1.『水煮三国』(三国志の水煮)
成君憶 著 中信出版社 2003年7月初版 1375冊
「水煮」とは、たっぷりのトウガラシと油を使った四川風煮込みのこと。そんな「水煮」と「三国志」の名を冠した本書は、「『三国演義』をベースにした麻辣(ピリカラ)風味の管理学」であるという。アジア太平洋人力資源研究協会(APHRA)の副秘書長で『三国演義』ファンの筆者が、劉備や曹操、諸葛亮などおなじみの登場人物をまじえて、経営管理をわかりやすく説く。
2.『外交十記』(外交十話)
銭其琛 著 世界知識出版社 2003年10月初版 1332冊
中国の外交部長(外相)をへて、今年3月まで副総理を務めた銭其琛氏(75歳)の話題の回想録だ。「中ソ関係正常化」、「ソウルへ向かう」、昭和天皇崩御のさいの「東京の“葬礼外交”」など、外交にまつわる10のエピソードを披露する。
3.『北京人手冊』(北京人手帳)
地質出版社 2003年10月初版 1240冊
一家の必需品として、また新年の贈答用として重宝がられている情報ハンドブック『北京人手帳』の2004年版が、早くもベストセラーに!
最新版の特徴は、①飽きのこないシックなブラウン系のビニールカバー付き、②北京市の分割地図を拡大し、新しい五環路までを詳報した――などなど。国と市の政府機関、医療、各種企業、観光、交通、ホテル、娯楽施設、ショッピング&グルメ、各種ホームページ(HP)アドレスなどの情報も満載で、変化の激しい大都会にとり残されないためにも、市民必携の一冊だ。
4.『做人不要太老実』(人として真面目すぎる必要はない)
水中魚 著 当代世界出版社 2003年11月第5刷 1228冊
「『真面目』は、いくじなしで世事にうとく、消極的で融通がきかない……の代名詞である(中略)。しかし、考え方や行動パターンからそうした弱点を分析し、真面目な人たちが長所を保ちながら、より積極的ですばらしい生活が送れるように指南したい」と著者はいう。「冒険心を養おう」「自己肯定をマスターしよう」「自信を強める」など、真面目な人が「生きやすくなる」ための処方箋が詰まっている。身にしみ込んでいくような、わかりやすくやさしい言葉も人気のようだ。
5.『致加西亜的信』(原題『A Message to Garcia』、邦題『ガルシアへの手紙』)
エルバート・ハバード著(米)趙立光など訳 ハルビン出版社 1098冊
『聖書』『毛沢東語録』などに続く、有史以来の世界的ベストセラー。古典的な人生の指南書で、北京では昨年春に復刻版が出てから、静かなブームを呼んでいる。
6.『人性的弱点 全集』(人間らしい弱点 全集)
デール・カーネギー著(米)袁玲 訳 中国発展出版社 2003年7月第2刷 1040冊
自己啓発本としては古典的名著のデール・カーネギー著『人を動かす』と『道は開ける』(日本では、ともに創元社から訳本が出ている)。中国版は、どうやらその2冊の合本らしいのだが、詳しい説明は書かれていない……。
「リラックスすることを学び、疲労をときはなつ」「微笑みを忘れない」「あなたは唯一無二のもの」「70%の悩みは金銭とかかわりがある」など、“成人教育の父”と称えられる著者が、よりよい人間関係と人生を築くためのノウハウを伝授する。
7.『給心霊洗個澡』(心を洗ってあげよう)
裴玲 著 金城出版社 2004年1月第4刷 981冊
「運命は人がおかれた環境ではなく、人の心の持ちようで決まる」と、楽観的でしあわせな人生を送るための秘訣を紹介する。「時間の存在を忘れる」「自分と対抗することはない」「『自分には何もない』と言わない」など、古今東西の名句をひきながら“心の洗濯”がいかに大切かを訴える。中国にも、いよいよ「癒しの時代」がやってきたのであろう。
8.『高效能人士的七个習慣』(能率の高い人の7つの習慣)
スティーブン.R.コヴィー著(米) 中国青年出版社 969冊
世界で1億冊を売り上げたという超級ベストセラー。日本では『7つの習慣―成功には原則があった!』(キングベアー出版)というタイトルで翻訳出版されている。「積極的に」「相互依存」「ウィン・ウィンの発想」など、“真の成功”と“すばらしい人生”を手にするための7つの習慣を紹介する。
9.『宋美齢画伝』
師永剛/林博文 編著 作家出版社 2003年11月第5刷 867冊
今年10月23日、ニューヨークの自宅で死去した宋美齢(106歳)は、台湾の故蒋介石夫人として、波乱の人生を歩んだ女性だ。「宋家の三姉妹」の三女として生まれ、長女の宋靄齢(財閥の孔祥熙夫人)、二女の宋慶齢(孫文夫人、元・中国国家副主席)とともに「世紀の三姉妹」「歴史を操った三姉妹」などと称されてきた。
本書は、そんな彼女の運命的な生涯を、初公開を含む200枚あまりの写真と直筆の国画とともにふりかえる。それがそのまま、激動の中国近代史とオーバーラップしていることがうかがえるだろう。
10.『六頂思考帽』(6つの考える帽子)
エドワード・デ ボーノ著(英)馮楊 訳 北京科学技術出版社 2004年1月初版 859冊
既成概念にとらわれない、自由な発想法「水平思考」を開発したデボーノ博士が、「思考を切り換え、整理して考えるために6色の帽子をかぶり分けよう」と提唱している。その6色の帽子とは……【白】客観的で正確な情報を集める【赤】感情と感覚から見る【黒】わるい方から考える【黄】優れているところを探す【緑】創造的に考える【青】思考をコントロールする。
6色の帽子は、ビジネスだけでなく、生活上のさまざまな問題にも応用できそうで楽しい! 邦訳として『デボノ博士の「6色ハット」発想法』(ダイヤモンド社)、『会議が変わる6つの帽子』(翔泳社)が出版されている。
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