中国・本の情報館~東方書店~
サイト内検索
カートを見る
ログイン ヘルプ お問い合わせ
トップページ 輸入書 国内書 輸入雑誌  
本を探す 検索 ≫詳細検索
東方書店楽天市場店「東方書店plus」
楽天市場店 東方書店plus
 
各種SNS
X東方書店東方書店
X東京店東京店
X楽天市場店楽天市場店
Instagram東方書店東方書店
Facebook東京店東京店
 
Knowledge Worker
個人向け電子書籍販売
 
BOOK TOWN じんぼう
神保町の書店在庫を横断検索
 
日本ビジネス中国語学会
 
北京便り
上海便り
ネット用語から読み解く中国
 
bei_title  
 

 

2004年12月  

     
 日本の最新ファッションに
  中国メディアが熱い視線!
 

bj200412_34
「日本のデザイナーのように、中国人が国際レベルに達するにはどうしたらいいですか?」「中国と日本のファッション・クリエーションの差は、どこにある?」「両国が協力できることは、なんでしょう?」
このほど、北京で恒例の「中国国際時装週」(チャイナ・ファッション・ウィーク)」が開催されたが、日本から初めて参加した3人の著名デザイナーに、中国のメディアが冒頭のような矢継ぎ早の質問をした。「予想をこえる質問攻めで、しまいには頭が回らなくなりましたよ(笑)」とデザイナーたちも舌を巻くほどの熱気だった。改革・開放後の1980年代からようやく本格的なスタートを切った中国のファッション産業。日本のデザイナーとのやりとりは、世界でも先端をいく日本のファッション・クリエーションに学びたい、アジアから国際舞台に発信したいという、中国側の意欲の表れだったようだ。
そんな激しくも熱いバトルが繰り広げられた、記者会見のもようから――。
(一部敬称略)

 

 
     
bj200412_32
菱沼良樹コレクション

「菱沼良樹さんと永澤陽一さんは、パリコレクション(パリコレ)で発表されたことがありますね。国際レベルのデザイナーになるにはどうしたらいいですか?」(『服装設計師』)
北京市内のホテルで開かれた記者会見で、開口一番、中国の雑誌記者が投げかけた質問だ。
「ほかにはないデザインを、どう創りだすかが重要です」(菱沼)

「世界にはいろんな肌の色、背かっこう、価値観の違う人がいる。東京で日本人向けに作っていたころは(対象の)幅が狭くなっていた。いろんな価値観を持つこと。それが、世界に発表することにつながるのでは……」(永澤)
ストレートな質問に、会場は一瞬シーンとなったが、その緊迫の糸をみごとにほどいた名答だった――。

bj200412_31
bj200412_21

「中国国際時装週」は、中国のファッション産業の促進をねらいとして97年にスタートし、昨年からは春と秋の年2回ずつ行われている(主催・中国服装設計師協会、協力・北京市など)。この秋は11月19~25日の1週間にわたって、中国をはじめフランス、日本、韓国などのデザイナーがそれぞれ最新の「2005春夏コレクション」を披露した。
bj200412_22























永澤陽一コレクション

なかでも、ことし初めて設けられた「ジャパン・デー」(財団法人 日本ファッション協会など主催)には、国際的に活躍している日本人デザイナーの菱沼良樹、岡正子、永澤陽一の3氏が参加し、市内のホテルでショーを開催。大胆なカラーとデザインが特徴の菱沼良樹、人と環境にやさしいファッションを追求している岡正子、そして来年は「スポーツウェア&エスニック」がテーマだという永澤陽一がそれぞれオリジナリティあふれる世界で、一千席の会場をうめた観客やマスコミたちを魅了した。「ジャパン・デー」への関心は高く、中国のマスコミだけでも2、300人は集まっていた。
記者会見と記者座談会は、そんな3人のショーの前後に開かれた。合わせて3時間にもおよぶホットなやりとりが繰り広げられたのである。

