1.『狼図騰』(オオカミのトーテム)
姜戎著 長江文芸出版社 16191冊
内モンゴル自治区の遊牧民とオオカミの関係を長年研究してきた作者が、その人類学的見地に立って書き表した新感覚の小説。遊牧民の生活における、オオカミとの"一蓮托生"ともいえるつながりが、この物語に色濃く反映されている。
2.『達・芬奇密碼』(原題『THE DA VINCI CODE』)
ダン・ブラウン著(米)・朱振武/呉晟/周元暁訳 上海人民出版社 10634冊
パリのルーブル美術館で起きた殺人事件に、アメリカの大学教授が巻き込まれていく。ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」に隠されたキリストの秘密とは……。ダ・ヴィンチ、ニュートン、聖杯伝説というキーワードが複雑にからみあいながら、謎解きが進められる世界的ベストセラーのミステリー。トム・ハンクス主演のハリウッド映画になるらしい。
3.『靠自己去成功』(自分を信じて成功をつかむ)
劉墉著 長江文芸出版社 6749冊
アメリカに長年暮らし、ハーバード大で博士号をとった長男、交響楽団の第一バイオリニストになった長女という、優秀な子どもたちを育てた筆者が、アメリカ特有の"自由教育"について、エッセイ風に語りかける。
4.『那小子真帥』(イケてるあいつ)
可愛淘(韓) 世界知識出版社 6414冊
韓国で200万部を売り上げたという人気小説。イケメンで裕福な家庭の"あいつ"智銀聖と、平凡な家庭だけど元気一杯の"わたし"千穂のちょっぴり切ないキャンパス・ラブだ。「現代版シンデレラストーリー」とも呼ばれている。
5.『幻城』(まぼろしの城)
郭敬明著 春風文芸出版社 5395冊
若い世代に人気の作家・郭敬明のデビュー作となった長編小説。映画化された小説『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』を彷彿とさせる壮大なスケールで、「幻城」を舞台に繰り広げられる主人公の愛と宿命、勇気を描く。
6.『不能承受的生命之軽』(邦題『存在の耐えられない軽さ』)
ミラン・クンデラ著(仏)・許鈞訳 上海訳文出版社 5153冊
現代チェコが生み出した作家ミラン・クンデラ。その代表作ともいえる『存在の耐えられない軽さ』は、チェコスロバキアの「プラハの春」と、その後のソ連軍侵攻をベースにした哲学的恋愛小説。87年にアメリカで映画化、89年の「6.4天安門事件」にも影響をあたえたといわれている。
7.『哈利・波特与鳳凰社』(邦題『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』)
J.K.ローリング著(英) 馬愛農など訳 人民文学出版社 5104冊
魔法つかいの少年、ハリー・ポッターの活躍を描くシリーズ第5弾。
15歳になった魔法つかいハリーは、悩み多き思春期をむかえている。信じていた大人たちのうらぎり、善悪だけでは測れない世の中のしくみ……。苦しみもがきながら、大人への階段をのぼっていく等身大のハリーが描かれる。中国の子供たちにも圧倒的な人気は変わらず。
8.『那小子真帥2』(イケてるあいつ)
可愛淘著(韓) 世界知識出版社 4880冊
9.『窗辺的小豆豆』(窓ぎわのトットちゃん)
黒柳徹子著・いわさきちひろ絵・趙玉皎訳 南海出版公司 4866冊
1981年に日本で出版され、大ブームを呼んでから20年あまり。「本書は世界33言語に訳され、読者は合わせて数千万人に上る」と中国語版の紹介にある。「小学1年生で退学になった」トットちゃんが、転校先の小学校で、周囲の愛につつまれ元気よく成長していく姿が描かれる。ユニセフ(国連児童基金)親善大使・黒柳徹子さんの奔放な幼少期である。
中国の親たちにとって、宝物のような一人っ子の教育は最大の関心事。本書の帯には「子どものために読んでほしい。親と教師一人ひとりに」というキャッチコピーがあり、読者の心をグッとつかんでいるようだ。
10.『青年文摘・人物版 生命淡如水』(命は淡い水の如し)
李炳青責任編集 中国社会科学出版社 4469冊
青少年向けの月刊誌『青年文摘・人物版』(青年ダイジェスト・人物編)は1999年、中国青年出版社から創刊された。内外著名人の伝記や感動的な実話を紹介、青少年の人生の指標にしてもらおうとするもので、これまでに3000編におよぶ作品が紹介された。雑誌の創刊5周年を迎えるにあたり、まとめられたのがこのシリーズ(全3巻)。緑色の装丁があざやかな本書には、乙武洋匡氏の「自分を障害者とは思わない」、コン・リーの「家、心の港」など、生命や人生について考えさせられる秀作が収められている。
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