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2003年11月  国家図書館を訪ねてみよう!

     
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読書好きで、勉強熱心な中国の人たちが利用する施設は、なにも書店ばかりではありません。その筆頭にあげられるのが「図書館」でしょう。大学の図書館や地域の公共図書館などいろいろなタイプがありますが、なかでも最大規模をほこるのが、首都北京にある「中国国家図書館」です。
蔵書文献は、約2200万冊(件)。3000年以上前の殷墟の甲骨片や南宋時代の皇室の蔵書、敦煌文献、革命歴史文献など貴重な文物・古書をもち、1日にのべ7000人の利用者があるそうです。中国一の「総書庫」であり、その規模は世界でも第5位にのぼるという国立図書館なのです。
(中国国家図書館 http://www.nlc.gov.cn/ より)。

 
     

インターネットの発達で、オンラインによる貸し出し予約や各種データベースの閲覧などもできるようになりました。外国人でも現地で登録手続きさえすれば、希望図書の閲覧をはじめ、広々とした閲覧室が自由に利用できるので、これを使わない手はありません。というわけで、今回は「国家図書館を訪ねてみよう!」と題して、その魅惑に満ちた書物の宝庫へご案内したいと思います。

bj200311_04国家図書館は北京市の西部、紫竹院公園の東隣に位置しています。敷地面積は7.24ヘクタール、建築面積は14万平方メートル。地上書庫19階、地下書庫3階の22階建て。輝くばかりの緑の瑠璃瓦と白い壁のコントラストも美しい、中国式の殿堂を思わせるその堂々とした建物は「80年代北京10大建築」の一つに数えられています。
前身は、1909年に清の宣統帝溥儀のお墨付きを得て、北京の広化寺に設けられた「京師図書館」でした。28年には「国立北平図書館」と改称され、北京の中心部である中南海(居仁堂)に移転。分館なども新設されて、その規模をますます拡大していきました。図書館の建設プロジェクトを指揮した有名人士には、作家の魯迅や思想家の梁啓超、歴史家の陳垣、元北京大学校長の蔡元培、地質学者の李四光などの名前も挙がっています。
49年の新中国成立以降は「北京図書館」と改称され、長らく"北図"(ベイトゥー)という愛称で親しまれてきました。新館の建設は周恩来により批准され、12年の歳月をかけて87年に現在の場所に移築されました。鄧小平の揮毫をうつした記念碑が、いまも構内に残されています。98年に現在の「国家図書館」(対外的には中国国家図書館)と改称され、人々に"国図"(グオトゥー)と呼び習わされています(習慣で"北図"と呼ぶ人も)。100年を迎える歴史には、中国の貴重な文物書籍を保存し、学術研究を発展させ、それらを公のものとして利用するために努力してきた人々の熱い思いが、刻まれているのです。

それでは、早速"国図"に入ってみましょう。東の正門から入り、イチョウの大木がある小さな庭園をまわって、南の玄関へと向かいます。玄関前には「読者存包処」という荷物一時預かり所があります。バッグの持ち込みは禁止なので、財布などの貴重品はポケットにしまい、大人荷物1つにつき0.5元(学生0.2元)を払って荷物をここに預けます。

bj200311_03つぎに、初めての人は南玄関西側の「一証処」へ行き、読者カードを作ります。「国家図書館読者触(年触)申請表」に住所、氏名、生年月日、電話番号、身分証明書(パスポート)番号などを書き込み、利用書庫に応じたデポジット(100~1200元)と手数料(20元)を払えばOK! じつは本の貸し出しは、18歳以上の北京市民に限られるので、外国人の場合はこの「申請表」のなかの「基蔵庫書刊 閲覧功能」の欄をチェックします。案内によれば「基蔵庫」とは「国家の総書庫」のこと。つまり国家図書館の蔵書は、外国人や地方の人には貸し出せないが、閲覧は基本的に可能だということになります(電子図書、マイクロフィルムを含む。古文書など貴重な文献を閲覧したい場合は、事前連絡が必要です)。
この外国人用の読書カードは、デポジット(100元)と手数料のあわせて120元を払えば、ゲットできます(1年間有効、更新料は10元)。ほかに手数料のみ5元で手に入る1カ月有効の「臨時カード」もあるので、短期滞在者ならこれを利用してもいいでしょう。

