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2006年12月  「孫悟空」、

     パロディー規制の踏み台?  
     
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フジテレビ系の人気ドラマで、映画版の中国ロケも行われた「西遊記」が、原作の改悪パロディーだとして、中国ネットユーザーらの反感を買っている。孫悟空役で知られる俳優の六小齢童氏も「古典のリメイクには、良心とモラルのアンダーラインを設けるべきだ」として、文化保護の法整備をとなえている。

いっぽう、中国メディアを管理・監督する国家広播電影電視(ラジオ・映画・テレビ)総局はこのほど、ネット上にはびこる悪質なパロディーや違法ダウンロードサイトを取り締まる "鉄規"(鉄の規則) を制定中であることを明らかにした。コピーソフトを違法販売していた湖北省のあるポータルサイトが摘発されるなど、ネットへの規制も強まりつつある。
規制の対象がいつ、古典のリメイクにおよばないとも限らない。「孫悟空」の文化ギャップが、パロディー規制の踏み台になるかもしれないのである。

 
     
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■三蔵法師のラブストーリー

今年はじめ、日本で放送されたドラマ「西遊記」は、アイドルグループ・SMAPの香取慎吾が孫悟空を、女優の深津絵里が三蔵法師を演じて、高視聴率をあげたそうだ。
ところが、情報が伝わると、中国のネットユーザーらからブーイングが起こりはじめた。10月に、映画「西遊記」(澤田鎌作監督、香取慎吾主演)の中国ロケが寧夏回族自治区でおこなわれると、抗議の声はエスカレートした。
「孫悟空は虎皮のパンツだ。ミニスカートなどはかない」
「三蔵法師は、女性ではない」
「孫悟空と三蔵法師のラブストーリーなんて、ふざけすぎている」
「セットや衣装がやけに"貧弱"。海外ロケにコストをかけるために、節約したのか?」
さらには「古典名著が改ざんされた。国辱だ」「なぜ、改悪パロディーに中国ロケを許可したのか」などという激しい意見も、ネットの書き込みにはあふれている。

地元メディアによると、中国ドラマの孫悟空役で知られる六小齢童氏も、憤りをかくさない。孫悟空を演じて20年あまり。特殊メイクをほどこして、サルを真似たしぐさを取り入れ、リアルな孫悟空を表現してきた。作品への思い入れは、人一倍だ。
「子どもからのファンレターに、『孫悟空は何人ガールフレンドがいるの? 何人子どもがいるの?』とあって失望した。古典のリメイクには反対しないが、改悪を避けるためにも、良心とモラルのアンダーラインを設けるべきではないか」
六小齢童氏はそう語り、文化保護のための早急な法整備をとなえている。

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■『紅楼夢』から『三国志』まで

「改悪パロディー」だとして、槍玉にあがっているのは、「西遊記」ばかりではない。
古典名著『紅楼夢』のヒロインである「林黛玉」と同名の美少女がでてくる日本のアダルトコンピューターゲーム「ピアノ~紅楼館の隷嬢達~」は、「中国文化の冒とくだ」として一部の中国ユーザーが非難している。
また、『三国志』を題材にした日中合作アニメの新作「関公」(小学館と吉林芸術学院アニメーション学院の合作)は、キャラクターデザインを担当することになった中国側が、胸をなでおろしているという。日本側がデザインを担当すると、勇猛果敢な「美髯公」である関羽が、萌え系の「卡哇伊」(「かわいい」の音訳)キャラに変わってしまう、と懸念されたからだそうだ。
ここまでくると、"アニメ大国"日本の名がすたるというものだろう。

余談ではあるが、こんな話もある。日本のアダルトビデオ(AV)やAVアニメを違法ダウンロードして見ている中国の若者は意外と多く「日本の女の子は、あんなにスキモノなのか?」「日本人はヘンタイだ」などと、日本人男性に(親しみをこめて?)話しかけてくるというのだ。
人目をぬすんで見ている方も見ている方だが、娯楽やフィクションをうのみにするのはどうかと思う。「日本の文化=アダルト」「日本人=すけべ」「日本は堕落している」などと極端に誤解されるのも、困りものではないだろうか?

それはさておき――。
アメリカのリメイク版ドラマ「西遊記」にしろ、ディズニー映画「花木蘭」(ムーラン)にしろ、中国側はディテールに不満があった。
経済が発展し、世界的にも影響力をつよめる中国。国連機関の「知的所有権機関」(WIPO)にも加盟しているが、これからは知的財産権の保護強化のためにも「古典文化を守る、なんらかの措置がほどこされるのでは」という声もある。

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■ネット規制の強化へ

今年はじめ、中国映画『無極』(プロミス)のパロディー短編である『一個饅頭引発的血案』(マントーが引き起こした殺人事件)がネット上に公開されて、話題を呼んだ。
「悪稿」(パロディー)ということばが流行語になり、さまざまな"手作りパロディー"がネットを通じてあふれかえった。

