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 台湾学術文化研究叢書  
 
     
     
 
 

「台湾学術文化研究叢書」刊行の辞(抜粋)    王徳威

 
 「台湾学術文化研究叢書」は日本、台湾、アメリカの学者の共同作業によって産み出された出版プロジェクトである。このプロジェクトは、古典から現代に到る広義での漢学研究(Chinese Studies)における成果を、幅広く日本の読者に紹介し、関心を持っていただくための試みである。取り扱う領域は文学、歴史、社会、そして思想の各分野にわたる。この種の出版物は過去にも存在したであろうが、この叢書には、三つの大きな特徴がある。
第一に、これは広義での漢学研究の紹介にとどまらず、「研究者」こそが研究課題について思考し、構築し、再考する際の重要なファクターであることを強調したものである。この叢書の執筆者たちは現在、台湾、香港、北米といった各地に散らばっているが、彼らはいずれも台湾で大学教育を終え、海外に留学したか、台湾国内で研究を続けた経験を持っている。このため、彼らは方法論についての訓練、歴史的な視点、そして自地域の人文に対する関心について、他地域で大学教育を受けた者とは異なる特色を持っている。
第二に、この叢書では「孔子と儒教」、「明代の都市生活」といった伝統的な漢学研究のテーマにとどまらず、最近の新しい課題についても取り扱っている。例えば、「中国の山水画と東アジアの絵画との影響関係」、「清末小説の研究」などである。これは、私たちが漢学研究とは前人の成果を受け継ぎ未来を開くものであり、また日々進化するものだと考えているためである。
第三に、もっとも重要なのは、私たちが「人」と「研究」が交わる場として現代台湾を位置づけていることにある。そのためこの叢書では、台湾を座標に据えた研究成果に中心を置きつつ、台湾から東アジア、更には東南アジアへとその視野を広げている。台湾のエスニックグループと世代別の変化から、満洲国での台湾人の境遇、さらには台湾画直面するグローバル化の試練に到るまで、それぞれはみな台湾の人文という要素が加わったからこそ、漢学研究の発展に独特で多元的な活力がもたらされたことを明確に示している。

 

【編集委員】
王徳威 ハーバード大学東アジア言語文明学科・比較文学科Edward C. Henderson 講座教授、台湾・中央研究院院士
黄進興 台湾・中央研究院副院長、歴史語言研究所特聘研究員、中央研究院院士
洪郁如 一橋大学大学院社会学研究科教授
黄英哲 愛知大学現代中国学部・大学院中国研究科教授

 

刊行一覧

 

 

王甫昌/松葉隼・洪郁如訳『族群 現代台湾のエスニック・イマジネーション』(既刊)
  (『当代台湾社会的族群想像』群学出版有限公司、 2003年)

張小虹/橋本恭子訳『フェイク タイワン 偽りの台湾から偽りのグローバリゼーションへ』(既刊)
  (『假全球化』聯合文学、2007年)

王徳威/神谷まり子・上原かおり訳『抑圧されたモダニティ 清末小説新論』(既刊)
  (Fin-de-siècle Splendor: Repressed Modernities of Late Qing Fiction, 1849-1911. Stanford: Stanford University Press, 1997)

李孝悌/野村鮎子ほか訳『恋恋紅塵 中国の都市、欲望と生活』(既刊)
  (『昨日到城市――近世中国的逸楽与宗教』聨経出版、2008年)

夏暁鵑/前野清太朗訳『「外国人嫁」の台湾 グローバリゼーションに向き合う女性と男性』(既刊)
  (『流離尋岸 資本国際化下的「外籍新娘」現象』《台湾社会研究》雑誌社、2002年)

黄進興/中純夫訳『孔子廟と儒教 学術と信仰 黄進興著作選集(一)』(既刊)
  (『聖賢与聖徒――歴史与宗教論文集』『優入聖域――権力、信仰与正統性』允晨文化、2001年、1994年初版・2003年2刷より編集翻訳)

黄進興/工藤卓司訳『孔子廟と帝国 国家権力と宗教 黄進興著作選集(二)』(既刊)
  (『聖賢与聖徒――歴史与宗教論文集』『優入聖域――権力、信仰与正統性』允晨文化、2001年、1994年初版・2003年2刷より編集翻訳)

