1)『向左走・向右走』(邦題『君のいる場所』小学館)
幾米(ジミー)著 生活・読書・新知三聯書店
人気沸騰中の台湾の絵本作家・幾米の作品が、いよいよベスト1に。大学街にあり、若者でにぎわうこの書店(国風林)では、今回なんと幾米の4作品がベストテン入りしていた。北京の絵本事情については、本コーナーの11月号をご参照ください。
2)『致加西亜的信』(原題『A Message to Garcia』、邦題『ガルシアへの手紙』)
エルバート・ハバード著(米) 趙立光など訳 ハルビン出版社 2002年5月初版
『聖書』や『毛沢東語録』などに続く、有史以来の世界的ベストセラー第6位。古典的な人生の指南書だ。
3)『你今天心情不好吗?』(原題『The Blue Day Book』)
ブラッドリー・トレバー・グリーヴ著(米) 秋葉 訳 中信出版社 遼寧教育出版社 2002年6月第2刷
シドニー在住カメラマンの動物写真集。ホッキョクグマにライオン、ブルドッグにチンパンジーなど、動物たちの豊かな表情と写真に添えられたユーモアあふれるコメントが、見るものの心を癒してくれる。
4)『経済学家茶座(第十輯)』(経済学者の茶店、第10集)
金明善 主編 山東人民出版社 2002年10月初版
大学生やビジネスマン、教授や政府指導者など経済を学ぶ人たちのために作られたというビジネス・レポート集。2年前に創刊し、第10集を数える。最近では、各2万冊の販売部数をほこるという。
中国社会科学院・呉承明の「中国のGDPの物語」、中山大学嶺南学院助教授・姚益竜の「5000元のポンコツ車を買う勇気があるか?」など著名な学者や経済人の最新レポートやエッセイを掲載している。
5)『月亮忘記了』(月は忘れた)
幾米 著 生活・読書・新知三聯書店
少年と月との交流を描いたハートフルな物語。幻想的な水彩画が美しく、夜空の月を眺めたくなる。日本では『君といたとき、いないとき』(小学館)が翻訳出版されている。
6)『従優秀到卓越』(優秀から卓越へ、原題『GOOD TO GREAT』)
ジェームズ・C・コリンズ著 兪利軍 訳 中信出版社 2002年10月初版
コリンズの研究チームは、優良企業1400社あまりの過去数10年にわたる分析を行い、業績を伸ばし続ける一流企業を選び出した。それは、ジレットやフィリップ・モリスなど11社。「優良企業から一流企業に、どうしたらなれるのか?」。彼らが導き出した答えは、「仕事をまじめに貫徹する」という最も基本的な経営哲学にあった……。難しい内容だが、グラフや表を駆使してわかりやすく説明している。企業がさらなる繁栄をめざすための必読の書!
7)『海爾是海』(ハイアールは海)
汪洋/康毅仁 著 民主与建設出版社 2002年9月初版
中国の家電メーカー最大手の海爾(ハイアール)。その最高経営責任者(CEO)である張瑞敏の経営理念をときあかす。「企業は人なり」「2.1%の欠陥は、100%の廃品」「情報時代の物流革命」「サービスと信用は企業生命」「価格より価値を大切に」「危機感こそが、未来への道を開く」……。中国企業の既成概念をうちやぶる大胆な改革に、その成功の秘訣が見えてくる。
8)『国文珍品文庫―孫子兵法』
孫武 著 吉林文史出版社
いわずとしれた春秋時代の兵法書『孫子の兵法』の文庫版だ。国林風図書センターでは、なぜか売り切れていた。コンパクトな文庫を片手に、ビジネス戦略を練る人が増えているのだろうか?
9)『听幾米唱歌』(幾米の歌を聴く)
幾米 著 生活・読書・新知三聯書店
1998~99年の連載作品(『自由時報』)を集めた。「巨人のリンゴ」「仮面の告白」「スーパー魔術師」「クリスマスの悲劇」「星を摘む」など、絵と詩のような短い文章でつづる、幾米独特のふしぎな世界が繰り広げられる。
10)『布瓜的世界』
幾米 著 遼寧教育出版社 2002年11月
「布瓜」はフランス語の“Pourquoi”(なぜ)の音訳でもある。子どものように素直な「なぜ?」を散りばめて、あらゆる答え(可能性)を探ろうとする自由な発想がおもしろい。日本でも来年、某出版社から翻訳版が出るとか。楽しみですね
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