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2003年10月  『自由のために書く』中国亡命作家鄭義と
   大江健三郎の対話

     
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社団法人・日本ペンクラブ主催の「鄭義氏と大江健三郎氏の公開対話」が10月7日、東京の日本プレスセンターホールで行われた。鄭義氏は、現代中国における著名な作家であり、その代表作の一つ『古井戸』は、呉天明監督・張芸謀主演により映画化されて話題を呼んだ(1987年、東京国際映画祭グランプリ受賞)――といえば、思い出される方も多いかもしれない。89年の天安門事件のさいに、民主化運動の指導者のひとりとして指名手配を受け、妻とともにアメリカに亡命。現在はワシントン郊外で、精力的に作家活動を続けているという。
鄭義、大江両氏はこの日、6年ぶり2度目となる再会だったが、国境を超えて文学や小説の理念について、また「表現の自由」について、自由闊達に意見を交わした。モデレーターは、鄭義氏の『古井戸』(JICC出版局、絶版)、『神樹』(朝日新聞社)などの訳書がある東京大学文学部教授の藤井省三氏。
今回は、藤井氏のご案内で、この公開対話に参会することができた。ノーベル文学賞作家と中国人作家による「現代文学論」の一端を、この場を借りて、ご紹介したいと思う。

 
     

bj200310_02対話で大江氏は、水に苦しむ寒村を舞台にした鄭義氏の『古井戸』(原題『老井』)について、「歴史物語としてではなく、井戸の掘り方を改革し、生きる道を発見しようとする現代的な若者の恋物語として描いている。ユーモアを含んだ批評性をもった作品だ。若者と村人の生活を通して『時代の鋭い転換期』がしっかりと描かれている」と評価。その上で「小説や小説家に必要なのは「『個』を描きながらも、『時代の転換期』、時代の変わり目をとらえることだ」と語った。
また、「表現の自由」の問題について言及し、「日本には『言論の自由』があると思うが、将来を担う若者が『言論の自由』そのものに興味をなくしている。それを心配している」と、衰弱しつつある日本の言論文化を指摘。「(本当の意味での)言葉の環境を回復するのが、物を書く人間の仕事の一つである」という見解を明らかにした。
これに対し鄭義氏は、「私にとって『自由』は一つの望み(渇望)であり、夢である。自分の見たもの、感じたもの、真実の生活を書きたい。『思っていることを何でもいいたい』というのが唯一の願いだ」と、文学を追求する熱い思いを語った。また、アメリカ亡命のいちばんの代償が「祖国と祖国の読者を失ったこと」としながらも、「本当の人生とは何か、本当の芸術とは何か。アメリカで、愛と文学の関係を知り始めたようだ」と、現在おかれている立場の複雑な心境を述べた。
bj200310_03鄭儀氏は、黄河周辺の環境問題を20年がかりで調査し、それをルポルタージュ文学として残そうと、精力的に文筆活動を続けている。祖国の読者から遠く離れ、「名声も利益もなく、中国の読者に認められない状態だが、なおも書く。私の文学への追求はますます深くなり、真の芸術に近づいているようだ」という。
これに対し、大江氏は「批評的なユーモアとともに語る力、それが鄭義さんの人格であり、小説の個性だ。鄭義さんは20世紀から21世紀はじめの中国を代表する作家として、記憶されるにちがいない」と応えていた。 

【鄭義氏】1947年四川省生まれ。89年の天安門事件で、民主化運動の指導者のひとりとして指名手配を受け、93年妻とともにアメリカに亡命。主な著書に『古井戸』、『中国の地の底で』(朝日新聞社)、『神樹』など。

【大江健三郎氏】1935年愛媛県生まれ。94年ノーベル文学賞受賞。『飼育』、『ヒロシマ・ノート』、『万延元年のフットボール』、『恢復する家族』など著書多数。鄭義氏ら世界の11人の知識人との往復書簡を朝日新聞に掲載し、今年5月に『暴力に逆らって書く』(朝日新聞社)として刊行。

 
   
