中国・本の情報館~東方書店~
サイト内検索
カートを見る
ログイン ヘルプ お問い合わせ
トップページ 輸入書 国内書 輸入雑誌  
本を探す 検索 ≫詳細検索
東方書店楽天市場店「東方書店plus」
楽天市場店 東方書店plus
 
各種SNS
X東方書店東方書店
X東京店東京店
X楽天市場店楽天市場店
Instagram東方書店東方書店
Facebook東京店東京店
 
Knowledge Worker
個人向け電子書籍販売
 
BOOK TOWN じんぼう
神保町の書店在庫を横断検索
 
日本ビジネス中国語学会
 
北京便り
上海便り
ネット用語から読み解く中国
 
bei_title  
 

 

2004年2月  55歳になった「王風井書店」は今…

     
bj200402_01

「共和国第一店」として、1949年の新中国成立と歩みをほぼ同じくしてきた新華書店の「王府井書店」(正式名称・北京市新華書店王府井連鎖店)が2月10日、創立55周年を迎えました。人民解放軍により解放されたばかりの北平(いまの北京)に、「北平新華書店」が創設されてから55年――。時代の変遷をへて、今なお人々に親しまれている大手国有書店ですが、そんな王府井書店にも、激しい市場競争に打ち勝つための変革が迫られています。“熟年時代”を迎えた王府井書店の今をのぞいてみました。

 
     

「共和国第一店」のあゆみ

bj200402_05王府井書店の前身である「北平新華書店・王府井第一門市部(小売販売部)」は49年2月10日、北京一の繁華街・王府井に正式にオープンしました。
当時は、毛沢東主席の揮毫による「新華書店」の看板が高く掲げられ、知識欲を満たそうとする人がドッと押しよせた、と伝えられます(『北京晩報』)。その後、各地に新華書店の小売部門が設けられましたが、王府井店は早くも50年代に「先進単位」(先進的な機関)として全国的に知られるようになりました。「共和国第一店(一号店)」の名実ともに、トップクラスの有名店となったのです。
その後「文革」期の混乱をへて、改革・開放政策がスタートした79年に、同書店は「北京新華書店王府井書店」と改名されました。改革・開放は、それまで独占的な書籍の流通・販売システムをとっていた国有の新華書店にも大きな転機をもたらした……といわれています。

流通・販売システムの変化でいえば、①新華書店の独占体制がくずれ、集団や個人が経営する書店などさまざまな企業体が生まれた ②出版社の自主流通が行われるようになり、流通が簡略化・スピード化された ③新華書店においても、仕入れや卸売りの選択の自由化、値引き販売が行われるようになった――といいます(劉暁紅・中国社会科学院助教授の論文「中国の書籍流通とオンライン書店」より)。
また、王府井書店でいえば、①開架式の販売で、読者が自由に本を選べるようにした ②数百の書店と「特約取次販売契約」を結び、流通をスピード化した ③著名な作家や筆者を招いてサイン会を行い、書店の知名度と好感度を上げた――などの新しい改革が行われました。それにより、王府井書店の図書取扱量は着実に増え、80年代には毎年20%増を記録。年間販売額は1970年の200万元から、1990年の約1億元へと50倍もの増加となりました(『北京晩報』)。全国の図書小売販売業を代表する「紅旗単位」(革命・勝利の機関)に選ばれ、その運営も各店に影響を与えました。こうして王府井書店が改革・開放の波に乗り、中国における書店のトップに君臨したことはいうまでもありません。
2000年秋、6年にわたる改装工事を終えた王府井書店は、さらにその規模を大きくし、内容と機能を充実させて王府井ストリートに復活。観光客や市民など、数え切れないほどの多くの人を集めています。

熟年時代を迎えて

bj200402_04改装なった現在の王府井書店は、地上6階・地下1階で総建築面積1万7525平方メートル。北京の“銀座”王府井ストリートの南側にそびえる大型ビルです。
1階の政治・経済・社会科学・観光から、2階の児童・教育、3階の語学・輸入書、4階の文学・芸術、5階の科学技術・医療・IT関連、6階の多機能ホール、地下1階のオーディオ・ビジュアルまで、各フロアをわかりやすく分野別に整理。コンピューター管理とそれによる書籍の検索機能、フロア別のPOSレジ清算、専門知識をもつ店員の販売サービス、万引き防止用の大型センサー、ホームページやホットラインなどを設け、、日本の大手書店にもひけをとらない機能的なシステムとなりました(まだまだ強気な態度の店員さんもいますが〈笑〉)。
データによれば、店内の90%が開架式で、年間供給書の種類は20万あまり。6階の多機能ホールでは、現代作家の賈平凹(ジァ・ピンアオ)氏や、独特な英語学習法“クレイジー・イングリッシュ”を普及させた李陽(リー・ヤン)氏、正月映画で有名な馮小剛(フォン・シャオガン)監督ら著名人を招いた講演会やサイン会、講座などが行われています。昨年だけでもホールで行われた活動は、数百回に上るといいます。
各階のエスカレーターのそでにはベンチが設けられており、だれでも自由に使えます。なかには、そこでのんびりと“読書”を済ませて買わない客も多いのですが(!)、それも「顧客サービスの一環なので、気にしない」(店員さん)ということでした。最新システムの導入はもちろんですが、良くいえばこうした大らかな雰囲気が、“熟年時代”を迎えても変わらぬ人気のひけつなのかもしれません……。

