中国・本の情報館~東方書店~
サイト内検索
カートを見る
ログイン ヘルプ お問い合わせ
トップページ 輸入書 国内書 輸入雑誌  
本を探す 検索 ≫詳細検索
東方書店楽天市場店「東方書店plus」
楽天市場店 東方書店plus
 
各種SNS
X東方書店東方書店
X東京店東京店
X楽天市場店楽天市場店
Instagram東方書店東方書店
Facebook東京店東京店
 
Knowledge Worker
個人向け電子書籍販売
 
BOOK TOWN じんぼう
神保町の書店在庫を横断検索
 
日本ビジネス中国語学会
 
北京便り
上海便り
ネット用語から読み解く中国
 
bei_title  
 
 
 
   
2012年02月

 iPadと携帯で人気の中国雑誌TOP10は?

   
   

中国でも人気のiPad中国のインターネット利用者は2011年末で5億1300万人を数え、普及率が38.3%に、また携帯電話でのネット利用者は3億5600万人にそれぞれ達したという(新華社通信・電子版1月16日付)。
北京の地下鉄などでも、スマートフォン(多機能型携帯電話)や電子書籍リーダーで読書をする若者の姿をよく見かけるようになったが、デジタル世代の彼らが好む内容は?雑誌では何を読んでいるのだろう……。

そんな興味深いモバイル利用の「電子マガジンTOP10」がこのほど中国で発表された。モバイル利用の人気雑誌ランキングが公開されたのは、大陸ではおそらく初めて。
それによると、米アップル社のタブレット端末「iPad」(アイパッド)を通じてよく読まれる雑誌は、中国で人気の写真専門誌『大衆撮影』や映画誌『電影世界』といったビジュアル系が強いこと、携帯電話では各種の短編小説をまとめた『民間故事選刊』などの読み物が上位を占めたことが明らかになった――。

   
 

■iPad利用の電子マガジンTOP10

このほど発表された「期刊網絡伝播排行榜」(雑誌ネット普及ランキング)は、中国のメディア研究機関である中国新聞出版研究院と、電子書籍プラットフォーム大手の龍源数字伝媒集団・龍源期刊網の共催によるもの(中国新聞出版網/報、2012年1月17日付)。

中国の3大通信キャリア(中国移動=チャイナモバイル、中国聯通=チャイナユニコム、中国電信=チャイナテレコム)とアップルストアによる最新データなどをもとに、iPadと携帯で人気の電子マガジンをランキングした。
それによると、「iPad閲覧TOP10」は以下の通りだった(内容は筆者まとめ)。

iPad閲覧TOP10 (2011年2月21日~10月9日)
     雑 誌 ダウンロード数  内 容
『大衆撮影』 65,366 1958年創刊。中国撮影家協会主宰、大衆撮影雑誌社刊。プロ・アマ向けの写真専門月刊誌で、写真専門誌では月間数十万部と中国で最多発行部数。
『電影世界』 30,015 1958年創刊。長影集団主宰、電影世界雑誌社刊。中国と欧米の最新作品を中心に、映画情報を満載した月刊誌。

『瘋狂英語』 20,409 江西出版集団主管、江西教育出版社主宰の月刊英語学習誌。前身の『英語輔導』は1980年に創刊され、広東認真企業との協力を経て2006年に『瘋狂英語』に改名。CD+MP3を用いた学習法などで、発行部数は月40万部と英語誌の中でもトップ級。

『西藏人文地理』    17,833 2004年創刊。チベットの歴史、文化、民俗、風情などを約100枚に上る美しいカラー写真とともに伝える隔月刊。ラサと北京に編集部を持つ。

『汽車雑誌』 12,320 1980年創刊。中国の自動車情報月刊誌のパイオニア。最大発行部数は56万部超。

『三聯生活週刊』 11,280 中国の『TIME』といわれるニュース週刊誌。内容は時事、社会、経済、文化、人物、評論と幅広い。生活・読書・新知三聯書店の主宰・編集発行。

『看天下』 11,034 総合ニュース旬刊誌。世界の中国語ニュース誌のうち最多発行部数(約60万部/回)を記録したことも(米BPA認証)。時事・経済から社会、科学、文化、ファッション、エンタメと内容も豊富。

