このコラムでもたびたび取り上げている中国の芸術家、艾未未氏が6月22日、北京市の公安当局から保釈された。艾氏はその後、「保釈中は取材には応じられない」とし、ツイッター(アカウントは@aiww)やブログなどでも一切、発言していない。艾氏と当局の間にどのような取引があったのか、全く謎だが、保釈は中国国内や国際世論に一定程度配慮したものであることは間違いない。
艾氏が沈黙を守り続けているだけに、拘束前に残した様々な活動に注目する必要があるだろう。その中で筆者が注目したのは、前々回も取り上げた「五毛党」とのインタビューだ。
そのコラムでも取り上げたが、艾氏はジャスミン革命などでネット上で様々な妨害行為を繰り返す五毛党に対して、「君たちの話を聞かせてほしい」と呼び掛けたところ、1人が取材に応じたのだ。ネットには艾未未氏拘束から1カ月後の5月初めに公開され、筆者が先日中国に行ったときにも話題となった。内容の具体性からみて、インタビューは本物とみて間違いないだろうと判断し、今回、その主要部分を翻訳した。
大変長文ではあるが、何よりもお抱えネットユーザーたちが、どのような形でネット世論の撹乱、誘導をしているのかを知ることができる貴重な資料と言える。
インタビューが行われたのは3月22日、ちょうどジャスミン革命の呼び掛けがネットで相次いでいた頃である。
取材に応じたのは26歳の男性W氏、実名は明かしていないが上海在住という。取材は書面と電話で行われた。
|