カードを手にしたら、はれて(!?)図書館に入ることができます。壮大な建物には、善本閲覧室・敦煌トルファン資料閲覧室をはじめとする各種閲覧室やサービスセンター、外部貸し出し書庫、博士論文文庫、館蔵珍品展示室などがあり、まるで迷路のように枝分かれしています。迷子になったら大変ですので、案内図により"目的地"を見さだめてから、移動することをオススメします。

bj200311_06それでは、いよいよ閲覧室をのぞいてみましょう。閲覧室は全部で38室ありますが、そのうち自由に閲覧できる「開架式」が22室あり、合わせて約170万冊の蔵書を手にとって見ることができます。外国人や地方の人でしたら、まずは社会科学系の図書をそろえた2階の「第一閲覧室」と、文系図書の6階「第二閲覧室」へ。"国図"の神聖なまでの雰囲気に、ひたることができる場所です。
訪れたこの日は日曜でしたが、第一、第二閲覧室とも300席ある閲覧席がいっぱいでした。見たところ、ほとんどが休日返上で勉学にいそしむ学生や若者たちです。ピンと張りつめた空気の中では、本のページをめくる音と、カリカリとペンを走らせる音だけが響いていました。
小声で彼らに聞いてみると「レポート作成のためにここへ来ました。資料が豊富で助かります」という女子学生や、「閲覧室は夜9時と遅くまで利用できるので、毎日のように来ています」という男子学生の声がありました。本屋で購入しなくとも、公共図書を有効的に活用しているのでした。個人的にも、書店では手に入らない貴重な文献や高価な書物を調べるときに、役に立つ図書館だと思っています。この日は、出版にかかわる政府公布文書を体系的にまとめた『中華人民共和国出版史料(49年~)』(中国書籍出版社)を発見し、書店ではなかなかお目にかからない貴重な文献だけに、飽かず眺めておりました。
"国図"では、いまや読者登録さえすればホームページ(HP)から蔵書の確認や貸し出し予約をすることもできて便利。貴重な古文書については、有料による原本の閲覧のほか、マイクロフィルムまたはネットなどによる閲覧に分かれますので、HPやサービスセンターでのご確認を願います(原本の閲覧にいたるまでには、それなりの時間と根気と熱意が必要であることも、念のため付け加えておきます)。
中国の英知と学問を一堂にあつめた国家図書館――。北京を訪れたら、そんな図書館にも足を運んでみてはいかがでしょうか?

bj200311_09住所:北京市海淀区中関村南大街33号(〒100081)
開館:閲覧室9:00~17:00、一部(月~金)9:00~21:00
休館:元旦、春節(旧正月)1~3日、5月1~3日、10月1~3日
入館手続き:デポジット式の読書カード(年間か臨時)を作成します。
電話:(代表)+86-10-88544114 (服務)+86-10-88545022
URL:http://www.nlc.gov.cn/

 
   
   
     
     
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総合
★北京国林風図書センター
(北京市海淀区海淀西大街36号 海淀図書城昊海楼B1)
2003年11月10日~11月16日

     
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1.『外交十記』(外交十話)
銭其茵 著 世界知識出版社 2003年10月初版


中国の外交部長(外相)をへて、今年3月まで副総理を務めた銭其茵氏(75歳)の話題の回想録だ。「中ソ関係正常化」、「ソウルへ向かう」、昭和天皇崩御のさいの「東京の"葬礼外交"」など、外交にまつわる10のエピソードを披露する。
関係者の間で関心を集めているのが、92年の天皇訪中にかかわる秘話である。日本側は「日中国交正常化20周年」に沸いていたが、中国側は89年に天安門事件が起こり、西側の厳しい制裁を受けていたころだった。そうした中での天皇訪中は「西側の制裁を打破するための戦略だった」というのである。歴史を刻んだ天皇訪中も、いわば中国外交の「利」をかなえるカードだった!!
いま、近年の外交戦略を公開することの意味は?それは是か、非か? 本書の出版は物議をかもしているが、外国人としては、中国外交の真実を知るためにも精読しておきたいところである。