許雪姫/羽田朝子・殷晴・杉本史子訳『離散と回帰 満洲国の台湾人』(既刊)
  (『離散与回帰――台湾人在台湾与「満洲国」之間』、近刊)

石守謙/木島史雄訳『移動する桃源郷 東アジア世界における山水画』
  (『移動的桃花源――東亜世界中的山水画』允晨文化、2012年)

蕭阿勤/洪郁如監訳『現実へ回帰する世代 1970年代台湾文化政治論』
  (『回帰現実――台湾1970年代的戦後世代与文化政治変遷』中央研究院社会学研究所、2008年初版、2010年2刷)

 

 
     
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離散と回帰 「満洲国」の台湾人の記録 〔既刊〕

許雪姫/羽田朝子,殷晴,杉本史子 訳
2021年06月
22109 616p ISBN:9784497221094
価格 8,800円

日本における「満洲国」の研究蓄積は、非常に充実している。ただし、その対象はほとんどが日本人についてである。戦前、日本領だった台湾からも、「王道楽土」を目指して「満洲国」へ渡った人々がいた。台湾人でありながら「日本人」でもあった彼らが何故「満洲国」へ渡ったのか、現地でどのような生活を送ったのか、そして日本の敗戦をどのようにして迎えたのか、などなど、その実態はほとんど描かれることがなかった。著者は、オーラルヒストリーの手法で満洲経験者の話を集め、様々な資料を蒐集し、それらをもとに彼らの実態を描き出す。本書は、日本近代史、台湾近代史の空白を埋める貴重な資料である。

 

孔子廟と儒教――学術と信仰 黄進興著作選集(一) 〔既刊〕

黄進興/中純夫 訳
2020年11月
00897 484p ISBN:9784497220172
価格 5,500円

『孔子廟と儒教』は、孔子の末裔たちが私的に行う孔子祭祀が、国家の祭祀系統に組み込まれていく過程や、儒家の道統に対する価値基準の変遷などを分析することにより、儒教史・儒学史の変遷を映し出す。更に、他の宗教(キリスト教・仏教・イスラム教)との比較により、儒教の宗教としての特徴を導きだしている。

   

孔子廟と帝国――国家権力と宗教 黄進興著作選集(二) 〔既刊〕

黄進興/工藤卓司 訳
2020年10月
00898 338p ISBN:9784497220189
価格 5,500円

『孔子廟と帝国』は、如何にして孔子廟が中華帝国の礼制に組み込まれていったのか―政治に取り込まれていったのか―を、孔子廟を巡る様々な歴史的事象を丹念にたどりながら論考を加える。同時に、孔子廟に従祀される者の人選自体が、その時々の時代思潮・学術観、ひいては政治思想を反映するものとしての代表的事例(荀子・朱子の扱い、嘉靖年間の改変など)を挙げて論考を加えている。付録として、太公望呂尚を祀る「武廟」についての文章を収める。文廟である孔子廟との違いを明らかにしている。

「外国人嫁」の台湾 グローバリゼーションに向き合う女性と男性 〔既刊〕

夏暁鵑/前野清太朗 訳
2018年08月
00851 420p ISBN:9784497218148
価格 4,950円

東南アジアから台湾へ毎年何千人とやってくる「外国人嫁」。著者は、台湾にあって疎外された存在である「外国人嫁」を「他者」として観察・研究するのではなく、自身の経験に照らし合わせ類似性を自覚しながら現状を分析し、中国語学習教室の設立など「外国人嫁」の自立と団結を促す活動につなげていく「実践式研究」を推進してきた。本書ではその歩みを綴るとともに、貧しい低開発国の女性と結婚できない台湾農村部の男性という「劣った者」同士が結びつき、社会問題を生み出しているとの「定説」について、行政職員へのインタビューや新聞・雑誌・テレビ番組の分析を通して検証する。さらに「外国人嫁」現象をグローバルな経済システム内の国際移動のひとつとして位置づける。

   

