いは今もこう着状態のようだが、この問題は、中国での合弁会社の難しさを改めて浮き彫りにしたといわれる。
本書は「達娃の争い」が「改革・開放以来最大の国際商戦」「民族ブランドと資産の保護戦争」であるとして、中国側の立場からその内幕に迫ったビジネス書。「本土企業グローバル化競争の優勢と出路を見出す」「企業管理人、必読の書」とある。
9.『明朝那些事儿(陸)』(明朝それらのこと6)
当年明月・著 中国海関出版社 2008年12月第3刷
10.『朗読者』(Der Vorleser)
ベルンハルト・シュリンク著(独) 銭定平・訳 訳林出版社 2009年3月第2刷
――今年の米アカデミー賞で主演のケイト・ウィンスレットが主演女優賞を受賞、作品賞・監督賞部門でもノミネートされた映画「朗読者」(日本公開タイトル「愛を読むひと」)。その原作の中国語版である。
21歳年上の謎めいた女性ハンナと恋に落ちる15歳の少年ミヒャエル。ある日突然、姿を消したハンナだったが、のちに再会した彼女は、ナチスの罪を裁く法廷の被告席に座っていた……。
愛と戦争のはざまを鋭く描き、現代ドイツ文学を代表する世界的ベストセラー。日本では2003年に『朗読者』(新潮文庫)として翻訳出版されている。
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