「ショーを拝見しましたが、日本のデザインは世界的なレベルにあって、時代感も特徴もある。それを学ばなければなりませんが、どうしたら(3人のように)ファッション・クリエーションと市場性を結びつけることができるのか?」(『服装時報』)。売れるものを創るにはどうしたらいいか、という難題である。

bj200412_26


























岡正子コレクション

bj200412_25 

「市場性とクリエーションが一緒であれば、僕らの仕事は助かりますよ(笑)。もちろんうまくいく時もあるし、いかない時もある。ただ、今の時代はこれだけ情報が発達していて、自分の好みが主張できる。だれもが同じものを好む時代ではなくなっている。ファッションはパーソナルなものなので、それぞれの感性にあえば、着てもらえると思います」(永澤)
自然との共存をテーマにする岡正子は、トウモロコシや大豆、バンブー(竹)などから繊維をつくり、人と環境にやさしい新素材のファッションを提案している。
「私の場合は、クリエーションと自分の着たい服が一致している。ゆったりできて洗えるし、ノープレスでいい。合理性をもちながら、健康的であってほしいと願っています。そういう考えに共鳴してくれる女性が多ければ、市場に合っていくでしょう。合わなかったら、どう着やすくしていくかを考えていく」(岡)。「土に返る」循環型の天然素材は、シルクに似た光沢をもち、肌にやさしく、着心地がいいと評判をよんでいる。人の個性や感性にうったえるものをいかにつくるか――それが成功したときに、市場性に結びつくということだろう。

bj200412_19

bj200412_12「日本のデザイナーが、世界的レベルに達したのはなぜか? 中国人はどうしたらそうなるか?」(『Oggi(今日風采)』)という切り込みもあいついだ。これについて、三宅一生に師事した菱沼良樹は「一世代前の先輩たちが、すでにパリで活躍していた。もう道ができていて、それを見て学んだのです。前の世代に比べて、ボクらはとても楽だった」。日本の主要なファッション専門学校は70年からの歴史をほこり、文化や教育システムの面でつみかさねがある。
長野のファッション学校で校長をつとめている岡正子は「これからますます国際的な交流が進歩していく。そのなかでは、学生それぞれが自分のコンセプトや物差しをもって幅広くなることが大切」だという。さまざまな国の文化にふれながら、しかもモノマネではない独自性を持つことが求められているのであろう。

bj200412_15中国で初めてショーを行った印象については「(スタッフや観客に)ものすごい熱気を感じました。パリやミラノとは違う、もっと激しいエネルギーがあって楽しかった。パリの人は批判的な目で見ます。どこかあら探しをしようとするけれど、北京の人は素直に見てくれていましたね」(菱沼)。「(タイトな日程だったため)準備に1日足らずしかなくて徹夜したスタッフもいたが、よくやってくれた。同じファッションをやる者として、ニュアンスでわかってもらえるところがあった。言葉はそれほど重要ではないと気づきました」(永澤)と、北京での予想以上の反応や、中国人スタッフのまじめな取り組みにすっかり感心したようす。中国のモデルたちの高いレベルも評判だった。

日中協力の可能性については、「私たちも、すでに縫製の一部を中国で進めています。まずは、日本のソフトと中国のすぐれた技術を融合させるところからはじまるのでは……」と岡正子。
日中韓の3国が相互理解を促進し、アジアのファッションの発掘やビジネスの振興をめざそうとする「アジアファッション連合会」も昨年末に発足している。その一翼をになう(財)日本ファッション協会(東京・江東区)は、3国のファッションの違いと今後の活動についてこう語る。
「多様な個性、豊かな生活文化を生かしたファッションという意味では、日本が進んでいるでしょう。しかし、そうした多様化と個性化、色やセンスの発展のスピードは中国が一番です。どちらが上で、どちらが下ということではなく、互いに交流することが大事。『ジャパン・デー』もその一環です。今後もそれぞれの特徴を生かしながらデザイナーやビジネスの交流を深めて、3国のファッションの向上に努めたい。新しいアジアのファッションを世界に発信していきたい」(加藤尚彦・日本ファッション協会理事)
来年6月の愛知万博にも、同連合会によるシンポジウムやショーなどの日中韓のイベントが計画されているという。勢いをつける中国が、どんなコラボレーションを見せてくれるか。「ジャパン・デー」と記者会見の熱気から、期待が大きくふくらみそうだ。