恋恋紅塵 中国の都市、欲望と生活 〔既刊〕

李孝悌/野村鮎子,和泉ひとみ,上原徳子,竹田治美,辜知愚,高尾有紀 訳
2018年07月
00850 552p ISBN:9784497218131
価格 5,500円

20世紀(民国期)の上海、17、18世紀(清代)の揚州、明末清初の南京など中国近世の都市で繰り広げられる社会生活のディティールを描き出す。近代上海の都市の読み物(『点石斎画報』『良友画報』)、18世紀の都市や農村で流行った情歌(『白雪遺音』『霓裳続譜』)、明清の士大夫の詩詞や戯曲、札記(『桃花扇』『燕子箋』『板橋雑記』『陶庵夢憶』「李姫伝」『池北偶談』『随園軼事』)などの細かい資料によって、本書が明示する、政治的伝統や礼教に隠れた士大夫の逸楽や宗教への信仰、庶民の情欲などの記述は、中国人の日常生活の中身を見直す際の参考となるであろう。

抑圧されたモダニティ 清末小説新論 〔既刊〕

王徳威著/神谷まり子・上原かおり訳
2017年06月
00831 528p ISBN:9784497217103
価格 5,500円

従来、中国文学史において「近代(モダン)」の起点は魯迅を代表とする、伝統批判と文学革命を旗印に西洋写実主義を旨とした「五四」新文学に置かれてきた。一方、清末小説(本書では19世紀半ばから1911年までの世紀末文学を指す)は、創作だけでも七千種以上が出版されながらも、梁啓超らの提唱した「新小説」を除いて文学史においてはほとんど顧みられることのない、「排除/抑圧」されたジャンルであった。本書ではこの時期の小説を、西洋との出会いのなかで伝統/モダニティが互いに拮抗し、複雑かつ豊かな「多層性のモダニティ」を見せた特異なジャンルとして評価する。具体的には、花柳小説、俠義公案小説(武侠・裁判もの)、暴露小説(社会風刺もの)、科学幻想小説(サイエンス・ファンタジー)および二〇世紀末の中国語小説を再読し、バフチン、フーコー、ギアーツらの諸理論を用いてその「抑圧されたモダニティ」を論じることで、中国のポストモダニティについて再考を行うものである。著者は現代文学理論を用いながら独自の視点で中国語圏文学を読み解く、今日を代表する研究者の一人であり、その代表作という意味でも本書は重要な著作であると言える。また、上述のように清末小説についての研究は国内外でも少なく、本書は日本においてほとんど専著のない分野の研究書であるため、中国文学研究または東アジアのモダニズム研究の分野において必読書であると思われる。

   

フェイク タイワン 偽りの台湾から偽りのグローバリゼーションへ 〔既刊〕

張小虹/橋本恭子 訳
2017年05月
00829 304p ISBN:9784497217080
価格 3,300円

グローバルな環境で製作され、グローバルにヒットした映画『グリーン・デスティニー』は「偽中国語映画」か? 真正品と奇妙な共依存関係にある偽ブランド品は悪なのか? 「国民服」があらわにする植民地の記憶と偽りの伝統とは? 「真の台湾人」は存在するのか? 絶対的な「真」と、非難・排除すべき「偽」という二項対立の外にある「偽」の可能性を様々なレトリックを駆使して考察。凝り固まった常識を揺るがす思考のダンスには複雑な「今」を読み解くヒントが詰まっている。沼崎一郎氏による解説も必読である。

族群 現代台湾のエスニック・イマジネーション 〔既刊〕

王甫昌著/洪郁如・松葉隼訳
2014年11月
00787 192p ISBN:9784497214171
価格 2,750円

現代台湾社会における「族群(エスニック・グループ)」という概念は、「民主化」や「台湾化」にどのような影響を与えたのだろうか。「原住民族⇔漢族」「外省人⇔本省人」「閩南人⇔客家人」などの関係性を明確に論じた概説書。

●編著者のことば
本書を構想するきっかけとなったのは、台湾の族群の起源と関係を分析することで(とくに四大族群区分による各種の族群論)、台湾族群現象が抱える様々な誤解を解きほぐしたいという考えであった。(「日本語版への序文」より)

 

   
   
 
     
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