『中欧商業評論』 10,515 国際的ビジネスリーダー向けの企業管理月刊誌。

『中外管理』 10,482 1991年創刊。中国の企業管理専門月刊誌。

10

『IT時代週刊』 10,179 2001年創刊。IT産業に関する総合情報週刊誌。

iPadが中国大陸に上陸したのは2010年9月。11年5月には大陸で、新型の第2代「iPad2」が販売された。それに合わせて中国の電子書籍プラットフォームも11年初めから続々とiPad向け配信事業をスタートしている。

iPadの中国での普及率は、コピー機も出回るため定かではないが、香港では6人に1台(17%)と世界一の普及率を誇るというデータもある(世界の平均普及率は3%、『華西都市報』2011年7月30日付)。
中国の若者のアップル社製品好きは、例えば同社の新型スマートフォン「iPhone4S」の発売日となった今年1月13日、北京市三里屯のアップルストア前に大勢のファンや“黄牛党”(転売目的のダフ屋)が徹夜で並び、小競り合いまで起きて「安全上の理由で」アップル社が急きょ販売を中止したニュースからも窺える。時代のトレンドが数千元と、高価であるが踏ん張れば手の届く範囲で求められ、しかも若い世代のステータスシンボルになるからだろう。
先日は、上海市の小学校の授業で、教科書やノートに代わるiPadをテスト導入したという報道もあり、iPadが今後、中国で急速に普及することも予想される。

今回の雑誌ネット普及ランキングの主催者でもある「龍源期刊網」は1998年に開設された電子マガジン・プラットフォームで、登録利用者はすでに500万人を突破。同プラットフォームは、国内発行を中心とした雑誌およそ3000種の十数年分のデータを扱い、11年にはiPad向け配信事業に参入した。
※ 龍源期刊網 http://www.qikan.com.cn/

iPadで1位の『大衆撮影』と携帯電話で2位の『知音』こうした背景のもと、公表された11年の「iPad閲覧TOP10」を見ると、1位の『大衆撮影』、2位の『電影世界』をはじめ、4位のチベット写真雑誌『西藏人文地理』、5位の自動車情報誌『汽車雑誌』と、ビジュアル系が4誌もトップテン入りしたことがわかる。
なかでも『大衆撮影』はダウンロード数が6万5000回超で、ダントツ1位に輝いた。

中国メディアはこれに対し、「いずれも視覚効果の高い写真雑誌。ビジュアル系はiPadの雑誌読者を引きつける重要なセールスポイントで、それは時として本文よりも(読者獲得に)効果的だ」(中国新聞出版網/報)と分析している。
iPadの鮮明な画像と、ほぼA5サイズと大きめの画面は、ビジュアル系雑誌の閲覧により向いているということだろう。
 

■携帯利用の電子マガジンTOP10

次に、電子マガジンの「携帯電話 閲覧TOP10」は以下の通り。

携帯電話閲覧TOP10 (2011年)
     雑 誌 アクセス数  内 容
『民間故事選刊』 2,490,057 1984年創刊の月刊誌。国内外の読み物(事件やサスペンス、ユーモア小説など)の精選集。河北省文学芸術界連合会主宰。
『知音』 1,975,150 1985年創刊。月刊、旬刊、半月刊、週刊と各種ある。中国の事件やスキャンダル、恋愛、人情ものなどの実話をまとめる。2003年には月間発行部数が計450万部を突破した。

『微型小説選刊』 1,561,986 1984年創刊の中国初の短編小説精選集。半月刊。2002年の月間発行部数は70万部。近年はユーモア、ファンタジー、学園ものなど想像性豊かな新作品を募集する活動も。大学入試の満点作文の分析が掲載されるため、中高生読者も多い。

『読者』    1,324,346 1981年創刊の総合ダイジェスト半月刊。2006年4月には月間発行部数が計1003万部を記録。2010年までの10年間、中国の雑誌月間発行部数のトップを維持した。内容は人物、社会、人生、生活、芸術などの読み物で多岐にわたる。

『家庭百事通』 1,279,446 1999年創刊の生活総合月刊誌。

『男生女生(金版)』 1,113,339 2001年創刊の青少年向け推理、サスペンス、ホラー小説月刊誌。新青年期刊出版総社主宰・刊。

『恋愛婚姻家庭』 649,969 1987年創刊。安徽省婦女連合会主宰。月の前半、後半、月末の各版がある月刊誌。恋愛、結婚、家庭、文化、生活などがテーマの読み物が満載。

