1)『狼図騰』(オオカミのトーテム)
姜戎著 長江文芸出版社 2004年4月初版 2080冊
内モンゴル自治区の遊牧民とオオカミの関係を長年研究してきた作者が、その人類学的見地に立って書き表した新感覚の小説だ。遊牧民の生活における、オオカミとの“一蓮托生”ともいえるつながりが、この物語に色濃く反映されている。
2)『夢里花落知多少』(NEVER-FLOWERS IN NEVER-DREAM)
郭敬明著 春風文芸出版社 1877冊
上海大学影視芸術技術学院に在籍する学生作家、郭敬明の新作小説。出版以来、約半年におよぶロングセラーとなっている。大学卒業を間近にひかえた主人公の愛と友情、快楽と切なさを描き、若い世代の共感を呼んでいる。郭敬明のデビュー作となった冒険小説『幻城』も、ベストセラー第9位に返り咲いている。
3)『青年文摘・人物版 生命淡如水』(命は淡い水の如し)
李炳青責任編集 中国社会科学出版社 2004年3月第2刷 1118冊
青少年向けの月刊誌『青年文摘・人物版』(青年ダイジェスト・人物編)は1999年、中国青年出版社から創刊された。内外著名人の伝記や感動的な実話を紹介、青少年の人生の指標にしてもらおうとするもので、これまでに3000編におよぶ作品が紹介された。雑誌の創刊5周年を迎えるにあたり、まとめられたのがこのシリーズ(全3巻)。緑色の装丁があざやかな本書には、乙武洋匡氏の「自分を障害者とは思わない」、コン・リーの「家、心の港」など、生命や人生について考えさせられる秀作が収められている。
4)『達・芬奇密碼』(原題『THE DA VINCI CODE』、ダ・ヴィンチの暗号)
ダン・ブラウン著(米)、朱振武/呉晟/周元暁訳 上海人民出版社 2004年3月第4刷 1056冊
5)『青年文摘・人物版 愛从不卑微』(愛は卑しからず)
李炳青責任編集 中国社会科学出版社 2004年3月第2刷 1014冊
ベストセラー第3位、第6位と同シリーズ。美しい青色の装丁で、王菲(フェイ・ウォン)の「一度、自分に」、松下幸之助の「あなたのために適したメガネを」など、愛と愛情に関する佳作を収録。
6)『青年文摘・人物版 听听那冷雨』(あの冷たい雨を聞く)
李炳青責任編集 中国社会科学出版社 2004年3月第2刷 964冊
ベストセラー第3位、第5位と同シリーズ。落ち着いた紫色の装丁で、アインシュタインの「私の世界観」、陳剛の「無私は永遠の美徳」などの名作が収められている。
7)『愛原来可以如此豁達』(愛はこうして寛容になれる)
劉墉著 接力出版社/全国優秀出版社 2004年5月初版 883冊
アメリカの大学や美術館に専任アーティストとして駐在した、台湾生まれの画家兼作家の劉墉氏。英・中文による著作は70種以上、開かれた個展は世界各地で30回以上に上るという。本書はそんな国際人の筆者が、愛と心について解き明かすエッセイ風の人生訓。「人生は1本の道のようなもの。それは、だんだん広がる“心の路”。そんな道のように、愛は本来、心を広くすることができるもの……」。愛と結婚、家族、人生などにおける「寛容の心」の大切さを、やさしく語りかけている。つづく第8位も劉墉氏の著作と、人気が集まっている。
8)『靠自己去成功』(自分を信じて成功をつかむ)
劉墉著 長江文芸出版社 2004年3月第4刷 874冊
アメリカに長年暮らし、ハーバード大で博士号をとった長男、交響楽団の第一バイオリニストになった長女という、優秀な子どもたちを育てた筆者が、アメリカ特有の“自由教育”について、エッセイ風に語りかける。「みずから成功をつかむこと、みずから苦労を受けること、そういう長所を、最大限に発揮させること」。それが“自由教育”の秘訣だと説く。
9)『幻城』(まぼろしの城)
郭敬明著 春風文芸出版社 857冊
若い世代に人気の作家・郭敬明のデビュー作となった長編小説。映画化された小説『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』を彷彿させる壮大なスケールで、「幻城」を舞台に繰り広げられる主人公の愛と宿命、勇気を描く。第2位にも新作がランキングされている。
10)『什麼事都在発生』(なんだって起こる)
朱徳庸著(台湾) 中信出版社 2004年4月初版 854冊
仕事、恋愛、結婚、人生……。台湾の著名なマンガ家・朱徳庸(44歳)が、現代人のありのままの日常を、コミカルかつシニカルなマンガで描く。一話ずつ数コマのマンガで構成されているが、コマ割りの線のないのが特徴。それがときには自由自在の画面を作り出している。思わずニヤリとしたり、うーんとうなったり……。そして読後にほのぼのとさせられる、上質のマンガ集だ。
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