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2005年9月  人気高まる中国

       「博客(ブログ)」  
     
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ウェブサイトを通じて、個人の日記やエッセイなどを公開する「ブログ」(blog)が注目を集めているが、ここ中国でも「博客」(ブログ)の人気が高まりつつある。
手軽にブログを作成したり、閲読したりすることのできるポータルサイトも充実してきて、国内でブログを作る中国人のブロガー数は、一説には100万人とも、それ以上ともいわれている。
一種の社会現象として、ブログを大きく取り上げる雑誌も出てきた。ウェブサイトやチャットに続く、新しい「自己表現」ツールとして注目されるブログの世界。そんな中国版"博客"の現状をさぐってみた――。

 

 
     

それにしても、この"博客"という中国語のネーミング、なんとも洒落ているではないか。博客には、ブログとブロガーの両方の意味があるそうだが、中国語の発音「ボークゥー」も「ブログ」によく似ているし、「博識ある客人(ユーザー)」という漢字の当て字も、知的センスが光っている。
そんな中国の博客に親しむのなら、ブログ専門のポータルサイトから気軽に入っていくことができる。主なサイトには「天涯博客」「博客中国」「中国博客」「博客動力」「你的博客」「MSN Spaces」などがあるが(アドレスは下記)、ここでいくつかのぞいてみると――。

 

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中国博客サイトで、「藍調成都」というブログを作っている、ハンドルネーム「wangfei1121」さんは、単調な日々のやりきれなさを表現豊かなエッセイにして書きしるしている。

「ずっと童話の世界に憧れていた。自分もいつか白馬の王子様になって、美しいお姫様と宮殿に住み、神聖な楽園で幸せに暮らせるのだと……。パンドラの箱は、一体どこにあるのか? ギリシアか、エーゲ海に浮かぶ島か? パンドラの箱を見つけられたら、どんなにかいいことだろう。やっぱり、中国で見つけたいものだな、ハハハ……」(9月17日)
「小さいころから、自分もいつかは成功者になれると思っていた。(略)けれども今の自分は、薄い紙でできているかのよう。内側はカラッポ、外側は気圧に押されて死にそうだ。ああ、"前方は末路、希望は曲がりくねった道にある"というけれど、まさに至理名言だなぁ!」(9月17日)
文面から察するに、まだ社会人になったばかりの若者だろうか。理想と現実のはざまで揺れ動く不安定な心境を、みずみずしいまでの感性で描いている。

中国の社会問題について、鋭いメスを入れたブログもある。天涯博客サイトにブログを開設している「来来上」さんは、「中国の高等教育にムチを打つ」という論評を公開している。
「教育問題に深い関心を持つ」という来来上さんによれば、中国の高等教育(大学・専門学校の教育)は健全に発展しており、進学者数も増えてはいるが、そこにはさまざまな問題が発生している、という。
第1に、大学などの学費がしだいに高くなり「(支払いのために)破産する家が少なくない」。第2に、大学教育では学生の就業率を高めることに重きがおかれ、教養や能力の向上という教育本来の目的がおざなりになっている。第3に、大学ランキングの問題、そして第4、第5に、教師の待遇、教師のレベルの問題と続き、第6に学生が多様化する中での教育問題(学生は、苦学生、金持ちの子弟の遊び人、適当に試験をこなす者の3派に分かれ、多様化している)――を挙げている。
「大学側が収入を得ようとして門戸を広げ、"寛進寛出"(入学しやすく、卒業しやすい)という体制をとったために、学生はラクに大卒資格が得られるようになったが、長期的な角度で見れば、それはあまりにも学生、社会、教育に対して、ひいては国家の前途に対して無責任ではなかろうか」
プロフィールを見ると、来来上さんは江蘇省に住む男性で、大学教育に携わる人のようだ。ブログの匿名性を生かして、現場からのナマの声を率直に発信している。まさに「個人メディア」「独立メディア」といわれるブログの特性を、大いに活用しているのである。

このほか、ざっと見ただけでも、自分の好きな音楽や、オリジナルのフラッシュ作品を紹介するオーディオ・ビジュアル系あり、社会・生活・国際問題・恋愛・家族などのテーマ性を持ったものあり、自分のブティックや小説・詩などの作品を紹介するものありと、中国ブログも多様なまでに進化している。

 

bj200509_03北京の地下鉄構内で配られるフリーペーパーで、ホワイトカラー向けの生活・文化情報誌『D壹週』9月号では、「博客――我們正視表達自己的欲望」(ブログ――自己表現の欲望を見つめる)というタイトルで、人気の高まるブログの実態や効用について、筆者が私見をまじえながら解説している。
「ブログはもっとも直接的な方法で、他人の生活を観察したり、自分の思いを訴えたりすることのできる新型メディアだ。ブログを使えば、だれしもが自分なりの"新聞や雑誌"をネット上に発表できるが、肝心なのは、鋭い観察眼と自己表現の欲望があるかどうか」
「それぞれ自己表現のしかたは異なるし、表現したいものも異なるけれど、重要なのは、ブロガーたちが自己表現という欲望に、正面から向きあっていること。それも一種の力量で、彼らが変わらない日常や抑圧された生活を打破するために、バーチャルな世界によって、自らを開放していることを支持したい」
筆者はこのように語り、ウェブサイトやチャットに続く、新しい自己表現ツールとしてのブログの登場を歓迎している。