『中外故事』 589,638 1984年創刊の半月刊。古今東西の通俗的読み物集。

『做人与処世』 474,089 1996年創刊の半月刊。青少年向けに人生の意義や成功、美徳について教える道徳雑誌。

10

『故事林』 351,669 福建省民間文芸家協会主宰の半月刊。「都市農村新伝説」「出稼ぎ労働者の行進曲」「学生故事天地」「社会写実故事」などの読み物からなる。

中国でチャイナモバイルを通じた電子書籍の利用者は、2011年10月末時点で月間1000万人を突破。チャイナテレコムの電子書籍プラットプラットフォーム「天翼閲読」の登録利用者は、現時点で3000万人超といわれる。
※ 中国電信天翼閲読 http://read.189.cn/

そうしたなか、11年の携帯利用の電子マガジン閲覧TOP10を見ると、約250万アクセスを数えて首位の『民間故事選刊』から10位の『故事林』まで、いずれも小説や実話などの読み物が中心の雑誌であることがわかる。
しかも『知音』『読者』『恋愛婚姻家庭』の3誌は、恋愛や家庭問題を扱った通俗雑誌だ。

昔ながらの雑誌販売スタンドも健在結果について前述の中国新聞出版網/報は、「人気の携帯マガジンの特徴は“故事”(物語)と“情感”(人情、恋愛)ものだった。こうした通俗的コンテンツが好まれるのは、携帯が持ち運びに便利で、なおかつプライバシー性が高いからだ」と指摘。
さらにモバイル利用の雑誌人気ランキングについては、「iPad利用者は、比較的高収入でハイクオリティーライフを享受し、iPadでもビジュアル系の閲覧を好む。一方の携帯利用者はより大衆的な一群で、通俗的な読み物を好むことがわかった。こうした特徴をとらえて新興メディア、モバイルの電子書籍マーケットを発展させなければならない」などと述べている。

ちなみに、公式の中国雑誌ランキングは明らかではないが、ネットユーザーが投票する民間の人気ランキングを見ると、前掲の『読者』『三聯生活週刊』『知音』がトップテン入りしていることがわかる。
※ 天天排行網 「中国読者最喜愛的暢銷雑誌排行榜」
http://www.ttpaihang.com/vote/rank.php?voteid=51 

iPadや携帯の普及につれて、電子マガジンのランキングがどう変化するか。中国出版各社のモバイル向けコンテンツの質も問われる時代になるだろう。
 

 
   
   
bestsellere
総合
 

★『新京報』図書ベスト
(北京図書大廈、王府井書店、中関村図書大廈、三聯書店など、市内主要書店やネット書店のデータから統計)
2012年1月13日~1月19日

     
第2位:『那些年,我們一起追的女孩』

第5位:『民国的角落』

第6位:『喜羊羊与灰太狼4 開心闖龍年 電影連環画』
                                         第8位:『一個総裁的微思考』

第9位:『南都』

第10位:『窓辺的小豆豆』
 

1.『青春』
韓寒・著 湖南人民出版社 2011年9月初


2.『那些年,我們一起追的女孩』(あの頃、君を追いかけた)
九把刀・著 現代出版社 2012年1月初


台湾作家、九把刀(キデンズ)が2007年に出版した自伝的小説の大陸簡体字版。
この小説を原作に作家自らが監督した同名タイトル映画(台湾、2011年)が、今年の正月映画として大陸で封切られたことから話題になった。同映画は、日本では昨年の「第24回東京国際映画祭」(アジアの風部門)で上映された。
台湾中西部の彰化を舞台に、優秀な美少女で人気者の沈佳儀(シェン)に片思いする主人公の柯景騰(コートン)ら、高校生男女が繰り広げる甘酸っぱい青春ラブストーリー。 


3.『史蒂夫・喬布斯伝』(スティーブ・ジョブズ)
ウォルター・アイザックソン(米)著/管延圻など訳 中信出版社 2011年10月初


4.『小時代3.0:刺金時代』(TINY TIMES)
郭敬明・著 長江文芸出版社 2011年12月初版


5.『民国的角落』(民国の片隅)
張鳴・著 紅旗出版社 2011年9月初版


著者は、政治学博士で中国人民大学政治学部教授。これまでに『郷土心路八十年』といった学術著作や、『歴史的底稿』などの歴史文化エッセイがある。
中国の歴史家は正史を重視し、野史(民間で書かれた通俗的な歴史書)を軽視してきたが、著者は正史と野史のそれぞれから“いいとこ取り”をし、史料は正史、視点は野史によるという新しいタイプの通俗歴史読み物を本書で確立。
「2人の日記の五四運動」「軍閥間の戦争」「長衫(長い中国服)を着た軍人」「民主の下降線を進んだ民国政府」「袁世凱の“選挙”」「選挙と美女経済」などの項からなり、編者は「民国人を自由に描き、大歴史をウワサした」と推薦の言葉を寄せる。 


