1.『像男人那様去戦斗』(男のように戦いに行く)
黄健翔著 朝華出版社 2006年4月第2刷
著者の黄健翔は、中国中央テレビ(CCTV)スポーツチャンネルの実況アナウンサー。サッカーW杯ドイツ大会では、決勝トーナメントのイタリア対オーストリア戦で「偉大なイタリア、イタリア万歳!」とイタリアびいきの感情的な放送をして、中国メディアや視聴者のブーイングを浴びたことでも知られる。
4月に発売された本書が、7月半ばのベストワンに輝いたのは、そんな彼が、"話題の人"であるからに他ならない。
W杯の実況は、フランス大会、日韓大会を経験している中堅である。本書では、2002年の日韓大会での経験をはじめ、中国代表選手との交流、携帯電話、ダイエットなどの日常を赤裸々につづる。
「平和な時代のどこに、真の戦いがあるというのか。己に勝つことだけが、自分を成しとげることだ」(本書)。そんな情熱的なことばは、"絶叫アナ"の彼ならではのものだろう。
2.『哆来咪発唆』(ドレミファソ)
可愛淘著(韓)/黄黌訳 中国城市出版社 2006年7月初版
『局外人』(アウトサイダー)などのベストセラーで知られる、韓国の女流作家・可愛淘(中国語訳)の最新作だ。
天使の歌声をもつ男性ボーカル・成隠葵と、天才柔道少女・雲浄媛の不釣り合いでユーモラスなラブストーリー。
テンポのよい会話を中心にして物語を展開し、文中に顔文字を多用するなど、80年代生まれの若手作家ならではのライブ感とスピード感にあふれている。
※可愛淘の中国版オフィシャルサイト「淘酷ネット」 http://www.taocu.com
3.『懺悔無門』
王春元著 長江文芸出版社 2006年6月第2刷
米国籍の元華僑で、慈善家・李春平氏の伝記的小説だ。李氏は、北京市慈善協会名誉会長、中国紅十字(赤十字)総会名誉理事。
なにしろ、その慈善活動がすごい。
1991年に中国に戻って以来、SARSのさいの"天使基金"や、北京市児童福利院、中国紅十字基金会などに、現金に換算して合計5000万元以上(1元は約14円)を寄付したという。
そうした無償の高額献金に、国内から賞賛の声が上がっている。李氏の巨額の財産は、米ハリウッド女優の遺産が主で、彼女がいったい誰なのか(本書では明らかにされていないが)、オードリー・ヘプバーンではないかとのうわさも流れているほどだ。
ベールに包まれた慈善活動の根源にせまる、話題の本だ。
4.『人体使用手冊』(人体使用手帳)
呉清忠著 花城出版社 2006年5月第7刷
大陸で働いていた台湾生まれの著者が、積年の体調不良を中国医学で改善。その豊富な知識と体験にもとづいて、中国医学をわかりやすく解説している。
著者によれば、誰でもできる養生(保健)の基本は「一式三招」。
つまり、①早寝早起きする、②「胆経」(胆をめぐる経絡、とくに脚部)をたたく、③「心包経」(心臓をまもる経絡)をマッサージする――の3点。②と③については、毎日20分足らずの繰り返しで、おどろくほど体調不良が改善すると著者は語る。
インターネットで公開された草稿の人気に火がついて、書籍化された。今年1月の初版発売から、約半年で7刷、あわせて18万部が発行された人気書になっている。
5.『追風筝的人』(カイト・ランナー)
カーレド・ホッセイニ著(米)/李継宏訳 世紀出版集団/上海人民出版社 2006年5月
6.『狼図騰』(オオカミのトーテム)
姜戎著 長江文芸出版社
7.『兄弟』(下)
余華著 上海文芸出版社 2006年3月初版
8.『季羨林談人生』(季羨林が語る人生)
季羨林著 当代中国出版社 2006年4月第3刷
9.『天使与魔鬼』(天使と悪魔)
ダン・ブラウン著(米)/朱振武など訳 人民文学出版社 2005年2月初版
世界中の推理ファンを魅了した『ダ・ヴィンチ・コード』の著者ダン・ブラウンによるシリーズ第1作。最新科学を駆使するテロリストとバチカン市国の枢機卿が対決するという、科学と宗教、歴史的な要素を織りまぜたスピード感あふれる追跡劇だ。話題の映画『ダ・ヴィンチ・コード』の影響か、約1年ぶりにベストテンに返り咲いた。
10.『做最好的自己』(Be Your Personal Best)
李開復著 人民出版社
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