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2002年1月  

     

 新年好! 今年もよろしくお願いします。
  さて、皆さんは今年の元旦をどのように過ごされましたか? 私は、新年初の国旗掲揚式を見ようと、夜明け前から天安門広場へと向かいました。国旗の掲揚・降納式は、その日の日の出と日の入りの時刻にあわせて、天安門広場で毎日行われています。広場には、2002年の幕開けを掲揚式から始めたいという人たちで、あふれ返っていました。
午前7時37分――。日の出とともに国歌が流れ、五星紅旗が掲揚されると、なんとも荘厳な雰囲気に。「願をかけに来ました」という北京っ子たちもいましたが、元日の国旗掲揚式は、日本でいうところの「初日の出」と「初詣」に当たるのかもしれません。いてつくような寒さの中でしたが、この日の天安門広場は、特別な熱気に包まれていたようです。

   
     

[ちょっと気になる本]

中国を知るためのとっておきの本

新年最初のこのコーナーでは、「ちょっと気になる本<特集>」と題して、中国を知るためのとっておきの本をご紹介します。

 
   
     

新華書店総店(北京市西城区阜外北礼士路135号)=以下、順不同


『精彩対聯』
李文鄭 楊燦 編 中州古籍出版社


 「対聯」(ドィリェン)とは、対になっている縁起のいい言葉のこと。また、その言葉を2枚の紙に書き分けて、玄関や壁などに左右に分けて貼ったもののことも「対聯」と呼ばれている。それは記録に残されたものだけでも、2000年あまりの歴史を数えるという。
  春節(旧正月)用の対聯は「春聯」と呼ばれて有名だが、本書では、それ以外にも、祭日用の「節日聯」、業務用の「行業聯」、住宅用の「居室聯」、婚姻や慶事の「喜慶聯」、ほかに「風景聯」「名勝聯」、海外で使われた「海外聯」などの用例を紹介。対聯が、ただ言葉を並べればいいのではなく、そこには一定の規則があり、それを守らなければ意味をなさないのだと教える
――たとえば、(1)対句の文字が同数でなければならない、(2)文法や語意をそろえなければいけない、(3)声調を整えなければいけないなど――。
  それだけに、大変な知識と経験がなければ、オリジナルは生み出せないだろうが、そんなときの心強い“見方”が本書である。紹介された対聯の数々は、すぐに使えて実用的だし、中国文化を知る手立てにもなる。悠久の歴史のなかで編み出された“言葉の真髄”対聯を、じっくり味わってみるのも一興だろう。
  さて、突然ですが、ここでクイズです。本書にも紹介された次の対聯は、上記にあげた種類のうち、なんと呼ばれる対聯でしょうか(または何に使われたものでしょうか)? 答えは最後に。(★の数が多いほど難度がアップします=独断ですが)


  1.「迎新喧爆竹 送暖到屠蘇」=★
  2.「五夜明天漢 双星会女牛」=★
  3.「警暴安良勤職務 察奸懲悪保民生」=★
  4.「江山如有待 花柳更無私」=★★
  5.「目斂大明間気 胸開興福玄門」=★★★

 

 

 

 


『中国繞口令』中国の早口ことば
呉超 編 上海文芸出版社


 早口ことば、繞口令(ラオコウリン)は、中国語を学ぶものにとっては格好の教材である。中国語の発音は複雑で、標準語だけを取ってみても「四声」と呼ばれる主に四つのイントネーションがあるため、日本人が習得するのは至難のワザといわれている。それは、日本語(標準語)のイントネーションがわりと平坦で、正しい発声をしなくても意味が通じてしまうからだが、中国語だとそうはいかない。発音をちょっと間違えただけで、「ナニ?」と中国人に嫌な顔をされるのがオチだ。ポイントは「口角筋をきたえて、正確な発音で話すこと」なのだが、ではどうすればいいか?
  本書のような「早口ことば集」を片手に、ひたすら練習することだ。本書では、タイトルの発音順(A~Z)に、1000以上もの早口ことばを紹介している。
よく知られるものでは、
  「妈妈騎馬馬慢,妈妈罵馬;妈妈騎牛牛溜,妈妈扭牛」
(マーマチーマー マーマン、マーママーマー;マーマチーニュウニュウリュウ、マーマニュウニュウ=お母さんが馬に乗ったが遅いので、馬を叱った。お母さんが牛に乗ったが逃げ出したので、牛を引いた)
があるが、これはやさしい方だろう。

 「吃葡萄,吐葡萄皮。不吃葡萄,不吐葡萄皮」
(チープウタオ、トゥプウタオピー。ブーチープウタオ、ブートゥプウタオピー=ブドウを食べて、皮をはく。ブドウを食べず、皮をはかない)

 「赤金黄金,取金做針,赤金赤針,黄金黄針」
(チージンホワンジン、チージンズオジェン、チージンチージェン、ホワンジンホワンジェン=赤金と黄金、金を取って針をつくる。赤金から赤針を、黄金から黄針を)※赤金とは純金のこと。

 「夏天白天長,冬天夜里長,夏天比冬天夜里短,冬天比夏天夜里長」
(シャーティエンバイティエンチャン、ドンティエンイエリーチャン、シャーティエンビィドンティエンイエリードゥアン、ドンティエンビィシャーティエンイエリーチャン=夏は昼が長く、冬は夜が長い、夏は冬に比べて夜が短く、冬は夏に比べて夜が長い)