6.『喜羊羊与灰太狼4 開心闖龍年 電影連環画』
広州原創動力文化伝播有限公司・編 人民郵電出版社 2012年1月初


中国の子どもたちに大人気のアニメと漫画の「シーヤンヤンとホイタイラン(灰色狼)」。
本書は、今年1月12日に中国全土で封切られたシリーズ第4弾の劇場版アニメ映画「開心闖龍年」(楽しく辰年に入る)の原画コミック版。
龍の子どもが子羊や狼たちにカンフーや知恵を伝授し、巨大な敵のロボット龍と戦いを繰り広げる。 


7.『不一様的卡梅拉』(異なるカメラ)
Chrisian Jolibois作/Christian Heinrich絵 二十一世紀出版社 2006年10月初版


8.『一個総裁的微思考』(総裁のマイクロ思考)
金浩・編著 黄山書社 2012年1月初版


出版界の“微博”(マイクロブログ)の第一人者、90万人のファン(フォロワー)を持つ安徽出版集団の王亜非総裁の微博でのつぶやきをまとめた。その伝奇的な人生や社会、企業管理、社員養成などに関するつぶやき1000本余りが収められ、職場入門の「宝物箱」、生き生きとした「ドキュメンタリー」、文化産業改革の「白書」であるといわれる。

つぶやき抜粋――「運がいい人は、しばしば3つの特徴を備えている。1に外向的、2に気楽さ、3に開放的。そのため友人が多く、交流が多く、情報が多く、接する新しいことや新しい観念も多い。チャンスや学びが多く、巡り合いや成功も多い。仕事ができて、もつれ込まず、機会をつかんで達成することができるのだ」
「アメリカの健康雑誌『Prevention』によれば、大脳には時間のリズムがあり、7-9時は感情タイム、9-11時は創造力タイム、11-14時は困難克服タイム、14-15時は娯楽タイム、15-18時は協力タイム、18-20時は自己タイム、20-22時はリラックスタイム、22時以降は睡眠タイムだという」
「エベレストの登山家に人が聞いた。成功とは? すると彼は、安全に下山してこその成功だといった。生死の試練を経た人だけがわかる言葉だ。……登頂と下山ができてこそ完全な成功であり、安全に下山することは成功のしるしである」 


9.『南音(上下)』
笛安・著 長江文芸出版社 2012年1月初版


イケメンの「80後」(1980年代生まれ)作家、郭敬明が編集長の文芸誌『最小説』に2011年2月から10月まで連載され、今年1月に上下巻として出版された。
笛安も80後の人気女性作家で、本書は『西決』『東霓』に続く「龍城」シリーズ3部作の最終章。
東霓、西決、南音、北北という鄭家の男女4人を主人公に、古都・龍城の家族2代にわたる愛と確執の物語。
複雑な家族関係を描いた同シリーズの連載は、ライトノベルが中心の『最小説』では実験的なものとなったが、郭敬明が予想する以上に「爆発的な」人気を博したという。 


10.『窓辺的小豆豆』(窓ぎわのトットちゃん)
黒柳徹子・著(日)/趙玉皎・訳 南海出版公司 2011年1月初版


女優でタレントの黒柳徹子さんが、のびのびと成長した子ども時代やユニークな校風で知られた小学校「トモエ学園」を描き、日本で戦後最大のベストセラーになったとされる自伝エッセイ。
中国では初版が2003年1月、南海出版公司刊。黒柳さんがユニセフ親善大使として活躍していることも中国の教育熱心な親たちの関心を引き、大ロングセラーに。
2011年1月、南海出版公司の新版(第2版)が出版され、ここへきて改めてベストセラーとなっている。 


 
     

 

 

文・写真 小林さゆり
日本の各種メディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中。
著書に『物語北京』(五洲伝播出版社)
訳書に『これが日本人だ!』(バジリコ)

 

  Blog: http://pekin-media.jugem.jp/
   
  b_u_yajirusi
 
 
     
   
中国・本の情報館~東方書店 東方書店トップページへ
会社案内 - ご注文の方法 - ユーザ規約 - 個人情報について - 著作権について