しかし、国家広播電影電視総局(広電総局)はこのほど、悪質なパロディーサイトや違法ダウンロードサイトを取り締まる"鉄規"(鉄の規則)を制定中であることを明らかにした(『法制日報』)。著作権の保護強化のために、ネット上の「いきすぎた放任管理をひきしめる」という。しだいに広がる"表現の自由"や"言論の解放"に、歯止めをかけようとするものだろう。
コピーソフトを違法販売し、十数万元(1元は約15円)の利益をあげた湖北省のあるポータルサイトが摘発されるというニュースもあった。ネット規制が強まりつつあり、メディアやネットの関係者らが情勢を見守っている。

規制の対象が、いつかは古典のリメイクにおよぶという可能性もある。
「関公」は"萌えキャラ"をまぬがれたけれど、しかしそれではいつまでたっても「金太郎飴」、いや「関羽飴」だ。がんじがらめの規制では、原作を豊かにふくらませたイマジネーションや意外性のおもしろさに欠けるのではないだろうか?(アダルトのパロディーものは、どうかとも思うが……)。
日本側も、妙な誤解をふせぐためにも、原作国に文化の違いを説明することが求められているのでは? 日本の文化を知ってもらう細心のフォローが必要なのではないだろうか。
折しも2007年は、日中国交正常化35周年だ。「日中文化・スポーツ交流年」でもあるという。この上は「西遊記」の文化ギャップを埋めるよう、そして「孫悟空」が中国のパロディー規制の踏み台にならないようにと願っている。

 
   
     
     
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★『新京報』図書ベスト
北京図書大廈、王府井書店、中関村図書大廈、三聯書店など、市内主要書店やネット書店のデータから統計
2006年12月7日~12月14日

     
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1.『于丹《論語》心得』
于丹著 中華書局 2006年11月第2刷


中国古代文学を専攻する北京師範大学教授が、孔子の言行録である『論語』の真髄をわかりやすく説きあかす。
大人気番組、中国中央テレビ(CCTV)教育チャンネルの歴史講座「百家講壇」の「《論語》心得」をまとめたもの。
「真理とはシンプルなもの」「『論語』は私たちに、現代生活をいかに快適にすごすかを教えてくれる」と著者は語る。


2.『美麗教主之変臉天書』(美の教祖の美顔神書)
伊能静著 接力出版社 2006年10月初版


3.『品三国』(上)
易中天著 上海文芸出版社 2006年7月初版


4.『人体使用手冊』(人体使用手帳)
呉清忠著 花城出版社


5.『快楽生活一点通』
孫暁峰・張暁静主編 北京出版社 2006年11月初版


北京テレビ系で、2004年から全国放送された人気番組「快楽生活一点通」を書籍化したもの。祖父母と両親、楽楽くんの5人家族が登場し、暮らしに役立つ、とっておきの"知恵袋"を紹介している。


6.『母親楊沫』
老鬼著 長江文芸出版社


青春小説『青春之歌』、長編小説『東方欲暁』などで知られる中国の女流作家・楊沫(1914-95年)の波乱の生涯を、没後10年にあたり、息子の老鬼が掘り起こした伝記物語。05年8月に初版が出された。


7.『明朝那些事儿』(明朝それらのこと)
当年明月著 中国友誼出版公司 2006年9月初版


8.『新結婚時代』
王海鴒著 作家出版社 2006年9月初版


9.『査特莱夫人的情人』(チャタレイ夫人の恋人)


D.H.ロレンス著(英)/趙蘇蘇訳 人民文学出版社 2004年3月第2刷
大胆な性描写のために、本国イギリスでも一時発禁となった20世紀を代表する純愛文学。貴族の夫が従軍で下半身不随となり、むなしさを埋めあわせるかのように森番と不倫をかさねるチャタレイ夫人。
「肉体と精神の解放」を描いた問題作が、中国の人たちにどう読まれたのか、興味深い。


10.『天使街23号Ⅱ』
郭妮著 二十一世紀出版社 2006年3月初版


中国の少女たちに人気の"コバルト文学"。名門の「明徳中学」にトップの成績で進学したヒロイン・蘇佑慧をめぐる青春ラブストーリーだ。
さいきんの付録ブームの影響か、本書にもかわいいイラストが描かれたメモ帳やシール、しおりなどがついている。

 
   
 

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今年もあとわずかとなりました。来年2007年は、日中国交正常化35周年。両国政府が「日中文化・スポーツ交流年」と位置づけ、さまざまな記念事業を計画しています。また、それに伴い「日中間の交流人口を500万人以上にする」などのビッグ・プランも掲げられています。
未来志向の交流が期待されるいっぽうで、来年は「南京大虐殺事件」70周年でもあります。若手の精鋭、陸川監督が「南京大虐殺」をテーマにした新作の準備をすすめるなど、"南京映画"は世界的な注目を集めています。
北京五輪を翌年にひかえた2007年。日中関係にとっても、どんな1年になるのでしょうか?
未来志向の関係を築くためにも、お互いに相手を理解しようとする気持ちと、バランスのとれた国際感覚が求められるのかもしれません(写真は、年末の王府井大通り)。

 

 

写真・文 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

   http://china-media.jugem.jp/
 
     
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