市場競争に打ち勝つために

bj200402_08昨年5月、外資系企業による中国内での書籍・新聞・雑誌の小売企業の設立が許可されました。それにより外資系企業は、書籍などの卸売・小売サービス分野では初めて、市場参入ができるようになったのです。現在、イギリスやアメリカ、ドイツなどの大手出版社が権利獲得の手続きを進めているといわれます。また、民営書店や民間オンライン・ショップも、丁寧で迅速なサービスが若者たちを中心にその人気を集めています。電話やメール1本で、欲しい書籍やVCDが数日間で宅配されるのですから、スピード化されたデジタル社会に慣れている人にとっては、たまらないサービスでしょう。
改革・開放の波に乗った大手国有書店も、こうした激しい競争社会のなかでは変革が迫られています。そこで、新華書店では2年ほど前から各店舗の独立経営方式をチェーン経営へと移行、物流の一本化を図っています。外資参入の“脅威”に対する、中国資本の対抗措置といえるでしょう。
北京の新華書店でも2002年1月から2003年2月、東城、崇文、西城、宣武、朝陽など各区の50店舗が加盟したチェーン店化がすすめられ、王府井書店がその“元締め”となりました。新しい看板を「北京市新華書店王府井連鎖(チェーン)店」にかけかえて、2004年の販売目標はチェーン店全体として3億4000万元をめざすといいます。これは、王府井書店が2000年に新装オープンしてから3年間の売り上げ約4億6000万元に迫る勢い(王府井書店HP、『北京晩報』)。その規模も実績も「中国の図書小売販売業では最大のチェーン経営体になるだろう」といわれています。
市場競争が激しさを増すなかで、図書販売の“巨頭”王府井書店が今後、どんな変化を遂げていくのか――その動向からますます目が離せません。

王府井書店HP http://www.wfjbs.com.cn/

 
   
   
     
     
bestsellere  

総合
★王府井書店(新華書店)(北京市東城区王府井大街218号)
2004年1月1日~1月31日

     
bj200402_15

bj200402_12

bj200402_13

bj200402_11

bj200402_16
 

1.『101個年軽人要懂得的哲理』(若者が知っておきたい101の哲理)
エミール・ベクトル著(米) 陳書凱編訳 中国民航出版社 2003年10月第2刷


父親が子どもに語りかけるように、101項の人生哲学を教える啓蒙書。「愛することはたやすいが、それを行動に移すのは難しい」など、人生にかけがえのない生命、愛、幸福、処世、交友などの哲学についてやさしく、またわかりやすく説いている。小中学生が理解できる内容なので、教育熱心な親の世代を中心に売り上げを伸ばしているようだ。


2.『水煮三国』(三国志の水煮)
成君憶著 中信出版社


「水煮」とは、たっぷりのトウガラシと油を使った四川風煮込みのこと。そんな「水煮」と「三国志」の名を冠した本書は、「『三国演義』をベースにした麻辣(ピリカラ)風味の管理学」であるという。アジア太平洋人力資源研究協会(APHRA)の副秘書長で『三国演義』ファンの筆者が、劉備や曹操、諸葛亮などおなじみの登場人物をまじえて、経営管理をわかりやすく説く。


3.『夢里花落知多少』(NEVER-FLOWERS IN NEVER-DREAM)
郭敬明著 春風文芸出版社 2003年11月初版


上海大学影視芸術技術学院に在籍する学生作家、郭敬明の新作だ。第一作の冒険小説『幻城』は、昨年10月末までに55万部を突破。その勢いは衰えを知らず、本書もすでに30万部が売り出されている(中国版人民ネットから)。大学卒業を間近にひかえた主人公の愛と友情のうつり変わり、成長する過程の快楽と悲しみを描き、若い世代の絶大な支持を受けている。


bj200402_024.『新華字典』
商務印書館


中国ではおなじみの漢字字典の改訂版(第10版)。手のひらにすっぽり収まる携帯用コンパクトサイズだ。ぶあつい字典に比べれば、価格は4分の1程度と求めやすいし、6年ぶりの改訂版ということで買い換える人が増えている。
おもしろいのは同じサイズの『新華字典』に、上質紙・二色刷りのビニールカバー版と、紙質の落ちるハードカバー版の2種類があること。数元の差に、中国の多様な需要と客層をうかがうことができる……。ちなみに私は安い方を求めたら、レジの女性に「質が悪いわよ。15元のにしなさい」と一喝されて、そのまま2冊買いました(中国女性は強い……)。


