1.『没有任何借口』(原題『No Excuse!』、いかなる言い訳もしない)
フェラー・ケープ著(米) 金雨編訳 機械工業出版社
「アメリカ陸軍士官学校200年来の最も重要な行動規範」だという"No Excuse"(言い訳をしない)。そこには企業が求める責任感や勤勉さ、誠実な態度、完璧な実行能力が表れる、と本書は語る。
2.『水煮三国』(三国志の水煮)
成君憶著 中信出版社
「水煮」とは、たっぷりのトウガラシと油を使った四川風煮込みのこと。そんな「水煮」と「三国志」の名を冠した本書は、「『三国演義』をベースにした麻辣(ピリカラ)風味の管理学」であるという。アジア太平洋人力資源研究協会(APHRA)の副秘書長で『三国演義』ファンの筆者が、劉備や曹操、諸葛亮などおなじみの登場人物をまじえて、経営管理をわかりやすく説く。
昨年7月の初版から1年半にわたって、コンスタントに売れ続けている。
3.『用好時間做対事』(時間をうまく使って事にあたる)
何常明著 人民郵電出版社 2004年10月北京第2刷
「一生を費やして上ったハシゴが、思わぬ塀にかけていたことに気づいたとしたら……それは時間管理最大の失敗である」
思わずドキリとさせられるような言葉だが、そうしたことを防ぐため「明確な価値観を持ち、目標を設定し、改善を持続させ、遅延することなく、プレッシャーを取り除き、あらかじめシュミレーションすること」が大切だと著者。時間管理の技術を磨くテキストで、いくつかの項目は中国の大手企業、大学などのトレーニング教材として使われているという。
4.『狼図騰』(オオカミのトーテム)
姜戎著 長江文芸出版社 2004年4月初版
5.『記憶 往事未付紅塵』(記憶 往事いまだ俗世にならず)
章立凡主編 陝西師範大学出版社 2004年9月初版
6.『長安乱』
韓寒著 中国青年出版社 2004年8月初版
小説『三重門』で高校生作家として華々しくデビューした韓寒くんも、今年21歳。6冊目となる『長安乱』は、初の武侠小説だ。
かつて中国の武林(武術界)では、盟主の宝座をめぐって激しい争奪戦が繰り広げられていた。二大門派・少林と武当の闘いが激しさを増していたが、そこに颯爽と現れたのが少林派の青年僧。5歳で入門、18歳で下山して、不思議な老人の助けを得ながらも、ついに「武林盟主」の地位を奪いかえす。しかし、そんな青年僧が最後に望んだものとは……。
ユーモアと叡智に富んだ新感覚の武侠小説。若者を中心とした韓寒ファンの支持もあつく、文学雑誌『萌芽』に連載されるや、発行部数を約5万部増の30万部に押し上げたという。早くも「今年1番のベストセラー小説」との呼び声も高い。
7.『自動自発』(原題『Willingness』)
エルバート・ハバード著(米) 陳書凱編訳 機械工業出版社 2004年8月第24刷
仕事の効率を説いた『ガルシアの手紙』で有名なエルバート・ハバード(1856~1915年)の自己啓発本。人に頼まれてではなく、自ら進んでやることの重要性を説いている。そのポイントは、仕事に対して「勤勉に」、会社に対して「敬意を払い」、社長に対して「忠誠を尽くし」、自分に対して「自信を持つ」こと。公務員やビジネスマンの"必読の書"であるという。
8.『人生十論』
銭穆著 広西師範大学出版社 2004年7月第3刷
9..『菊与刀』(菊と刀)
ルース・ベネディクト著(米) 呂万和など訳 商務印書館 2003年11月北京第10刷
いわずと知れた、アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクト(1887-1948)の名著。女性学者である著者が、その鋭い洞察力により日本人とは何かを分析している。アメリカによる日本の戦後処理政策のためにレポートされたのが本書だが、いまでも外国人による日本研究の一級品となっている。
北京では商務印書館から「日本叢書」の一冊として刊行された。現在の日中関係は「政冷経熱」といわれるようにギクシャクしているが、「日本人の本質を知る」本書が多くの中国人たちに読まれているのはなぜか? それを探るのも、また大きなテーマだろう。
10.『愛的芸術』(邦題『愛するということ』)
エーリッヒ・フロム著(米) 李健鳴訳 商務印書館 2000年4月北京第3刷
ユダヤ系ドイツ人の哲学者エーリッヒ・フロム(1900~1980年)の世界的ベストセラー。人間性を高め、勇気を持つことが「愛すること」と「愛されること」に必要だと説く。中国語訳の初版本は、1987年に刊行されている。
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