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2005年1月  

     
     
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“チャウ様”が大ハッスル!

中国でも"チャウ様"が熱い! いわずとしれた香港スターの周星馳(チャウ・シンチー)のことであるが、『冬のソナタ』のヨン様ブームにあやかって(期待もこめて)ここでは勝手に、チャウ様と呼ばせていただく。
ちなみに彼は、中国で「星爺」(シンイエ、広東語ではセンイエ)というニックネームで親しまれている。「星だんな」とか「星サマ」というニュアンスで、やっぱり尊敬されているのです(「爺」といっても、お爺さんのことではありませんので、念のため……)。

その星だんな、じゃなかった、チャウ様が監督、製作、脚本、主演の4役をこなしてハッスルしている話題の映画『カンフーハッスル』(功夫)が、こちらはご本家の中国でも健闘している。20世紀前半の混沌とした社会を舞台に、冴えないチンピラの主人公・阿星(シン)が、ひょんなことからカンフーの才華にめざめ、正義のために悪とたたかう奇想天外、大爆笑のSFXアクション・コメディー。
なんでも、この1月からは日本でも「絶賛上映中!」ということで「こいつぁ春から縁起がいいわぇ~」と勝手にほくそえんでいるのだが、ここ中国でも昨年12月23日より全国ロードショーがスタート。ことしの「賀歳片」(正月映画)では、"正月映画の旗手"といわれる馮小剛監督の社会派映画『天下無賊』(天下に賊なし)と人気を分かつ大ヒット作となっているのだ。興行的にも前作の『少林サッカー』(2001年)を上まわる勢いだそうで、内地(大陸)においても、封切りからわずか2週間あまりで1億6000万元(1元は約13円)という好成績をあげている。これは張芸謀監督の『LOVERS』の興行収入を、はやくも上まわるものだという。
見どころ満載のこの映画。噛めば噛むほど、いや見れば見るほど味わいのある作品に仕上がっている。まず、この映画が香港の武侠小説家・金庸の作品に対するオマージュであることは、金庸ファンにはよく知られているところ。「蝦蟇功」(がまこう)というカエルの動きを取り入れた必殺技などは小説からの引用だそうで、ファンにはこたえられないだろう(関係ないけど、大相撲初場所で三段目の全勝優勝を果たした北京出身の力士・仲の国さん〈21歳〉も、金庸作品の大ファン。毎日のけいこが終わると、宿舎にこもって金庸の世界にひたるのが好きなのだといっていた。優勝の影に『カンフーハッスル』のパワーが潜んでいたりして……)。

 

 
     
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キャプション:地下鉄にも

また、映画マニアにはたまらない名作パロディのてんこ盛り。その"種あかし"は映画を見てのお楽しみとして、あえて1つを挙げるとすれば『マトリックス』で有名なアクション監督・袁和平(ユエン・ウーピン)をこの作品に招いていること。弾丸を指でとめたり、全身黒づくめのギャング団がゾロゾロと登場したり……。スタッフたちが、楽しみながら映画を作っているんだなぁ~ということがよくわかる。
そして、出番は少ないけれど、ヒロインとなった可憐な少女・黄聖依(ホワン・シェンイー)。チャウ・シンチーに発掘されたヒロインは、成功するというジンクスが中国にはあるという。『少林サッカー』で第2ヒロインの座を射とめ、女優やテレビ司会者として活躍の場を広げている李卉(リ・ホイ)などはその典型だ。新ヒロインの黄聖依は、北京電影学院演劇学部の学生で、ハタチそこそこ。これからどんなスターダムにのし上がるのか、楽しみである。

bj200501_08とまあ、チャウ様に関する話題はつきないのであるが、出版界でもこのチャンスを見逃すはずはないのであった。チャウ様の本がめじろ押しだが、その1冊は『周星馳外伝』(竇欣平著、新華出版社、2004年12月初版)。映画芸術研究家である筆者が、綿密な取材と多くの資料をもとにして、チャウ・シンチーの生い立ちから、その表現世界までを小説風に掘りおこしたもの。
1962年、香港に生まれたチャウ・シンチーは、両親の離婚、生活難という苦境に立たされながらも、カンフーの神様である李小龍(ブルース・リー)に熱中していく(近所の人から武術の本を借りてきては、練習をつづけていたというから『カンフーハッスル』のシン少年に、チャウ様の面影が重なるのである)。高校時代の親友に、似たような境遇の梁朝偉(トニー・レオン)がいたという。
アルバイトと映画鑑賞(もぐりこみの只見)に明け暮れる毎日だったが、その後、香港無線テレビ俳優訓練班(夜間部)に合格したチャウ様は、子ども向け番組の司会から、テレビドラマや映画の俳優、シナリオライター、監督へと、着実に自分の道を歩んでいくのだ。日本でもチャウ様の名声を不動のものにした『少林サッカー』は、香港映画「金像賞」の最優秀作品賞・監督賞・主演男優賞・傑出した青年監督賞の4冠に輝いている。