ユーザーの立場としてはどうだろう?
MSN Spacesに「没有你的夏天」(君の夏はない)というブログを開き、自分の好きなポップスの歌詞や、日ごろの雑感を記している「RYu」さんこと、劉怡祥さん(29歳男性、北京在住)は、ブログを始めた動機についてこう語る。
「やはり自分が思ったり感じたりしたこと、興味のあることを発表したかったから。自分自身を表現し、それを多くの人に読んでもらいたいからです」

長年、有名雑誌の編集者として、活字表現にはふだんから接しているはずなのだけど……。
「良し悪しは別として、中国ではもともと伝統的な紙媒体ならば、発行前に一定のチェック(検閲)が必要になります。それに比べてブログなら、自分自身が編集長になれる。自分が発表したいことを、自由に書いて公開できる。少なくともボクの場合は、誰にはばかることもなく、好きなように書いていますよ!」

ネット上での「政治問題」などの微妙な話題は、当局によってブロックされるとウワサには聞いているが、それもあるいは紙媒体より"緩やか"な規制であるのかもしれない(ちなみに、劉さんの場合はそうした話題に触れたことがないそうだ…)。紙媒体やホームページ(HP)に比べると、簡単・手軽に発表の場が持てること、リンクや書き込みツールの利用で友人の輪が広がることも、ブログの人気の秘けつのようだ。

ところで、中国のネットユーザーは今年4月に1億を突破したが、ここ1~2年のうちに急増しているブロガーの数は、一説には100万人とも、それ以上ともいわれている(閲覧者を含めれば、ブログのユーザー数は1000万人超という報告もある=『北京晩報』2005年5月30日付)。
日本のネットユーザーが7730万人(04年)、ブロガーの数がのべ335万人(05年3月末時点)、米国のブロガーの数が800万人(04年末)という調査結果が出ているが、それと比べても人口13億の中国で、ネットやブログのユーザーが今後も増える余地は十分にある。

「インターネットやブログは、時間的・空間的コミュニケーションの限界を打ち破りました。日ごろ忙しくて会えない友人とでも、ネットやブログを通じてコミュニケーションを図ることができる。また、同じ興味を持つ人たちとグループを作ることもできる。新しいコミュニケーション・ツールとして、新しい友だち作りの場として、ブログは大きな可能性を秘めている」と、劉さんはその活用性の広がりに期待を寄せる。

今年、日本で100万部超の大ベストセラーとなり、映画化もされた『電車男』は、もともとインターネットの掲示板(BBS)が発端だった。北京ではこのほど、ブログに親しむ日本人を中心とした「北京ブロガー交流会"Be-Bloggers"」(山田大人代表、参加者約50人)も発足している。
中国でも、ブログひいてはネットの発展が、新聞・出版・テレビ・映画をまきこんだ多メディア、多コミュニケーションの時代を築いていくのだろうか? いずれにしても、世界的な潮流とともに、中国の「表現革命」「コミュニケーション革命」がじわじわと進んでいくことは、間違いがなさそうだ――。

 

■中国の主なブログ・ポータルサイト
天涯博客 : www.tianyablog.com
博客中国 : www.blogchina.com
中国博客網: www.blogcn.com
博客動力 : www.blogdriver.com
你的博客網: www.yourblog.org
blogbus  : www.blogbus.com
MSN Spaces: http://spaces.msn.com/?mkt=zh-cn

北京ブロガー交流会「Be-Bloggers」: http://wiki.livedoor.jp/bebloggers/

 
   
     
     
bestsellere  

社会科学類
北京図書大廈(西単)(北京市西城区西長安街17号) http://www.bjbb.com/
2005年8月1日~8月31日

     

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1.『蒙牛内幕』(蒙牛の内幕)
孫先紅/張治国著 北京大学出版社 2005年8月第2版 2896冊


1999年の創業当時、中国の乳製品メーカーではトップ1116位だった「蒙牛」(中国蒙牛乳業有限公司)が、わずか5年後の2004年に香港市場に上場(市場コード:2319)、翌05年には100億元超の売上高を記録して、業界のトップクラスに躍り出た軌跡とその秘密を探る。
企業の家族化を徹底的に排除し、適材適所の人事を重んじ、ニュースをうまく活用した広告宣伝法を編み出すなど、その独創的でユニークなまでの経営戦略を明らかにする。