Profile
◆菱沼良樹
1958年、仙台市生まれ。文化服装学院を経て、三宅デザイン事務所勤務。92年、「YOSHIKI HISHINUMA」ブランドをスタートし、パリでコレクションを開始する。毎日ファッション大賞などを受賞。オペラ「魔笛」上海公演(87年)や、パリ・オペラ座での新作バレエ「LA SEPTIEME LUNE」(2004年)などの衣装デザインを担当。

◆岡正子
1979年、杉野ドレスメーカー女学院デザイナー科卒業。全日本ファッション大賞コンクールなど、数々のコンクールで受賞。「環境とファッションの共生」や「自然」をテーマに、長野を拠点として幅広い創作活動をつづけている。OKA MASAKOデザインオフィス代表、岡学園 長野ファッションカレッジ校長。

◆永澤陽一
1980年モード学園卒業後、渡仏。「TOKIO KUMAGAI」デザイナーとして11年を経て帰国後、(株)STILを設立。翌年から「YOICHI NAGASAWA」コレクションを発表する。97年春夏からパリコレクションに参加。ヤングブランド「NO CONCEPT BUT GOOD SENSE」などのプロデュースを手がけている。2004年、毎日ファッション大賞受賞。

 

 
   
   
     
     
bestsellere  

総合
★王府井書店(新華書店) (北京市東城区王府井大街218号)
2004年12月第3週の週刊ベストセラー

     
bj200412_06

bj200412_08

bj200412_05

bj200412_04

bj200412_03

bj200412_02
 

1.『中共中央関于加強党的執政能力建設的決定』
(中国共産党中央による党の執政能力建設の強化に関する決定)
人民出版社 2004年9月初版


今年9月に開かれた、中国共産党の第16期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で採択された「党の執政能力建設の強化に関する決定」の全文を、小冊子にまとめたもの。
「『発展』を党による執政と興国の第一の任務として堅持し、社会主義市場経済の制御能力をたゆまず高める」など9項目から構成されており、党の執政能力を高めて、中国の政治、経済、社会、文化、外交などの面でいっそうの発展をめざそうとする内容となっている。


2.『文明礼儀普及読本』(文明マナーの普及読本)
首都精神文明建設委員会弁公室編 京華出版社 2004年9月初版


「名刺を交換するときの注意点は?」「バスや地下鉄に乗るときの正しいマナーは?」「携帯電話で気をつけること」など、社会や家庭、仕事の上でかかせない"文明的な(教養のある)マナー"を啓蒙するリーフレット。カラースナップが多く、読みやすい作りとなっている。社会学的に「現代の中国人に求められているマナー」という視点で見ても興味深いだろう。


3.『告訴孩子你真棒』(あなたはできると子に告げよう)
盧勤著 長江文芸出版社


bj200412_094.『走遍北京』(北京を歩く)
李琦/徐頌徳主編 中国地図出版社 2004年9月第3刷


毎年、暮れが近づくと、新年の贈答用に売り出されてベストセラーになる『北京人手冊』(地質出版社)。最新の地図をはじめ、北京のお役立ち情報満載のガイドブックであるのだが、その『北京人手冊』の対抗馬として現れたのが本書だ。
ところが……地図はもちろん観光案内に交通路線、公共機関に医療機関、娯楽施設やレストラン情報などの構成が、ほとんど前者とうりふたつなのだ! 『北京人手冊』だと思って手にとる人も多いだろう。豪華な紙製ケースまで、まるでソックリなのである。
王府井書店では、店頭に並べられたこちらが先にベストテン入りしたのだが、北京っ子たちは、最後どちらにその軍配を上げるのだろうか?


