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2003年03月  
   
   

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上海の女性たちの消費意欲を刺激する

 

 ついに、出ました――。消費ブームに沸く上海の女性たちの消費意欲を刺激するような本が。

 「地球の歩き方」的な詳細な旅行ガイドブックが売れ、大人向けの癒し系絵本が若い女性たちに支持されるようになってきた今、いつ出てくるかしらと思っていたのですが、上海の若い女性をターゲットにした100軒のショップガイド『上海小店物語』が今年1月、百家出版社から出版されました。

 著者は、人気週刊タブロイド紙『上海壹周』の女性記者。本人もショッピング、街歩きが大好き派で、新聞社に勤務しているおかげで勤務中に街歩きができるのが何よりの幸せだ、と前書きでも書いています。

   

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田子坊

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苗族衣装の店

 

 彼女が紹介するのは、洋服、アクセサリー、エステ・美容院、インテリア雑貨などの選りすぐった店ばかり。例えば、洋服の章では、自分だけのオリジナルデザインのTシャツを作ってくれるブティック、ディスコやクラブのライトの下で映えそうなデザインの服やアクセサリーを扱う店、チャイナドレスを作り続けてきた84歳の職人さんがいるオーダーメードの店などが並びます。

 つい最近まで、上海のホットなスポットと言えば、上海特有の石庫門建築の建物を利用した複合施設「新天地」でしたが、観光客が押し寄せるようになって、地元のファッションリーダーたちは「泰康路」などに遊び場を変えています。

 泰康路は、上海在住の中国人だけでなく、世界十数カ国のアーティストたちのアトリエやギャラリーが集まるアートストリートで、現在では上海市みずからが「ニューヨークのソーホーをめざせ」と開発に力を入れています。特に、カメラマンや画家、建築家たちが密集するのが、「泰康路210弄 田子坊」という小さな路地。最近はそんな刺激的な雰囲気に誘われるように、洋服や雑貨のセンスのいいセレクトショップやワインバー、クラブなども次々にオープンしています。

 『上海小店物語』では、そんな泰康路にある、少数民族の苗族の民族衣装や刺繍が美しい小物などを扱った「苗家衣装」といった店なども忘れずに紹介しています。

sh200303_2 ショップ100軒のほかには、パリやニューヨーク、ミラノ、東京、香港などの世界の9都市のショップやストリート情報も掲載されています。

 さらに、上海らしいと思ったのが、ショップのオーナーになるための工商局への手続きの手順や、家賃の相場などについて書かれていたこと。多くの人が一国一城の主をめざす上海ならではの情報かも知れません。ちなみに、上海最大の衣料・雑貨市場の襄陽市場の家賃は、間口一間半から二間のほんの小さな店にもかかわらず、月2万元とか。

 本の体裁としては、昨年の台湾人作家、王文華のベストセラー『蛋白質女孩』の表紙がショッキングなオレンジ色だったのを意識したのか、こちらも鮮やかなオレンジ色を地に使っていて、あまたある本の山のなかでも目を引きます。本文中にも写真が多用されていて、女の子好みに仕上がっています。

 巻末にショップの住所・電話一覧と地図があるのも、今までの中国の本にはない"親切さ"で、この本に沿って街を歩けば、上海の流行が分かるはずです。(値段が38.5元と通常の書籍の2倍もするのは、この"親切さ"のためでしょうか。)

 

 
 
 須藤みか/上海在住フリーランスライター
日刊ゲンダイでの連載をまとめた
『上海発!新・中国的流儀70』
(講談社+α文庫)発売中!
ウェブでは、以下に連載中。
http://blog.5012.jp/nikkeiwoman/essay3/
http://blog.excite.co.jp/g-shanghai/
   
   
  『新聞晨報』 2月22日付け=季季風書園調べ
     
   

1位
『再見―― 一只狗的一生』
石黒謙吾著、秋元良平撮影、猿渡静子訳 南海出版公司


 盲導犬になったラブラドルレトリーバー「クイール」の一生をモノクロームの優しい写真と文章で綴った一冊。文藝春秋から01年に『盲導犬クイールの一生』として出版され、ベストセラーになった。韓国、台湾などに続く翻訳出版となる。


2位
『誰説大象不能跳舞――IBM董事長郭士納自伝』
[米]ルイス・ガードナー著、張秀琴・音正権訳 中信出版社


 著者が1993年にIBMのCEOに就任した当時、同社は売上げ、利益の大幅な減少をはじめとして危機的な状況にあった。それを見事に危機の淵から蘇らせた名経営者の著者が、自らの軌跡と経営哲学を語る。邦訳は、日本新聞社から『巨象も踊る』として出版されている。


3位
『博弈生存――社会現象的博弈論解読』
潘天群著 中央編訳出版社


 博弈論とは、数学者フォン・ノイマンが経済学者モルゲンシュテルンの協力を得て閑静させた「ゲームの理論と経済行動」によって切り開かれた、新しい経済学の分野「ゲーム理論」のこと。そのゲーム理論で、人類の社会行動や集団行動を解読したのが本書。


4位
『変化 1990-2002年中国実録』
凌志軍著 中国社会科学出版社


 中国の保守派批判で反響を呼び、ベストセラーとなった『交鋒』の著者の1人である、「人民日報」主任記者の凌志軍の新作。


5位
『執行:如何完成任務的学問』
[米]ラリー・ボシディ ラム・チャラン著 劉祥亜訳 機械工業出版社


 企業経営者と人気コンサルタントの共著の全米ベストセラー。いかに素晴らしい戦略や計画を立てても実行しなければ意味がない。その実行には体系だったプロセスがあり、それを確実に推進していくのが経営トップである、と説く。邦題は、『経営は「実行」』(日本経済新聞社)。


6位
『上海小店物語』
余菱著 百家出版社
  本文参照。


7位
『向上海学習』
石磊ら著 世界知識出版社


 「この10年で世界で最も変化し、見事に復興を遂げた」上海を読解するための本。


8位
『誰"害"了北大学生』
群言著 華齢出版社


 中国の最高学府である北京大学はこれまで社会に深い影響を与えてきた。しかし、北京大学の伝統教育の息吹は卒業生のなかにも残っており、それが現実社会とのある種の衝突を生み出している。彼らと現実社会のリズムがずれるのは誰のせいなのか。彼らがさまざまな非難を浴びるのは誰のせいなのか、を考える。


9位
『従優秀到卓越』
[米]ジム・コリンズ著 兪利軍訳 中信出版社


 全米で大ベストセラーとなった『ビジョナリー・カンパニー』の第2弾(邦題は、『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』)。原題の「Good to Great」のとおり、業績の良い企業から偉大な企業へ飛躍するための法則をまとめたもの。業績がそこそこ良い企業から偉大な企業へと飛躍を遂げ、それを15年間継続できた企業11社を分析・洞察している。


10位
『憲政主義与現代国家』
王焱著 北京三聯出版社


 立憲主義の歴史と、同主義と現代国家に関して考察する書。

 

 

 

 

 
     

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