2.『人一生要養成的50個習慣』(人が一生に養うべき50の習慣)
宿春礼/王彦明編著 光明日報出版社 2005年3月初版 892冊


古今東西の故事を引用しながら、人生を成功に導くための50の習慣を紹介。「自分を信じる」「行動する前に目標を立てる」「1分をムダにしない」「毎日5分は反省しよう」「現状に満足しない」「微笑みを絶やさない」「休息することを学ぶ」など、自分で自分の運命を切り開く、すぐれた習慣を身につけようと呼びかける。


3.『細節決定成敗』(ディテールが成敗を決める)
汪中求著 新華出版社 857冊


4.『狼道―生活中的狼性法則』(狼道―生活中のオオカミ性の法則)
羅宇編 中国紡績出版社 798冊


5.『小故事大道理全集』(小さな物語、大きな道理の全集)
雅瑟編著 海潮出版社 2005年4月第2刷 715冊


6.『你在為誰工作』(誰のために働くか)
陳凱元著 機械工業出版社 2005年8月初版第10刷 665冊


衣食住のため、社会参画するため、人から頼まれ、認められたいため、自分の能力を発揮して、自己実現するため……。「人はなぜ働くか?」という問いに対しては、おそらく十人十色の答えが返ってくることだろう。
本書は、そんな働く人々の素朴な疑問を解きほぐし、心の持ちようを整理して、ふたたび情熱をもって仕事に取り組めるようアドバイスするハウツー本だ。「常に責任感を持つ」「情熱は仕事の命」「2つ以上の目標は、目標がないに等しい」「一分も延ばしてはならない」「他人より1つ多くのことをやる」などの仕事上のノウハウを紹介しながら、「自分自身のために働くこと」「仕事を通して喜びや人生の素晴らしさを見出すこと」の大切さを強調している。


7.『把話説得滴水平漏』(つけ入る隙のないように話す)
憨氏編著 内蒙古文化出版社 2005年6月初版 623冊


「話のうまい人は、人間関係を豊かにし、同僚や上司からも親しまれ、事業を発展させることができる」という。そんな人生の"富"を得るために、話し方のテクニックを余すところなく伝授したのが本書である。
「自分を開放して、緊張感を克服する」「恥ずかしさや劣等感を取り除く」「速読、暗唱、復唱などのトレーニングで、話し方を磨こう」といったアドバイスをはじめ、面接試験・商談・講演での話し方、賛美・批評・説得・拒絶・お詫びの表現方法など、すぐにでも実践に移せそうな内容が満載。
中国のインテリには話のうまい人が多いけれど、人知れず地道な努力をしていることが、この本からもうかがえるようだ。


8.『卓有成效的管理者』(The Effective Executive、有能な経営者)
P.F.ドラッカー著(米) 機械工業出版社 2005年8月初版第5刷 617冊


経営学の創始者、P.F.ドラッカーの経営書の3大古典の一つ。経営者のみならず、部下をもつすべての企業人に向けて「いかに経営効果を上げるか」について解説している。重要な仕事とそうでない仕事を選別し「重要なことから始める」などの管理方法について詳解。
日本では、ダイヤモンド社から『新訳 経営者の条件』が翻訳・出版されており、息の長い人気書となっているようだ。


9.『2005理論熱点面対面』(2005年の理論の焦点と向きあう)
中共中央宣伝部理論局 学習出版社/人民出版社 2005年7月初版 597冊


中国共産党中央宣伝部が編纂した本書には「小康社会(いくらかゆとりのある社会)を全面的に建設する基本指針」「米経済誌『フォーチュン』世界ベスト500企業ランキングの新変化」「"三農"問題を解くカギ」「多民族国家の統一の基礎」など、20項目にわたる「理論の焦点」が収められる。
「通俗理論読物」という副題がついている通り、読みやすく、わかりやすい内容で「広く一般の人々や青年、学生の理論学習の参考に」と本書は語る。


10.『贏』(Winning)
ジャック・ウェルチ/スージー・ウェルチ著(米) 余江など訳 中信出版社 2005年5月初版 579冊

 
   
     
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私事で恐縮ですが――。
この9月より、中国系の民営会社に転職したのにともない、これまでの北京市西部から市の中心部に近い「崇文区」に転居しました。
転居先は、北西に天安門広場、北東に明代の城址公園、南に天壇公園をのぞみ、老舗ホテルの新僑飯店や、大型デパートの新世界商場に隣接するという、環境的にも、生活するにも恵まれたところです。
ところが、そんな便利なロケーションだけあって、再開発の槌音も高く、大型のマンションやビルの建設工事が夜通しで行われています。しばらくは、ひどい騒音公害に耐えるしかなさそうです。ブルドーザーの轟音とともに、目覚しい北京の変貌を実感する日々が続いています。

 

 

写真・文 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

   http://china-media.jugem.jp/
 
     
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