5.『我能考第一』(一番で合格できる)
趙承延著(韓) 海峡文芸出版社 2004年5月初版


現在、ニューヨーク大学商学院に学び、英語をはじめドイツ語、フランス語、ラテン語に通じるという韓国の秀才・趙承延くん(Cho Seung-Yeon、23歳)。リラックスしながら学ぶこと、科目別に戦略を立てることなど、独自の学習テクニックをあますところなく披露する。ゆかいな漫画風のイラストが満載なので、子どもたちにも親しめそうだ。


6.『細節決定成敗』(ディテールが成敗を決める)
汪中求著 新華出版社 2004年4月第3刷


7.『改変千万人生的一堂課』(人生を変える授業)
オルソン・M著(米) 寧夏人民教育出版社 2004年4月初版


「成功を収めた偉大な人物は、往々にして若いときに成功の種をまいている」。アメリカの「成功学の父」といわれる著者(1848~1924)が、前途洋々たる若者たちに向けて、決断や忍耐、勇気や誠実さ、夢と希望など、人生を成功させるために必要なことがらを説く。ニクソンやカーター、ブッシュなど歴代のアメリカ大統領たちも、青少年時代に影響を受けたというのが本書の"売り"だ。


8.『正説清朝十二帝:図文本』
閻崇年著 中華書局 2004年11月第5刷


著者は、北京社会科学院満学(満州学)研究所の研究員で、北京満学会会長。『ヌルハチ伝』『清朝通史』など、清朝に関する著書も多い。
本書では、太祖ヌルハチから最後の皇帝・溥儀まで、約270年間にわたる清代の皇帝12人の生涯を、豊富な写真とともにふりかえる。中国中央テレビ(CCTV)の教育番組「百家講壇」のシリーズで放送された内容に、大幅加筆したという。テレビの人気も手伝って、ベストテン入りを果たしたようだ。


9.『南方人為什麼能賺銭』(南方人はなぜ金儲けができるか)
龍子民著 地震出版社 2004年5月初版


商売に長けていることから「中国のユダヤ人」と呼ばれる浙江、温州、広東の人たち。この本は、そんな中国南方人たちの商売の知恵に学ぼうとするもの。
「小さいころから、金儲けの欲望がある」「裕福であることが、最大のメンツ」「人にチャンスを与えることは、つまり自分にチャンスをもたらすこと」など"天性の商人"南方人から、商売を成功させるための22の秘訣を学ぶ。


10.『達・芬奇密碼』(原題『THE DA VINCI CODE』、ダ・ヴィンチの暗号)
ダン・ブラウン著(米) 朱振武/呉晟/周元暁訳 上海人民出版社

 

 

 

 
   
     

 

 

 

 

もうすぐ立春(2月4日)――。春を迎えるうれしい季節の到来ですが、北京ではなんと、立春までに"駆け込み結婚"をしようとするカップルがあふれています。私の周りだけを見ても、ことしに入って結婚したのは5~6組。1月末はとくに多くて、申請先の「結婚登記処」では列をなして待っているとか、登録までに1週間の予約待ちを強いられたとか、さまざまな声が聞こえてきます。
それでは、どうして立春までに駆け込むのでしょう? その答えは、中国でいまでも部分的に使われている「旧暦」と関係があるようです。ことしの春節(旧正月)は2月9日、来年の春節は1月29日にあたります。二十四節気の一つである立春は、来年も2月4日で変わりませんから、ことしの春節から始まる1年には「立春がない」、つまり「春がない」というわけなのです。
こういう年は「寡婦年」(やもめ年、結婚するとやがて未亡人になる年)であるとして、結婚にはふさわしくない年だと言い伝えられています。それで、駆け込み結婚がちょっとした社会現象になっているのです。
もっとも、中国でも年配の友人などは「単なる迷信にすぎませんよ。貧しかった時代や、迷信が悪いとされた"文革"のころなどは、だれも信じていなかったんですからね。これも人々の衣食が足りて、余裕が出てきたことの表れでしょう」と涼しい顔で話していました。

bj200412_01

 

 

写真・文 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

   http://china-media.jugem.jp/
 
     
  b_u_yajirusi  
 
   
中国・本の情報館~東方書店 東方書店トップページへ
会社案内 - ご注文の方法 - ユーザ規約 - 個人情報について - 著作権について