「ボクって、なんてすごいコメディアンで、すごい役者なんだろうと思ったことがあったよ。だけど、そのうちボクの演技がでたらめなことに気づいたんだ。すごい役者はもっと他にもたくさんいるよ。ボクにはなんの演技法もないけれど、あえて言うならただ一つ、努力をすること!」(四川省・西南民族大学での交流会で)
「ブルース・リーは、中国映画を世界に知らしめた映画人だ。そんな彼の精神に学びたいと思っている」(2004年・東京国際映画祭「特別招待作品」の記者会見で)
「『カンフーハッスル』は製作に3年あまりもかかって、パブリシティーでも忙しい。白髪が増えたので、染めているんだ(笑)」「ブルース・リーがいなかったら、今のボクはいないし、『カンフーハッスル』も生まれなかった。だから、この映画ではブルース・リーのカンフーへの理解を、お手本にしているんだよ」(広東省・汕頭大学での交流会で)
その肉声には、ユーモアと愛がこめられている。チャウ様の素顔と本音にふれられるような一冊である。

bj200501_07そして、もう1冊はこれ。『就愛周星馳』(アイラブ チャウ・シンチー、周星星的粉絲著、汕頭大学出版社、2005年1月初版)。作家や編集者、ファンらがつづるチャウ様へのあふれる思いをまとめたもの。インタビュー実録もあって、読み応えがある。
「映画ではおもに広東語を使っていて、標準語のふきかえは石斑瑜さんにお願いしている。ボクのセリフ回しより、すばらしいんだ。それでこんなに多くの人に見てもらっている。感謝してます」(汕頭大学での交流会で)
(私ごとですが、北京のシネコンで見たものは標準語版。石斑瑜さんの声とは気づかないくらい、自然でした……)

「ボクは、ごくありふれた家庭に生まれ育った。だけど幸せだったのは、役者になりたいって初めて母さんに言ったとき、反対されなかったこと。それは最高の応援だった。だからボクは幸せなんだ。映画が好きで、いまも映画に関わっている。これからも、もっといい仕事をしたいと思っているよ」(汕頭大学での交流会で)
映画には彼の魅力が詰まっているが、チャウ様本でさらに理解が深まるだろう。ふたたび映画を見たくなる、そんな読書が楽しめる。チャウ様に会いに、またシネコンへ行こうっと!

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▲北京のシネマコンプレックス
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キャプション:バス停にも
 
   
     
     
bestsellere  

文芸類
北京図書大廈(西単)(北京市西城区西長安街17号)http://www.bjbb.com
2004年1月1日~12月31日(昨年1年間におけるベストセラーを発表)

     
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158444

161966

202466

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149108
 

1.『狼図騰』(オオカミのトーテム)
姜戎著 長江文芸出版社 16191冊


内モンゴル自治区の遊牧民とオオカミの関係を長年研究してきた作者が、その人類学的見地に立って書き表した新感覚の小説。遊牧民の生活における、オオカミとの"一蓮托生"ともいえるつながりが、この物語に色濃く反映されている。


2.『達・芬奇密碼』(原題『THE DA VINCI CODE』)
ダン・ブラウン著(米)・朱振武/呉晟/周元暁訳 上海人民出版社 10634冊


パリのルーブル美術館で起きた殺人事件に、アメリカの大学教授が巻き込まれていく。ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」に隠されたキリストの秘密とは……。ダ・ヴィンチ、ニュートン、聖杯伝説というキーワードが複雑にからみあいながら、謎解きが進められる世界的ベストセラーのミステリー。トム・ハンクス主演のハリウッド映画になるらしい。


3.『靠自己去成功』(自分を信じて成功をつかむ)
劉墉著 長江文芸出版社 6749冊


アメリカに長年暮らし、ハーバード大で博士号をとった長男、交響楽団の第一バイオリニストになった長女という、優秀な子どもたちを育てた筆者が、アメリカ特有の"自由教育"について、エッセイ風に語りかける。


4.『那小子真帥』(イケてるあいつ)
可愛淘(韓) 世界知識出版社 6414冊


韓国で200万部を売り上げたという人気小説。イケメンで裕福な家庭の"あいつ"智銀聖と、平凡な家庭だけど元気一杯の"わたし"千穂のちょっぴり切ないキャンパス・ラブだ。「現代版シンデレラストーリー」とも呼ばれている。


