1.『朱鎔基講話実録』(全4巻)
『朱鎔基講話実録』編集チーム編 人民出版社 2011年9月初版
2.『于丹趣品人生』
于丹・著 中信出版社 2011年10月初版
著者は北京師範大学芸術・メディア学院副院長、文学博士、教授。2006年に中国中央テレビ(CCTV)で中国古典の『論語』をわかりやすく講義し、爆発的な人気を博した。
本書は、孔子や陸羽、李白、杜甫ら中国の古代名士たちが楽しんだ茶、酒、琴などの豊かな趣味を見つめ直す。それにより、忙しい現代にゆったりとした味わいのある生活を取り戻そうと、著者は呼びかける。
今年の国慶節(10月1日)の連休には、北京衛星テレビで本書の内容をベースにした「品味人生」(人生を味わう)をテーマに講義。本書も注目を集めている。
3.『歩歩惊心(新版)』
桐華・著 湖南文芸出版社 2011年9月初版
人気を呼んだ2006年の初版から5年。そこに3万字の続編を加筆して、新版として世に送り出した。中国のタイムトラベル・ラブストーリーの元祖といわれる。
頑固でわがままな都会のビジネスウーマン、張暁がある日突然、清朝康熙年間にタイムスリップして馬爾泰・若曦(マルタイ・ルシー)という人物になる。宮廷の権力争いや恋愛問題に巻き込まれながらも、康熙帝から目をかけられる若曦。男尊女卑の時代だが、皇子たちと思いを寄せ合い「(恋愛は)ただ真心あるのみ」と悟っていく……。
この秋、同名タイトルのドラマが湖南衛星テレビで独占放送され、本書も快調な滑り出し。豪華ケース入りの上下巻全624ページ。美しいポストカードも付いている。
4.『杜拉拉大結局』(杜拉拉の最終章)
李可・著 湖南文芸出版社 2011年10月初版
2007年の出版後、大ベストセラーとなり、2010年の第3弾までシリーズ全体で500万部を突破。同名タイトルでドラマ化、映画化もされた『杜拉拉昇職記』(杜拉拉のプロモーション、映画の英語タイトルは「Go LA LA Go!」)。
中国のビジネスウーマン必読のオフィス小説といわれている。
本書はその最終章。
大手企業SHにトラバーユし、C&Bマネージャーとなったヒロイン、拉拉(ララ)。慣れない仕事やライバルからのプレッシャーと格闘する中、元の同僚・童家明から新会社を一緒に創業しようともちかけられる。しかしSHでの仕事は軌道に乗り出し、昇進できる希望もあった。そんな折に恋人・王偉との関係は見込みがつかず、心を痛める2人。悲喜こもごもの毎日だったが、それでも拉拉は理想に向かって歩むのだった……。
バリバリと仕事をさばき、恋に悩み、ステップアップのために努力する拉拉の姿が、中国ビジネスウーマンの熱い支持を受けているようだ。
5.『世界如此険悪,你要内心強大』(世界はこんなに険悪だから、内心を力強く)
石勇・著 印刷工業出版社 2011年7月初版
著者は本名・石求陽。『心理危機』など心理、社会、政治分析の著書がある若手の学者。
恥ずかしがりや、気が小さい、意志薄弱、人との衝突を怖がるなど、内心が弱いと他人のいいようにされてしまうという。
本書では「なにが私たちの心を弱くするか」「いかに自分の内心を強くするか」という内心の分析にはじまり、「コンプレックス型」「占有型」「攻撃型」「うぬぼれ型」「パフォーマンス型」にそれぞれ分類した独自の性格分析法を伝授。
自分の弱さをよく知った上で、心理をコントロールし、なりたい自分になるための自己改革をしようと述べる。
6.『百年孤独』(百年の孤独)
G.ガルシア=マルケス著(コロンビア) 范曄・訳 南海出版公司 2011年6月初版
7.『好媽媽勝過好老師』(よい母はよい教師に勝る)
尹建莉・著 作家出版社
8.『二号首長2』
黄暁陽・著 重慶出版社 2011年9月初版
2011年5月に発売され、1カ月で10万部を突破したベストセラーの続編。サブタイトルに「役人になるのは、1つの技術的仕事」とある。
中国の江南地方で某メディアに勤めていた唐小舟は、ある日届いた異動命令で、新任の中国共産党省委員会書記・趙徳良の秘書になった。第2部では、省委員会の指導部が変わる大会の年からスタート。末期癌を患った省委副書記の後継者などをめぐり、裏切り、報復、見せしめなど、水面下でさまざまな政争が繰り広げられる……。
「官場(官界)小説」の愛好者、男性読者に向けて「官界のすべてがここに!」とうたっている。
9.『卑鄙的聖人:曹操2』(卑劣な聖人:曹操2)
王暁磊・著 江蘇文芸出版社 2011年8月初版
中国の公務員向け偉人伝「公務員読史」シリーズの1冊。歴代帝王や将相たちの数奇な運命、伝奇的な生涯を、躍動感ある小説仕立てにして読ませる。偉人たちの深思熟慮と執政に学び、公務員の“修身治国”に役立てようとするもの。
『曹操』シリーズでは、中国後漢末の武将・曹操(魏の武帝)による呂伯奢の家族の殺害、呂布軍との攻防など数々のエピソードを挟みつつ、悪役として知られる曹操の詩人としての一面や、孤独でやさしく、デリケートな心の世界を描く。
10.『喬布斯伝:神一様的伝奇』(ジョブズ伝:神のような伝奇)
王咏剛、周虹・著 上海財経大学出版社有限公司 2011年7月初版
10月5日死去した米アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏。56歳。
本書は世界的に話題となっている公認伝記本『スティーブ・ジョブズ』ではないが、中国IT産業の雄で、もと米アップルに勤めた李開復氏(現・創新工場の会長兼CEO)が推薦する中国語版の伝記でもあり、評判となっている。
今年6月までの資料をもとに、商用パーソナルコンピューターを発表した青年期から、同社の新サービス「iCloud」に取り組んだ晩年期まで、常に夢を形にしたジョブズ氏の軌跡と人物像に迫る。
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