『潜規則―中国歴史中的真実游戯』(潜んだ規則―中国歴史上の真実の遊戯)
呉思 著、雲南人民出版社、2002年2月第2版
中国で長く続いた封建時代、役人たちの間には、地位と名誉と富をほしいままにするための暗黙の“決まり”があった。それが「淘汰清官」(清廉な役人を淘汰する)であり、「皇帝と庶民はいいカモだ」という考え方である――。元新聞記者の作者が、歴史に埋もれた悪徳役人たちの行状にするどいメスを入れた異色作だ。
『小王子』(星の王子さま)
アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ作(フランス)艾柯 訳 曽銘祥 画 哈爾濱出版社
『傑克・韋爾奇自傳』(ジャック・ウェルチ自伝)
ジャック・ウェルチ/ジョン・バーン著(アメリカ) 曹彦博/孫立明/丁浩 訳 中信出版社
『魔戒』(The Lord of the Rings)
J.R.R.トールキン著(イギリス)湯定九 訳 訳林出版社 2002年2月重版
日本では『指輪物語』というタイトルで知られるこの小説。昨年末に映画「ロード・オブ・ザ・リング」が世界公開されたこともあり、中国でもその訳本が一気にベストテン入りを果たした。遠い昔、魔力を秘めた指輪をめぐり、善と悪の戦いが壮大なスケールで繰り広げられる冒険ファンタジーの超大作。北京では、4月中旬に映画が「指環王」というタイトルで公開される。
『北京:城与人』(北京:街と人)
趙園 著 北京大学出版社 2002年1月初版
北京を愛した作家・老舎の作品に見る「京味」(北京の味わい)や、生活、商業、建築、方言など各方面にわたる北京の文化を解き明かしながら、「都会と人」の関係を深く見つめた北京文化史研究書。
『東西南北人』(東西南北の人)
余秋雨など著 当代世界出版社 2001年12月初版
余秋雨の「王朝の背景」、張承志の「回民の黄土高原」、茅盾の「新疆風土の雑憶」、魯迅の「上海の少女」、周作人の「上海気」、王蒙の「蘇州賦」、郁達夫の「杭州」など、中国を代表する現代作家たちの風土記をまとめる。作家たちそれぞれの秀逸な文章と、独特な視点を味わうことができる。
『人間詞話』(世間詞話)
マルグリット・デュラス著(フランス)王道乾/南山 訳 上海訳文出版社 2002年1月重版
『情人,烏髪碧眼』(愛人/ラマン、黒髪と青い眼)
マルグリット・デュラス著(フランス)王道乾/南山 訳 上海訳文出版社 2002年1月重版
『情人』は、フランス植民地時代のインドシナを舞台に、華僑青年の愛人となって情事を重ねる、フランス人少女の心の成長過程を描く。マルグリット・デュラスの自伝的小説といわれ、同名タイトルの映画『愛人/ラマン』(1992年・英仏合作)も有名。ほかに、短編の『烏髪碧眼』を収める。
『沈黙有大多数』(沈黙にも多数ある)
王小波 著 中国青年出版社 2002年1月第6刷社
1997年に45歳の若さで他界した当代人気作家・王小波のエッセイ集。その領域は幅広く、社会倫理、文化論争、国学と新儒家、民族主義、性と生育問題、同性愛問題など多岐にわたる。「筆鋒するどく、ユーモアに満ち、洒脱で壮大な独特の思考が展開される」と本書。今年1月に6刷を数える大ベストセラーとなっており、ファンの根強い人気のほどがうかがえる。
『我的求学之路』(私の求学の路)
季羨林 著 百花文芸出版社 2002年1月初版
北京大学副学長や北京大学南アジア・東南アジア研究所所長を歴任した筆者は、文学者であり、哲学家でもある。「過ぎ去った日々は、なんと麗しく、いとおしいものか」と、本書ではその清華大学学生時代から、研究生としてドイツに留学した10年間、そして帰国するまでの日々を丹念に描いている。こうした偉人の回顧録、しかも青春メモワールが売れている、というのは天下の北京大学隣の書店だけに、ナットク(!?)できる。
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