新版 すぐ使える! トラベル台湾語
近藤綾著
四六判200ページ
価格2,420円
2025年3月刊
978-4-497-22502-3
台湾語は台湾華語とは違います。
たとえば次のフレーズはどんな意味でしょうか?(73ページ)
上から教会ローマ字、台湾語漢字、矢印式声調記号、カタカナの順に並んでいます。
台湾語の語彙の20%程は漢字由来ではないため、そうした語彙には多種多様な当て字が存在します。また近年では、台湾語を華語の漢字であてる「華星文」的表現(ex:「ta̍k-ke hó(逐家好)」に「打給厚」とあてる)も多く見られます(22ページより)。
したがって、台湾語はローマ字表記が中心となります。ローマ字表記法も複数種類がありますが、本書では「教会ローマ字」を採用しています(ローマ字表記法についてはiiiページ、32ページをご参照ください)。
さて、ローマ字には声調記号がついています。台湾語の声調は7つです。
(2ページより)
この声調が曲者。文章の意味の切れ目や、文末にくる音節(文末が軽声ならその前の音節)以外はすべて転調します。ただし書く時は元の声調(本調)のままです。
(12ページ)
また、助詞などだけでなく、人称代名詞も文末にあるときは軽声になります。
たとえば「ありがとう」(“汝”は「あなた」)は、
(34ページ)
表記上は 1声―7声―2声 ですが、発音は 7声―7声―軽声 になります。
この時点でかなり挫折の予感が漂いますが……
3段目の「近藤式矢印声調記号」をごらんください。実際の声調に合わせて 7声―7声―軽声 になっているのです!
(13ページ)
ちなみに下記例文の場合はともに文中にあるため、“謝”7→3、“汝”2→1の通常の転調です。
(170ページ)
「台湾語の転調は、一見複雑なように見えますが、基本的に話しやすいように変化しているといえるので、あまり難しく考えずに、自然な台湾語をたくさん聞き、たくさん話して慣れることが大切です。」(13ページより)
この矢印と、4段目のカタカナを目安にして台湾語をはじめましょう!
(カタカナ表記に関する凡例は21ページ)
冒頭にご紹介した「Beh-ài iân-sui bô ?(Beh愛芫荽無?)」の意味は「パクチーはいりますか?」。
“beh愛”は中国語の“要”(ほしい)、“芫荽”が「パクチー」で、“無”は中国語の“嗎”(~ですか)にあたります。
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