5.『幻城』(まぼろしの城)
郭敬明著 春風文芸出版社 5395冊


若い世代に人気の作家・郭敬明のデビュー作となった長編小説。映画化された小説『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』を彷彿とさせる壮大なスケールで、「幻城」を舞台に繰り広げられる主人公の愛と宿命、勇気を描く。


6.『不能承受的生命之軽』(邦題『存在の耐えられない軽さ』)
ミラン・クンデラ著(仏)・許鈞訳 上海訳文出版社 5153冊


現代チェコが生み出した作家ミラン・クンデラ。その代表作ともいえる『存在の耐えられない軽さ』は、チェコスロバキアの「プラハの春」と、その後のソ連軍侵攻をベースにした哲学的恋愛小説。87年にアメリカで映画化、89年の「6.4天安門事件」にも影響をあたえたといわれている。


7.『哈利・波特与鳳凰社』(邦題『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』)
J.K.ローリング著(英) 馬愛農など訳 人民文学出版社 5104冊


魔法つかいの少年、ハリー・ポッターの活躍を描くシリーズ第5弾。
15歳になった魔法つかいハリーは、悩み多き思春期をむかえている。信じていた大人たちのうらぎり、善悪だけでは測れない世の中のしくみ……。苦しみもがきながら、大人への階段をのぼっていく等身大のハリーが描かれる。中国の子供たちにも圧倒的な人気は変わらず。


8.『那小子真帥2』(イケてるあいつ)
可愛淘著(韓) 世界知識出版社 4880冊


9.『窗辺的小豆豆』(窓ぎわのトットちゃん)
黒柳徹子著・いわさきちひろ絵・趙玉皎訳 南海出版公司 4866冊


1981年に日本で出版され、大ブームを呼んでから20年あまり。「本書は世界33言語に訳され、読者は合わせて数千万人に上る」と中国語版の紹介にある。「小学1年生で退学になった」トットちゃんが、転校先の小学校で、周囲の愛につつまれ元気よく成長していく姿が描かれる。ユニセフ(国連児童基金)親善大使・黒柳徹子さんの奔放な幼少期である。
中国の親たちにとって、宝物のような一人っ子の教育は最大の関心事。本書の帯には「子どものために読んでほしい。親と教師一人ひとりに」というキャッチコピーがあり、読者の心をグッとつかんでいるようだ。


10.『青年文摘・人物版 生命淡如水』(命は淡い水の如し)
李炳青責任編集 中国社会科学出版社 4469冊


青少年向けの月刊誌『青年文摘・人物版』(青年ダイジェスト・人物編)は1999年、中国青年出版社から創刊された。内外著名人の伝記や感動的な実話を紹介、青少年の人生の指標にしてもらおうとするもので、これまでに3000編におよぶ作品が紹介された。雑誌の創刊5周年を迎えるにあたり、まとめられたのがこのシリーズ(全3巻)。緑色の装丁があざやかな本書には、乙武洋匡氏の「自分を障害者とは思わない」、コン・リーの「家、心の港」など、生命や人生について考えさせられる秀作が収められている。

 

 

 
   
     

 

 

 

 

もうすぐ立春(2月4日)――。春を迎えるうれしい季節の到来ですが、北京ではなんと、立春までに"駆け込み結婚"をしようとするカップルがあふれています。私の周りだけを見ても、ことしに入って結婚したのは5~6組。1月末はとくに多くて、申請先の「結婚登記処」では列をなして待っているとか、登録までに1週間の予約待ちを強いられたとか、さまざまな声が聞こえてきます。
それでは、どうして立春までに駆け込むのでしょう? その答えは、中国でいまでも部分的に使われている「旧暦」と関係があるようです。ことしの春節(旧正月)は2月9日、来年の春節は1月29日にあたります。二十四節気の一つである立春は、来年も2月4日で変わりませんから、ことしの春節から始まる1年には「立春がない」、つまり「春がない」というわけなのです。
こういう年は「寡婦年」(やもめ年、結婚するとやがて未亡人になる年)であるとして、結婚にはふさわしくない年だと言い伝えられています。それで、駆け込み結婚がちょっとした社会現象になっているのです。
もっとも、中国でも年配の友人などは「単なる迷信にすぎませんよ。貧しかった時代や、迷信が悪いとされた"文革"のころなどは、だれも信じていなかったんですからね。これも人々の衣食が足りて、余裕が出てきたことの表れでしょう」と涼しい顔で話していました。
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写真・文 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

   http://china-media.jugem.jp/
 
     
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