   
     
     
bestsellere  

文学・教育類
★北京図書大廈(西単)(北京市西城区西長安街17号)
2003年9月1日~9月30日

     
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1.『我為歌狂 終結本8848』(ボクは音楽狂 終結本8848)
胡依紅 企画 董潔心 著 上海辞書出版社 2003年9月第4刷


2001年末、中国初の国産青春アニメとして、華々しくテレビに登場した『我為歌狂』(ボクは音楽狂)。ハイスクールを舞台に、バンド活動に打ち込むクールな男女の青春物語は、中国で大きなセンセーションを巻き起こした。アニメはなんども再放送され、ノベライゼーション第1作の『我為歌狂』は、すでに88万冊を突破(今月のベスト5位にも)。「我為球狂」(ボクはバスケ狂)、「我為画狂」(ボクはマンガ狂)など、「我為~狂」という流行語まで生まれている。
本書はその完結編。ラストで葉峰、楚天歌らバンドのメンバーたちは、音楽学院(大学)に合格するなど、それぞれの新しい道を歩きはじめる。音楽と愛と人生の最高峰「8848(チョモランマ=エベレストの標高)をめざすのだ――。
「恵まれた日本のプロデューサーのように、成熟した小説やマンガからシナリオが起こせるわけじゃなく、まったくゼロから物語を編みだしたの(中略)。完璧な作品ではないけれど、国産アニメもけっこう努力していることがわかってもらえると思うわ」(序)と女性プロデューサーの胡依紅は語る。


2.『流浪児迪克』(流浪の子ディック、原題『Ragged Dick』)
ホレーショ・アルジャー著 馮楊 訳 海南出版社 2003年8月初版


ホレーショ・アルジャー(1832~1899)は、少年物語を得意とする作家で、牧師でもあった。この本は、孤児のディックが逆境にもめげず、努力して自分の運命を切り開き、立派な青年紳士として成長する物語。中国語版では、郭運娟のユニークな挿絵が入り、子どもたちの人気の的となっている。


3.『我們仨』(私たち三人)
楊絳 著 生活・読書・新知三聯書店 2003年8月第3刷


長編小説『洗澡』で知られる著名作家の楊絳(1911~)は、中国を代表する作家で学者の故・銭鍾書の夫人。最愛の娘と夫をあいついで亡くし、知られざる家族3人の肖像とかけがえのない思い出を語る。


4.『不能承受的生命之軽』(邦題『存在の耐えられない軽さ』)
ミラン・クンデラ著(仏) 許鈞 訳 上海訳文出版社


現代チェコが生み出した作家ミラン・クンデラ(1929~、フランス在住)。その代表作ともいえる『存在の耐えられない軽さ』は、チェコスロバキアの「プラハの春」と、その後のソ連軍侵攻をベースにした哲学的恋愛小説。87年にアメリカで映画化されて、中国の「6.4天安門事件(89年)」にも影響をあたえたといわれている。


5.『我為歌狂』(ボクは音楽狂)
曽炜など著 上海人民出版社 2003年7月第21刷


アニメ『我為歌狂』のノベライゼーション第1作。今月のベストワン『我為歌狂 終結本 8848』が8月に出版されたのに合わせて、またも売り上げを伸ばしているようだ。


6.『窗辺的小豆豆』(窓ぎわのトットちゃん)
黒柳徹子 著 いわさきちひろ 絵 趙玉皎 訳 南海出版公司 2003年6月第2刷


1981年に日本で出版され、大ブームを呼んでから22年。「本書は世界33言語に訳され、読者は合わせて数千万人に上る」と中国語版の紹介にある。「小学1年生で退学になった」トットちゃんが、転校先の小学校で、周囲の愛につつまれ元気よく成長していく姿が描かれる。ユニセフ(国連児童基金)親善大使・黒柳徹子さんの自由奔放な幼少期である。
中国の親たちにとって、宝物のような一人っ子の教育は最大の関心事。本書の帯には「子どものために読んでほしい。親と教師一人ひとりに」というキャッチコピーもあり、読者の心をグッとつかんでいるようだ。