5.『爺爺毛沢東』(祖父・毛沢東)
毛新宇著 国防大学出版社


毛沢東の実の孫にあたり、新進気鋭の政治家である毛新宇(毛沢東と最初の妻・楊開慧の次男・毛岸青の息子、33歳)が昨年上梓した本。祖父・毛沢東の日常を、肉親の証言などで生き生きと描き、評判を呼んでいる。


6.『手機』(携帯電話)
劉震雲著 長江文芸出版社 2003年12月初版


2004年のスタートに、話題をさらった馮小剛(フォン・シャオガン)監督の正月映画『手機』(携帯電話)。本書はその原作本だ。ケータイの着信記録から夫の愛人の存在に気づいた妻は、そして夫は、愛人は……。いまや中国でも必需品のケータイが起こしかねない騒動は、世の男性たちを震撼させた。コメディタッチの異色作である。


7.『進退規則―世界歴史中的生存游戯』(進退の規則、原題『The Rule of Advancing and Retreating』)
Baltasar Cracian著 中国民航出版社


歴史上の出来事や人物の教訓などから、人がいかにチャンスをつかみ、人生を成功させてきたのかを独自の視点で読み解いてゆく。中国の『三国志』、フランスの七月革命、アメリカの南北戦争、日露戦争など、よく知られる世界の大事を引き合いにして、そこから人生のよき選択を学ぼうとする指南書である。


8.『影響世界的100個管理寓言』(世界に影響を与えた100の管理寓話)
楊保軍文 馮漢瑋絵 広東経済出版社 2004年1月第5刷


ベストテン10位にランキングした『影響世界的100個営銷寓言』は、シリーズ本。イラスト入りでよみやすい、ビジネス管理のノウハウ本だ。
たとえば「幸福の種」という話は、幸福の使者からもらった種をまき、豊かになった青年と、種を神様にお供えしたものの、そこからは何も生まれなかった青年を比べている。そして「企業の成功は、管理者の地道な努力によって得られる」という「管理の啓示」を導き出すのだ。中国の故事はもちろん、日本や世界の寓話が使われており、読み物としても堪能できる。


9.『人生中一定要読的幾本書』(人生で読むべき数冊の書)
林格/李俐主編 同心出版社 2003年10月初版


ここに挙げられた必読の書は、『老人と海』『チベット死者の書』『曽国藩家書』『松下幸之助』『へレンケラー自伝』『アインシュタイン伝』など国内外の名著25冊。それぞれに「内容のあらすじ」「作者の背景と本書の影響」「名言名句の解釈」「応用経験」などが記され、それを読めば世界的名著の核心がつかめるようになっている。スピーディーな時代には、じつに便利な本である。中国の75の大手企業・事業体で、若手読書会のカリキュラムに使われているという。


10.『影響世界的100個営銷寓言』(世界に影響を与えた100の営業寓話)
楊保軍文 一新絵 広東経済出版社 2004年1月第5刷


ベストテン8位の『影響世界的100個管理寓言』は、シリーズ本だ。裸足で暮らす南の島の住民を見て、「靴は履かないだろう」とあきらめて帰ってしまったセールスマンと、全員に靴を売り、成功したセールスマンの話「二人のセールスマン」など、営業の心構えを伝授するおもしろおかしい寓話を収める。

 

 

 

 
   
     
   

bj200402_03
鳥インフルエンザの感染拡大が懸念されていますが、先ごろ北京の書店にお目見えしたのが『禽流感防治手冊』。中国語で鳥インフルエンザは「禽流感」(チンリュウガン)と呼びますが、それを予防し、治療に役立てようとするパンフレットが店頭をにぎわせています。
たとえば『画説禽流感防控』(国務院新聞弁公室・編)では、「禽流感とは?」「感染した家禽をどのように処理するか?」「感染家禽を利用した場合の罰則規定」「周辺地域の対応」「人に感染するとどのような症状がでるか?」「効果的な治療法は?」などの基本知識が、イラスト入りでわかりやすく説明されています。こうしたパンフレットは政府系機関や医療機関から十数種類も発行されており、「昨年のSARSの轍を踏まないぞ」という中国の意気込みのほどがうかがえます。
もっとも、感染が報告されていない北京では「禽流感とは無縁」とも思える、落ちついた市民生活が営まれており、「火を通したものなら大丈夫」と鳥の串焼きやフライドチキンを、いつも通りにほおばる人たちを見かけます。

 

 

写真・文 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

   http://china-media.jugem.jp/
 
     
  b_u_yajirusi  
 
   
中国・本の情報館~東方書店 東方書店トップページへ
会社案内 - ご注文の方法 - ユーザ規約 - 個人情報について - 著作権について