 紙数の関係で、多くは紹介できないが、長いものでは数十行に上るものもある。中国最古の詩集『詩経』にも、早口ことばの影響が見られると本書。現在では、中国漫才「相声」の中でもよく使われており、早口ことばがいかに長きに渡って、人々に愛されてきたかがわかる。新年会の出し物は、これで決まり(!?)かどうかはわからないが、スラスラと言えるようになったら、その時こそは中国語の“達人”に、一歩近づいたといえるかもしれない。

 

●北京風入松書店 (北京市海淀区海淀路46号、北京大学南門東側、http://www.Forestsong.com.cn)

 


『中国徽章』中国のバッジ
蔡寧 李〓 著 百花文芸出版社


 バッジ研究家の著者二人が、中国の近現代のバッジをオールカラーで紹介する。それは、まるで博物館に足を踏み入れたような楽しさがある。
古いものでは、1933~34年当時、中央革命軍事委員会が紅軍に対して贈った星型のバッジで、紅軍の最高栄誉賞であった「一級紅星章」、また星型を赤く縁取った1937年の「紅軍十周年記念章」などがある。
40年代に入ると、毛沢東の肖像をデザインしたバッジが出始め、“文革”期には「文化革命奨章」という銅製のバッジもつくられた。最近のものでは、1996年に中国人民解放軍総政治部が授与した「優秀士兵証章」、1998年に国家体育運動委員会が授与した「体育工作貢献章」などがあり、年代を経るごとに、質がよくなり、デザインが洗練されていくのがわかる。
「一枚の徽章に、一ページの歴史が」とサブタイトルにある。バッジの“窓”から、中国の歴史をひもといてみるのも面白いだろう。

 

地球村書店(北京市西城区百万荘南街24号)

 


『北京的橋』北京の橋
王同禎 著 北京燕山出版社


 北京には、永定河、潮白河、北運河、拒馬河、〓河の5大水系があり、その河が大小30の河に分かれて、100以上もの橋梁を有するという。本書では北京に残る歴史的な橋から、現代の立体交差橋まで合わせて175の橋を紹介する。
  天安門の楼閣下にある「金水橋」、元代の創建で、その後なんども修復された「高粱橋」、頤和園の有名な大橋「十七孔橋」、マルコポーロが絶賛した「盧溝橋」、さらに現代社会を象徴する立体交差橋「天寧寺橋」に「新興橋」などなど、北京をいろどる橋の歴史や形態をあますところなく解説する。そのなかには、ふだん見過ごしていた橋や、人々に親しまれてきた橋、貴重な文化財でありながら、なおも暮らしに生きる橋がある。この本をガイドに、ぶらり北京の“橋めぐり”なんていうのも楽しいかもしれない。

 
   
     
     
     
   

[年間ベストセラー]

北京図書大廈(西単)調べ(北京市西城区西長安街17号)

     
   

『富爸爸、窮爸爸』金持ち父さん 貧乏父さん
ロバート・キヨサキ/シャロン・レクター著(アメリカ) 世界図書 18,224冊

 


『企業会計制度2001』
中華人民共和国財政部制定 経済科学 10,358冊

 


『読懂人生―珍蔵本』人生がわかる
田偉 著 中国三峡 10,019冊

 


『午夜日記』真夜中の日記
ボリス・ニコラエビッチ・エリツィン 著 曹縵西/張俊翔 訳 訳林 6,058冊

 


『麦肯錫方法』原題『The Mckinsey Way』
イーサン・M・ラジエル著(アメリカ) 華夏 5,907冊


『魔術記憶―超級記憶力訓練教程』記憶マジック―ウルトラ記憶力訓練教程
ケビン・トゥルデュー 著(アメリカ) 南海 5,708冊

 


『一生的忠告 一位外交家爸爸給孩子的信』一生の忠告、ある外交家の父から息子への手紙
チェスター・フィールド卿 著 劉樹林、崔黎麗 訳 海潮 5,401冊

 


『大敗局』
呉暁波 著 浙江人民 5,397冊

 


『曽国藩成大事的九九个方略』曽国藩が大事を成した99の方略
史林 編著 中国言実 5,196冊


 1999年7月初版、2001年3月第4刷で、すでに35,000冊が印刷されている。曽国藩は、蒋介石が師と仰いだ清代末期の名臣。毛沢東も晩年までその力を認めていた人物である。「伝統社会最後の精神偶像の成功学を解読する」と本書に。2000年時には、最も売り上げをのばした人気本だったようだ。


 

[対聯クイズの答え] ――さて、いくつ当たりましたか?

1.伝統的な「春聯」。春節の時に使われました。
2.伝統的な「節日聯」の「七夕節(祭り)」。
3.伝統的な「行業聯」の「警察局」
4.「名勝聯」の「蘇州・拙政園」
5.「海外聯」の「日本・長崎県の興福寺」

 


 

 
   
     

 

 

「中国図書情報―北京便り」も、昨年6月号から始めて、なんとか新年を迎えることができました。これも皆様が、熱心にご愛読くださったおかげです。心より感謝申し上げます。
  新年の抱負としましては、広い北京にはまだたくさんの書店がありますので、“未踏の書店”を制覇したい、いろいろなジャンルの本をもれなくご紹介していきたい――などと考えております。今後ともご愛読のほどよろしくお願いいたします。
  ご意見ご感想は、tokyo@toho-shoten.co.jp までお気軽にどうぞ。
  お待ちしております!
  それでは今年も皆様にとって、すばらしい一年でありますように……。
  祝您新年快楽、身体健康、万事如意、馬到成功!!

 

 

 

写真・文 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

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