7.『語文新課標必読叢書 初中生必背古詩文50篇』(国語新カリキュラム標準必読叢書 中学生必須暗記古詩文50篇)
王峰 馬奔騰 注釈 人民文学出版社 2003年7月第3刷


小中高生の国語能力を高めるため、一昨年と今年、教育部(文部科学省にあたる)が公布した「全日制義務教育語文課程(国語カリキュラム)標準」「普通高校語文課程標準」。その標準にあわせて編纂された、指定図書のひとつである。「孔子語録」(『論語』)、「出師表」(諸葛亮)、「桃花源記」(陶淵明)、「行路難」(李白)、「春望」(杜甫)など、中学生が暗記すべき古典詩文(抜粋)50篇を、注釈や解説とともに簡潔にまとめている。


8.『一生必読的60本書』(一生で必読の60冊)
張玉斌 王晶 編著 北京工業大学出版社 2003年9月第2刷


魯迅やヘミングウェイら、古今内外の巨匠がとりあげた「必読書」を基礎に、文学、哲学、歴史、軍事など各分野における世界的代表作60冊をピックアップ。その内容や解説などを紹介している。
中国モノでは『論語』『史記』『孫子の兵法』『三国志』『水滸伝』『紅楼夢』『西遊記』『本草綱目』などの古典から、『毛沢東伝』『四世同堂』『囲城』『冰心散文選』『活着(活きる)』などの近現代文学まで。海外モノでは『聖書』『種の起源』『戦争論』から、『老人と海』『星の王子さま』『雪国』『存在の耐えられない軽さ』『ソフィの世界』まで――。あらゆるテーマの世界名著のエッセンスが、この一冊に凝縮される。


9.『我把青春献給你』(青春をあなたに捧げる)
馮小剛 著 金麗紅など責任編集 長江文芸出版社


中国コメディ映画の第一人者、馮小剛(フォン・シャオガン)監督の回想録風エッセイだ。『再見のあとで』(1992年、脚本)、『太陽の少年』(95年、出演)、『甲方乙方』(97年、監督)、『没完没了(ミレニアム・ラブ)』(99年、監督)など、数々のヒット作を世に送り出してきた馮監督。作品に込めた思いや舞台裏、私生活のようすが十二分に綴られる。


10.『習慣決定命運』(習慣が運命を決める)
瑜苑 編著 地震出版社 2003年3月初版


「習慣と運命は、密接な関係がある」「自分を理解し、運命を把握する書」とその表紙にある。暮らしや健康、学習、理性、美徳、貢献など、人生のさまざまな場面における「習慣づけ」の重要性を説く。輝ける人生を送るための中国版ノウハウ本。内外の古典や現代人の事例が数多く引用されており、読み物としてもおもしろい。

 
   
     

bj200310_a中国初の有人宇宙船「神舟5号」が予定通り帰還した10月16日、北京はまるでお祭りのようなにぎやかさでした。なにしろロシア、米国に続き、有人宇宙飛行を成功させた世界3番目の国となったのです。

新聞はいずれもこれをトップ扱いで報道し、テレビはどのチャンネルも遅くまで関連番組を流していました。遠くからは花火のような激しい音と「うぉー!」という大歓声が、止むことなく聞こえてきました。

そんな折に訪れた目抜き通りの王府井書店には、さっそく「神舟」コーナーが設けられていました。「神舟5号」の10分の1模型を"目玉"に、『放飛神舟』(機械工業出版社)、『飛天夢圓』(華芸出版社)などの新刊本がところ狭しと並べられています。とりわけ後者の本には、カプセルの中から笑顔とピース姿で帰還した楊利偉(ヤン・リーウェイ)飛行士(38)の最新写真も。コーナーの周りには「うわー、楊利偉だ」「かっこいいなー」などと歓声をあげながら、本を手にとる未来の"宇宙世代"の姿がありました。

 

 

 

写真・文 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

   http://china-media.jugem.jp/
 
     
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