1.『青春』
韓寒・著 湖南人民出版社 2011年9月初版
2.『那些年,我們一起追的女孩』(あの頃、君を追いかけた)
九把刀・著 現代出版社 2012年1月初版
台湾作家、九把刀(キデンズ)が2007年に出版した自伝的小説の大陸簡体字版。
この小説を原作に作家自らが監督した同名タイトル映画(台湾、2011年)が、今年の正月映画として大陸で封切られたことから話題になった。同映画は、日本では昨年の「第24回東京国際映画祭」(アジアの風部門)で上映された。
台湾中西部の彰化を舞台に、優秀な美少女で人気者の沈佳儀(シェン)に片思いする主人公の柯景騰(コートン)ら、高校生男女が繰り広げる甘酸っぱい青春ラブストーリー。
3.『史蒂夫・喬布斯伝』(スティーブ・ジョブズ)
ウォルター・アイザックソン(米)著/管延圻など訳 中信出版社 2011年10月初版
4.『小時代3.0:刺金時代』(TINY TIMES)
郭敬明・著 長江文芸出版社 2011年12月初版
5.『民国的角落』(民国の片隅)
張鳴・著 紅旗出版社 2011年9月初版
著者は、政治学博士で中国人民大学政治学部教授。これまでに『郷土心路八十年』といった学術著作や、『歴史的底稿』などの歴史文化エッセイがある。
中国の歴史家は正史を重視し、野史(民間で書かれた通俗的な歴史書)を軽視してきたが、著者は正史と野史のそれぞれから“いいとこ取り”をし、史料は正史、視点は野史によるという新しいタイプの通俗歴史読み物を本書で確立。
「2人の日記の五四運動」「軍閥間の戦争」「長衫(長い中国服)を着た軍人」「民主の下降線を進んだ民国政府」「袁世凱の“選挙”」「選挙と美女経済」などの項からなり、編者は「民国人を自由に描き、大歴史をウワサした」と推薦の言葉を寄せる。
6.『喜羊羊与灰太狼4 開心闖龍年 電影連環画』
広州原創動力文化伝播有限公司・編 人民郵電出版社 2012年1月初版
中国の子どもたちに大人気のアニメと漫画の「シーヤンヤンとホイタイラン(灰色狼)」。
本書は、今年1月12日に中国全土で封切られたシリーズ第4弾の劇場版アニメ映画「開心闖龍年」(楽しく辰年に入る)の原画コミック版。
龍の子どもが子羊や狼たちにカンフーや知恵を伝授し、巨大な敵のロボット龍と戦いを繰り広げる。
7.『不一様的卡梅拉』(異なるカメラ)
Chrisian Jolibois作/Christian Heinrich絵 二十一世紀出版社 2006年10月初版
8.『一個総裁的微思考』(総裁のマイクロ思考)
金浩・編著 黄山書社 2012年1月初版
出版界の“微博”(マイクロブログ)の第一人者、90万人のファン(フォロワー)を持つ安徽出版集団の王亜非総裁の微博でのつぶやきをまとめた。その伝奇的な人生や社会、企業管理、社員養成などに関するつぶやき1000本余りが収められ、職場入門の「宝物箱」、生き生きとした「ドキュメンタリー」、文化産業改革の「白書」であるといわれる。
つぶやき抜粋――「運がいい人は、しばしば3つの特徴を備えている。1に外向的、2に気楽さ、3に開放的。そのため友人が多く、交流が多く、情報が多く、接する新しいことや新しい観念も多い。チャンスや学びが多く、巡り合いや成功も多い。仕事ができて、もつれ込まず、機会をつかんで達成することができるのだ」
「アメリカの健康雑誌『Prevention』によれば、大脳には時間のリズムがあり、7-9時は感情タイム、9-11時は創造力タイム、11-14時は困難克服タイム、14-15時は娯楽タイム、15-18時は協力タイム、18-20時は自己タイム、20-22時はリラックスタイム、22時以降は睡眠タイムだという」
「エベレストの登山家に人が聞いた。成功とは? すると彼は、安全に下山してこその成功だといった。生死の試練を経た人だけがわかる言葉だ。……登頂と下山ができてこそ完全な成功であり、安全に下山することは成功のしるしである」
9.『南音(上下)』
笛安・著 長江文芸出版社 2012年1月初版
イケメンの「80後」(1980年代生まれ)作家、郭敬明が編集長の文芸誌『最小説』に2011年2月から10月まで連載され、今年1月に上下巻として出版された。
笛安も80後の人気女性作家で、本書は『西決』『東霓』に続く「龍城」シリーズ3部作の最終章。
東霓、西決、南音、北北という鄭家の男女4人を主人公に、古都・龍城の家族2代にわたる愛と確執の物語。
複雑な家族関係を描いた同シリーズの連載は、ライトノベルが中心の『最小説』では実験的なものとなったが、郭敬明が予想する以上に「爆発的な」人気を博したという。
10.『窓辺的小豆豆』(窓ぎわのトットちゃん)
黒柳徹子・著(日)/趙玉皎・訳 南海出版公司 2011年1月初版
女優でタレントの黒柳徹子さんが、のびのびと成長した子ども時代やユニークな校風で知られた小学校「トモエ学園」を描き、日本で戦後最大のベストセラーになったとされる自伝エッセイ。
中国では初版が2003年1月、南海出版公司刊。黒柳さんがユニセフ親善大使として活躍していることも中国の教育熱心な親たちの関心を引き、大ロングセラーに。
2011年1月、南海出版公司の新版(第2版)が出版され、ここへきて改めてベストセラーとなっている。
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