1.『中共中央第一支筆』
丁暁平・著 中国青年出版社 2011年6月初版
サブタイトルに「胡喬木が毛沢東、鄧小平の身近にいた日」とある。
胡喬木(1912-1992)は延安時代に毛沢東の政治秘書、また75年から鄧小平の助力となり、改革・開放政策を下支えした(78年に新設の中国社会科学院院長)。
中国共産党の最高指導機関・党中央委員会で約半世紀にわたり陰日向なく働いた胡喬木の伝記とともに、党中央の思想理論、宣伝教育、文化科学活動の歴史を伝える。
2.『百年孤独』(百年の孤独)
G.ガルシア=マルケス著(コロンビア) 南海出版公司 2011年6月初版
ガルシア=マルケスの代表作。ガルシアは本作を主に1982年にノーベル文学賞を受賞。
蜃気楼の村、マコンドを創設したブエンディア一族の盛衰を、神秘的なエピソードや個性豊かな登場人物を交えて描く。日本では早くは1972年に新潮社から翻訳出版されている。
3.『時寒氷説:経済大棋局,我們怎麼辦』(経済の大局面、我々はどうするか)
時寒氷・著 上海財経大学出版社有限公司 2011年5月初版
著者は、中国の経済評論家で南京大学客員教授。インフレと不動産市場の謎やインフレが進む中で財産をどう守るか、アメリカ、EU、日本、ロシアといった先進国の経済戦略が中国に与える影響は? 人民元の切り上げと中国経済の将来は? など、身近な関心事から世界の大事まで、最新の経済トレンドをわかりやすく解説する。
4.『龍族Ⅱ:悼亡者之瞳』(龍族Ⅱ:亡妻者のひとみ)
江南・著 長江出版社 2011年5月初版
2010年4月に出版された長編ファンタジー『龍族Ⅰ:火之晨曦』(火の朝日)の続編。漫画単行本としても同時発売されている。
主人公の高校生・路明非は、神秘的なパワーを秘めた「屠龍家族」(龍を屠殺する家系)の一員。北京で突然よみがえった山の龍王との戦いを、仲間たちとともに繰り広げる。
5.『好媽媽勝過好老師』(よい母はよい教師に勝る)
尹建莉・著 作家出版社
6.『塵埃眠于光年』(塵埃は光年眠る)
夏茗悠・著 新世界出版社 2011年6月初版
文芸誌『萌芽』の連載を単行本化。1988年生まれの若手女性作家・夏茗悠の最新長編小説だ。
ある大学のキャンパスで起こる連続殺人事件。主人公の女子学生・秋和をとりまく人たちが次々と亡くなり、やがて秋和が疑われる。真犯人は? そして秋和の運命は? ハラハラドキドキの手に汗にぎる展開と、心温まるラストが用意された異色の青春サスペンス・ストーリー。
7.『第一夜的薔薇』(第一夜のバラ)
明暁溪・著 新世界出版社 2011年5月初版
小説『泡沫之夏』などで知られる若手女性作家・明暁溪が描く、美しくも恐ろしい報復ラブストーリー。明暁溪が編集主幹(編集長)の文芸誌『仙度瑞拉』(シンデレラ)に連載された。
幸せな家族の崩壊に巻き込まれ、最愛の父を失って、少年院に送り込まれた少女。出所後にはデザイナーとして生まれ変わり、ファッション界のトップにまで上り詰めていくのだが……。
ジェットコースターのように急転する物語。第2巻が早くもファンたちに待たれている。
8.『金陵十三釵』
厳歌苓・著 陝西師範大学出版総社有限公司 2011年6月初版
ベストセラー『少姨多鶴』などで知られる在米の女性作家・厳歌苓の最新長編小説。1937年12月の旧日本軍の南京侵攻を背景に、市内のキリスト教系寄宿学校の女子生徒と、学校に逃げ込んできた13人の娼婦らの運命を描く。
張芸謀(チャン・イーモウ)監督がこの小説を原作に映画化し、寄宿学校のアメリカの宣教師役にクリスチャン・ベールを起用したことでも話題に。今年末の公開が予定されている。
9.『一問一世界』
楊瀾、朱氷・著 江蘇人民出版社 2011年5月初版
10.『做最好的党員』(最良の党員になる)
呉甘霖、鄧小蘭・著 京華出版社 2011年3月初版
7月1日の中国共産党創設90周年を前に、党関係の書物が大量に出版されている。
本書は「優秀な党員」になるための指南書。思想の育成、仕事の能力、話し方のテクニック、学習能力をそれぞれ高めるためのポイントを教える「通俗的読み物」。
地方幹部の汚職・腐敗事件が取りざたされる昨今だが、「中国共産党員がいかに党創設90周年を祝うか? それは最良の党員になることだ」と本書は呼びかけている。
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