1.『看見』(見る)
柴静・著 広西師範大学出版社 2012年12月初版
中国中央テレビ(CCTV)の女性記者で人気キャスターの柴静さんが、CCTVでの報道生活10年の軌跡をつづる。
それはまた中国社会変遷の備忘録でもあるという。自らが司会を務めるドキュメンタリー番組「看見」を通して直面した新型肺炎SARS、四川大地震、北京五輪、華南トラ写真偽造……といった重大事件や、強制立ち退き、家庭内暴力、動物虐待などのシリアスな社会問題が記録される。
「いかに国家を報道するかは、いかに自分を伝えるか」。著者はそう、報道責任の重さを語る。
2.『正能量』(原題『Rip It Up: The Radically New Approach to Changing Your Life』)
リチャード・ワイズマン著(英)/李磊・訳 湖南文芸出版社 2012年7月初版
3.『蛙』
莫言・著 作家出版社 2012年10月版
4.『好媽媽勝過好老師』(よい母はよい教師に勝る)
尹建莉・著 作家出版社
5.『豊乳肥臀』
莫言・著 作家出版社 2012年10月版
6.『你若安好 便是晴天:林徽因伝』(あなたが無事なら晴天に:林徽因伝)
白落梅・著 中国華僑出版社 2011年9月初版
7.『旧制度与大革命』
アレクシ・ド・トクヴィル著(仏)/馮棠・訳 商務印書館 2012年8月初版
著者のアレクシ・ド・トクヴィル(1805-1859)はフランスの政治思想家。原著は1856年に出版されたフランス革命(18世紀にフランスで起きた市民革命)の研究書で、中国語訳書には、「フランス革命を理解する必読書」だとある。
著者は「なぜフランス人は先に革命を、後に自由を求めるのか?」「なぜ繁栄がかえって大革命の到来を加速させるのか?」といった疑問を呈する。
中国では習近平指導部の重鎮“チャイナセブン”(中国共産党中央政治局常務委員7人)の李克強氏と王岐山氏が愛読し、周囲に薦めているといわれる。革命前夜のフランスの“破滅的”な状況が「今の中国によく似ている」と指導部がこれをテキスト代わりにしているらしい。
日本では『旧体制と大革命』(ちくま学芸文庫)として、1998年に翻訳出版されている。
8.『蛙』
莫言・著 上海文芸出版社 2012年10月版
9.『誰的青春不迷茫』(迷わない青春はない)
劉同・著 中信出版社 2012年12月初版
著者は湖南師範大学を卒業し、メディア業に従事して10年の青年だが、もとはといえば「北漂」(ベイピィアオ)だった。北漂とは、夢をかなえるため首都北京に上京し、奮闘する若者たちのこと。著者の場合は文章で身を立てたかったが「北京は大きすぎ(自分の)学識には限りがあった」。「生まれつき貧しくて性格は卑しいが、自らの境遇を恨んだことは一度もない」とキッパリ。
「以前は仕事のために奔走する都市の旅人だった。のちに生活のために奔走する職場の達人といわれるようになった。現在は君と同じように、まだ道の途上にいる」
率直にありのままをつづった「北漂記録」が、悩める青年たち、とくに地方から都会に出て頑張る若者たちの“青春指南”となっている。
10.『自控力』(自制力)
ケリー・マクゴニガル著(米)/王岑卉・訳 印刷工業出版社 2012年8月初版
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