1.『101個年軽人要懂得的哲理』(若者が知っておきたい101の哲理)
エミール・ベクトル著(米) 陳書凱編訳 中国民航出版社 2003年10月第2刷
父親が子どもに語りかけるように、101項の人生哲学を教える啓蒙書。「愛することはたやすいが、それを行動に移すのは難しい」など、人生にかけがえのない生命、愛、幸福、処世、交友などの哲学についてやさしく、またわかりやすく説いている。小中学生が理解できる内容なので、教育熱心な親の世代を中心に売り上げを伸ばしているようだ。
2.『水煮三国』(三国志の水煮)
成君憶著 中信出版社
「水煮」とは、たっぷりのトウガラシと油を使った四川風煮込みのこと。そんな「水煮」と「三国志」の名を冠した本書は、「『三国演義』をベースにした麻辣(ピリカラ)風味の管理学」であるという。アジア太平洋人力資源研究協会(APHRA)の副秘書長で『三国演義』ファンの筆者が、劉備や曹操、諸葛亮などおなじみの登場人物をまじえて、経営管理をわかりやすく説く。
3.『夢里花落知多少』(NEVER-FLOWERS IN NEVER-DREAM)
郭敬明著 春風文芸出版社 2003年11月初版
上海大学影視芸術技術学院に在籍する学生作家、郭敬明の新作だ。第一作の冒険小説『幻城』は、昨年10月末までに55万部を突破。その勢いは衰えを知らず、本書もすでに30万部が売り出されている(中国版人民ネットから)。大学卒業を間近にひかえた主人公の愛と友情のうつり変わり、成長する過程の快楽と悲しみを描き、若い世代の絶大な支持を受けている。
4.『新華字典』
商務印書館
中国ではおなじみの漢字字典の改訂版(第10版)。手のひらにすっぽり収まる携帯用コンパクトサイズだ。ぶあつい字典に比べれば、価格は4分の1程度と求めやすいし、6年ぶりの改訂版ということで買い換える人が増えている。
おもしろいのは同じサイズの『新華字典』に、上質紙・二色刷りのビニールカバー版と、紙質の落ちるハードカバー版の2種類があること。数元の差に、中国の多様な需要と客層をうかがうことができる……。ちなみに私は安い方を求めたら、レジの女性に「質が悪いわよ。15元のにしなさい」と一喝されて、そのまま2冊買いました(中国女性は強い……)。
5.『爺爺毛沢東』(祖父・毛沢東)
毛新宇著 国防大学出版社
毛沢東の実の孫にあたり、新進気鋭の政治家である毛新宇(毛沢東と最初の妻・楊開慧の次男・毛岸青の息子、33歳)が昨年上梓した本。祖父・毛沢東の日常を、肉親の証言などで生き生きと描き、評判を呼んでいる。
6.『手機』(携帯電話)
劉震雲著 長江文芸出版社 2003年12月初版
2004年のスタートに、話題をさらった馮小剛(フォン・シャオガン)監督の正月映画『手機』(携帯電話)。本書はその原作本だ。ケータイの着信記録から夫の愛人の存在に気づいた妻は、そして夫は、愛人は……。いまや中国でも必需品のケータイが起こしかねない騒動は、世の男性たちを震撼させた。コメディタッチの異色作である。
7.『進退規則―世界歴史中的生存游戯』(進退の規則、原題『The Rule of Advancing and Retreating』)
Baltasar Cracian著 中国民航出版社
歴史上の出来事や人物の教訓などから、人がいかにチャンスをつかみ、人生を成功させてきたのかを独自の視点で読み解いてゆく。中国の『三国志』、フランスの七月革命、アメリカの南北戦争、日露戦争など、よく知られる世界の大事を引き合いにして、そこから人生のよき選択を学ぼうとする指南書である。
8.『影響世界的100個管理寓言』(世界に影響を与えた100の管理寓話)
楊保軍文 馮漢瑋絵 広東経済出版社 2004年1月第5刷
ベストテン10位にランキングした『影響世界的100個営銷寓言』は、シリーズ本。イラスト入りでよみやすい、ビジネス管理のノウハウ本だ。
たとえば「幸福の種」という話は、幸福の使者からもらった種をまき、豊かになった青年と、種を神様にお供えしたものの、そこからは何も生まれなかった青年を比べている。そして「企業の成功は、管理者の地道な努力によって得られる」という「管理の啓示」を導き出すのだ。中国の故事はもちろん、日本や世界の寓話が使われており、読み物としても堪能できる。
9.『人生中一定要読的幾本書』(人生で読むべき数冊の書)
林格/李俐主編 同心出版社 2003年10月初版
ここに挙げられた必読の書は、『老人と海』『チベット死者の書』『曽国藩家書』『松下幸之助』『へレンケラー自伝』『アインシュタイン伝』など国内外の名著25冊。それぞれに「内容のあらすじ」「作者の背景と本書の影響」「名言名句の解釈」「応用経験」などが記され、それを読めば世界的名著の核心がつかめるようになっている。スピーディーな時代には、じつに便利な本である。中国の75の大手企業・事業体で、若手読書会のカリキュラムに使われているという。
10.『影響世界的100個営銷寓言』(世界に影響を与えた100の営業寓話)
楊保軍文 一新絵 広東経済出版社 2004年1月第5刷
ベストテン8位の『影響世界的100個管理寓言』は、シリーズ本だ。裸足で暮らす南の島の住民を見て、「靴は履かないだろう」とあきらめて帰ってしまったセールスマンと、全員に靴を売り、成功したセールスマンの話「二人のセールスマン」など、営業の心構えを伝授するおもしろおかしい寓話を収める。
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