1.『哈利・波特与"混血王子"』 (ハリー・ポッターと混血のプリンス)
J.K.ローリング著(英)/馬愛農、馬愛新訳 人民文学出版社 2005年10月初版
10月15日から中国の各書店にお目見えした"ハリポタ"シリーズ第6巻の中国語版。発売後まもなくベストセラーの首位の座を獲得した。世界で同時発売された7月16日からは、中国でも英語版(原書)が売り出されている。
2.『老照片(第四十三輯)』(古い写真 第43集)
馮克力責任編集 山東画報出版社 2005年10月初版
著名人や読者から寄せられた20年以上前の写真と、それを紹介する文章(散文、解説など)で、中国の近現代を見つめ直そうとする隔月誌。
3.『従歴史看管理』(歴史から管理を見る)
許倬雲講演 広西師範大学出版社 2005年8月初版
2003年に北京大学光華管理学院で行われた歴史学者・許倬雲氏の講演をまとめたもの。商、周の時代から清代末期まで、中国の歴代王朝が築き上げてきた管理システムの精華を、現代のビジネス戦略に生かそうと提唱する。
漢代から清代までの管理構造モデルや、封建制度(連鎖型ネットワーク)から理藩制度(連盟型ネットワーク)までの管理モデルなどが語られる。
4.『随想録』
巴金著 作家出版社 2005年10月初版
今年10月17日に100歳で亡くなられた中国の文豪・巴金氏(中国作家協会主席)が、1970年代から80年代にかけて書きためた随想録(「随想録」「探索集」「真話集」「病中集」「無題集」)を復刻・合本したものだ。
日中戦争の時には反日闘争に参加したという巴金氏だが、本書の中には「『望郷』(サンダカン八番娼館 望郷)を語る」「井上靖先生への答え」「『随想録』日本語版序」「訪日から帰って」など、日本との深い交流をしめす随筆も収められている(邦訳は筑摩書房より刊行)。
北京では最近、書店に巴金氏追悼の特別コーナーが設けられたり、国家図書館で特別展が開かれたりと、この国民的作家をしのぶ催しが続いている。
5.『我的書房』(私の書斎)
董寧文編 岳麓書社 2005年5月初版
現代中国の作家、学者、編集者、書画家ら60人の書斎を、本人の寄稿と写真とともに紹介している。
「中国の読書人は、自分の書斎に典雅な名前をつけたがる」という、作家で脚本家の黄裳氏は、その書斎に「断簡零篇室」「夢雨斎」「草草亭」「来燕榭」などという名前をつけて親しんできた。「じっさいは書斎といえども、何もない。寝室に机とイスがあるだけなのだ……」(黄裳氏)。この本には、中国の文人の家をふらりと訪れ、知識と創造の宝庫である書斎をのぞくような楽しさがある。
6.『母親楊沫』
老鬼著 長江文芸出版社 2005年8月初版
青春小説『青春之歌』、長編小説『東方欲暁』などで知られる中国の女流作家・楊沫(1914-95年)の波乱の生涯を、没後10年にあたり、息子の老鬼が掘り起こした伝記物語。
『青春之歌』は58年に出版されて大ベストセラーになり、翌59年には映画化されたが、"文革時代"の影響もあり「プチブルの情調に満ちている」「知識分子の改造課程が描かれていない」などとして批判された。71年に"名誉回復"した楊沫は、全人代常務委員などを歴任。『芳菲之歌』『英華之歌』などの小説を次々と世に送りだした。
「人間には欠点があるし、内心には健全でないものもある。……(そんな)真実の母の姿を現したかった」と著者は語る。
7.『老照片(第四十二輯)』(古い写真 第42集)
馮克力責任編集 山東画報出版社 2005年8月初版
8.『華麗血時代:両晋南北朝的另類歴史』(両晋南北朝のもう一つの歴史)
梅毅著 陝西師範大学出版社 2005年10月初版
両晋南北朝(265-589年)は、劇的な変化が起こった中国の動乱期だが、その一方で思想の解放期でもあり、唯美的な時代であった、と著者は語る。「喜劇がいかに悲劇になったか――白痴皇帝・晋の恵帝時代の"八王の乱"と西晋の衰亡」「もっとも人々から惜しまれた(十六国・前秦の)英雄・苻堅大帝」など、その緻密な研究の成果から、知られざる歴史的エピソードを今に明かす。
9.『李叔同説仏』
李叔同著/豊子愷挿絵 陝西師範大学出版社 2005年3月第8刷
近代中国に絵画や演劇などの西洋文化をもたらした文化人であり、また、仏教戒律の研究などに力を注いだ李叔同(弘一大師、1880―1942年)の説法をまとめた復刻版。「福を大切にする」「労働に慣れる」「戒律をもつ」「自尊心をもつ」(青年仏徒が注意すべき4項)など、やさしくわかりやすい教えが説かれている。弟子の文人画家であった豊子愷のカラー挿絵も美しい。
昨年はまた、中国の実力派俳優・濮存昕(プー・ツンシン)主演で、李叔同の生涯を描いた映画『一輪明月』が公開された。自らを厳しく律した李叔同の生き方が今、改めて注目されているようだ。
10.『江湖叢談』(旅芸人の書)
連闊如著 当代中国出版社 2005年9月第2刷
連闊如(1903-1971年)は『三国志』や『水滸伝』の物語を得意とし、それを長編の講談作品にまとめた中国の著名な評書芸術家(講談師)だ。本書は、連闊如が20~30年代に新聞『時言報』に連載し、のちに出版された『江湖叢談』の復刻版。
「旅芸人の規律」「口上で薬を売る」「天橋のすもう場」「相声(中国漫才)の技」など、昔懐かしい中国の民間芸能がよみがえる。
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