1.『白鹿原』
陳忠実・著 北京十月文芸出版社 2011年9月初版
中国の代表的な文学賞である「茅盾文学賞」の第4回(1997年、89~94年作品)受賞作の再版。今年9月、これを原作とした王全安監督の同名タイトル映画が中国国内で公開され、再び脚光を集めている。
清代末期から中華人民共和国建国の約半世紀にわたり、内陸の陝西省関中平原の“仁義村”と呼ばれる白鹿村を舞台に、白氏と鹿氏の両家三代をめぐる恩讐のもつれを描く。
これまでにも多数、舞台化されている。
2.『你若安好 便是晴天:林徽因伝』(あなたが無事なら晴天に:林徽因伝)
白落梅・著 中国華僑出版社 2011年9月初版
3.『因為痛,所以叫青春』(痛いから青春という)
キム・ナンド著(韓)/金勇・訳 広西科学技術出版社 2012年2月初版
4.『百年孤独』(百年の孤独)
G.ガルシア=マルケス著(コロンビア)/范曄・訳 南海出版公司 2011年6月初版
5.『藏海花』
南派三叔・著 北京聯合出版公司 2012年8月初版
中国の大ヒット冒険ミステリー『盗墓筆記』の作者による同作の「前伝」。主人公・呉邪たちの仲間であり、謎の人物である、張起霊(ニックネーム・悶油瓶)の幼年時代の秘密を探る。悶油瓶のノートになぜかメモされた「世界の極限」というチベットの雪山に、呉邪と仲間の胖子(太っちょ)が謎解きのために分け入っていく。
6.『王立群読《宋史》之宋太祖』(全2冊)
王立群・著 大象出版社 2012年9月初版
中国の有名な歴史学者・王立群氏による中国中央テレビ(CCTV)の人気レクチャー番組「百家講壇」の講座をまとめた。
知られざる宋の太祖・趙匡胤(ちょう・きょういん)と、北宋の開国前後の雄壮な歴史絵巻を解説する。趙匡胤が後周のまだ幼い恭帝を廃して即位した「陳橋の変」、国軍の上級将校たちの年金を保証するかわりに兵権を放棄するよう求めた「杯酒釈兵権」など、宋王朝300年の繁栄のもとになった数々のエピソードの真相を明かす。
王立群氏は、ベストセラーの『大風歌:王立群講高祖劉邦』など著書多数。
7.『這些都是你給我的愛Ⅱ 雲治』(みんな君がくれた愛Ⅱ)
安東尼・著/echo・絵 長江文芸出版社 2012年8月初版
8.『遇見未知的自己』(未知の自分に出会う)
張徳芬・著 華夏出版社 2008年1月初版
9.『請叫我女王』(どうぞ私を女王と呼んで)
葉藍・著 長江文芸出版社 2012年9月初版
重慶生まれ、香港在住の投資家でもある女性作家、葉藍の異色の金融恋愛小説だ。
幼いころに両親に先立たれ、異母妹からはいやがらせを受けるヒロイン・連翹。だが持ち前の英知と積極性で困難を乗り越えていき、やがて香港プライベートバンクのシニアアカウントマネージャーになる。
華やかなセレブリティの世界に身を置くが、海外留学から帰国したイケメン男性や成功したビジネスマンらが言い寄っても、彼女のハートを射ることはできなかった。それは彼女が、自分は金融界の“女王”であり、自分自身の“女王”であるという信念を持っていたから。「内面の強さがあってこそ真の女王。従いたいなら、どうぞ私を女王と呼んで」と彼女はいう。
自分の弱さも強さも知る新スタイルのヒロインの誕生。本書を原作とした同名テレビドラマも現在、プランニングされている。
10.『独自上場』
李娜・著 中信出版社 2012年8月初版
中国を代表する女子プロテニス選手・李娜の初の自叙伝。
1982年中国湖北省武漢市生まれ。2011年全仏オープン女子シングルスで優勝し、世界4大大会での優勝はアジア人としては初の快挙となった。自己最高ランキングはシングルス4位。
サバサバした性格で「テニスは国のためにではなく、自分のためにしている」という率直な発言が物議を醸したこともある。夫の姜山氏はテニスの元中国代表で、現在は李娜のコーチを務めている。
自伝では、そんな彼女が30年の歴程を語る。全仏の優勝者として、また1人の女性として、彼女はつねに100%の努力をしてきた。
「私には天性があり、個性があり、(そして)本当の自分になる」「コートは私の殿堂。それは自分との戦い。私は必ず勝たなければならない」と李娜。姜山氏が「彼女のまじめで勤勉な一面も知ってほしい」などと序文を寄せる。テニスファン待望の1冊だ。
|