1.『達・芬奇密碼』(原題『THE DA VINCI CODE』)
ダン・ブラウン著(米)/朱振武・呉晟・周元暁訳 上海人民出版社 1482冊
なんとこの本、中国では2004年初めに翻訳本がベストテン入りを果たしたのだが、2年の歳月を経て、またしても1位に返り咲いた?
それもそのはずで、今年は「中国・イタリア年」。北京では今、市内にあるミュージアムの中華世紀壇世界芸術館で「イタリア・ルネサンス芸術展」が開かれており、そこにダ・ヴィンチの素描「女性の頭部」などが展示されて人気を呼んでいるからだ(4月23日まで)。『ダ・ヴィンチ・コード』にも出てくる素描「ウィトルウィウス的人体図」の実物大の複製もある。それで、本書がふたたび注目を集めているのだろう。
ちなみにルネサンス芸術展には、ラファエロ、ボッティチェッリ、ドナテルロなど、ルネサンスの巨匠たちの作品が約80点展示されている。大勢の人で賑わっているが、「北京でルネサンス」なんていうのも、なかなか乙なものですよ。

2.『一座城池』(THE IDEAL CITY)
韓寒著 二十一世紀出版社 2006年1月初版 1428冊
3.『藏獒』(ザンアオ)
楊志軍著 人民文学出版社 2005年9月初版 1426冊
4.『Outsider 局外人2』(アウトサイダー)
可愛淘著(韓) 中国城市出版社 2006年1月初版 1423冊
『局外人』の中国語版がお目見えしてから約2カ月。早くもそのパート2が、ベストテンの上位入りを果たすという人気ぶりだ。作者はネット世代の若者を中心として、中国でも絶大な支持をほこる韓国の女流作家・可愛淘(中国語訳)。小説はなおもパート3へと続く予定だ。
家人が亡くなり、孤児となった18歳の韓雪理は、ひきとられた家の兄弟、江天空、江尹湛と互いに意識するようになるが……。毎朝5時に鳴る奇怪な電話は? 天空、尹湛の写真にうつる見知らぬ人は? 謎だらけの家は、韓雪理を"部外者"として除外するかのようだった……。
可愛淘の「最高傑作」の呼び声も高い、ミステリータッチの青春小説。ウェブサイトを通じた作品公開やPRが功を奏してか、可愛淘ファン「淘迷」(タオミイ)の心をしっかり掴んだようである。
5.『我想跟你走』(あなたと共に行きたい)
劉若英著(文・写真) 中信出版社 2006年1月初版 1313冊
台湾の人気シンガーであり、女優の劉若英(レネ・リュウ)。劉徳華(アンディ・ラウ)と共演した映画『天下無賊』では、香港金紫荊賞の最優秀主演女優賞を受賞した、今をときめくアジアンスターだ。
そんな彼女のフォト・エッセイ。「人生ってシンプルなもの。しかもそれは完璧なもの」(本書より)――。幼いころの鮮やかな記憶、両親の離婚、初ライブや初サイン会の思い出など、ページをめくると、素顔の彼女が語りかけてくれるようだ。
6.『狼図騰』(オオカミのトーテム)
姜戎著 長江文芸出版社 1199冊
7.『劉心武 掲秘《紅楼夢》(第2部)』(劉心武があばく『紅楼夢』)
劉心武著 東方出版社 2005年12月初版 904冊
8.『Outsider 局外人』(アウトサイダー)
可愛淘著(韓) 中国城市出版社 2005年11月初版 899冊
9.『那些生命中温暖而美好的事情』(人生の温かくすばらしいこと)
落落著 黒龍江美術出版社 2005年11月初版 826冊
1980年代生まれの女流作家・落落の最新短編小説集。ネットで連載されていた代表作の「如果声音不記得」(もしも声を覚えていなければ)は、日本の漫画にインスピレーションを得て描かれたという。
高校生の吉沢玉緒は、理科の全国選抜コンテストに出場するため、30日間の強化合宿に参加していた。模擬テストで1番になったのが、以前から気になっていた男子生徒の新堂聖。バッタリ出くわした時に、玉緒の名前を呼んでくれた。その声は、澄んでいて美しかった……。
誰しもが持つだろう青春の甘酸っぱい思い出を、呼びさましてくれるラブストーリー。中国の漫画家・SHELが描く少女漫画ふうのイラストも見どころ。短編の「你遇見誰」(誰に出会う)は、漫画化されて別冊付録にもなっている。
10.『亮剣』
都梁著 解放軍文芸出版社 2005年3月第3版 717冊
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