2.『血酬定律:中国歴史中的生存游戯』(血の報酬法則:中国の歴史における生存遊戯)
呉思 著 中国工人出版社 2003年8月初版


作者によれば、「血酬定律」とは「血を流して得た報酬」のこと。清代末期から中華民国の時代において、匪賊には懸賞金がかけられ、暴力組織にはさまざまな内部構造があった――など、うずもれた中国史の断片を拾い集めている。
前作『潜規則―中国歴史中的真実游戯』(潜んだ規則―中国歴史上の真実の遊戯)では封建時代における役人の悪行をあばいたが、今作では官・民・賊などそれぞれの階級にあった、知られざる"血の定律"を白日のもとにさらしている。


3.『兄弟連』(原題『Band of Brothers』、バンド・オブ・ブラザース)
スティーヴン・アンブローズ著(米) 王喜六など訳 訳林出版社 2003年9月初版


第二次大戦における、ノルマンディ上陸作戦からドイツ降伏までの欧州戦線を戦いぬいたアメリカ陸軍・第101空挺師団第506歩兵連隊E中隊の体験を描く。生存者への取材や兵士の手記をもとに、生身の人間の視点から戦争の実像にせまったノンフィクションだ。
スティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスが製作総指揮をつとめ、話題となったテレビドラマシリーズ(HBO製作)の原作でもある。日本では、2002年に並木書房から『バンド・オブ・ブラザース―男たちの深い絆』として翻訳出版されている。


4.『高效能人士的七个習慣』(能率の高い人の7つの習慣)
スティーヴン・R.コヴィー著(米) 中国青年出版社


世界で1億冊を売り上げたという超級ベストセラー。日本では『7つの習慣―成功には原則があった!』(キングベアー出版)というタイトルで翻訳出版されている。「積極的に」「相互依存」「ウィン・ウィンの発想」など、"真の成功"と"すばらしい人生"を手にするための7つの習慣を紹介する。


5.『大衛・貝克漢姆:我的立場』(デビッド・ベッカム:ボクの立場)
デビッド・ベッカム著(英) 王宝泉など訳 中国城市出版社 2003年11月初版


いま、世界でもっとも注目されるサッカー選手といえばこの人、デビッド・ベッカムだろう。中国でも人気は絶大で、この夏アジアツアーで北京を訪れたときには、いたるところで大勢のファンに取り囲まれていた。続いて訪れた日本でも4日で10億円を稼ぐ大歓迎を受けたそうだが、人気者というのは、国境を超えて人気者なんだなあ~~なんてことをぼんやりと考えたものである。
で、この本はそんな"ベッカム様"の自叙伝である。イングランド代表選手として、家族思いのよきパパとして、世界のファッション・リーダーとして、多彩な顔をもつベッカムが、その栄光と挫折のあゆみを赤裸々に語る。
日本でも『D・ベッカム自叙伝 ベッカム:マイ・サイド』(扶桑社)が10月末に刊行されている。


6.『夢里花落知多少』(NEVER-FLOWERS IN NEVER-DREAM)
郭敬明 著 春風文芸出版社 2003年11月初版


上海大学影視芸術技術学院に在籍する学生作家、郭敬明の最新作だ。第一作の冒険小説『幻城』は、今年10月末までに55万部を突破。その勢いは衰えを知らず、最新作もすでに30万部が売り出されているという(中国版人民ネットから)。大学卒業を間近にひかえた主人公の愛と友情のうつり変わり、成長する過程の快楽と悲しみを描き、若い世代の絶大な支持を受けている。


7.『哈利・波特与鳳凰社』(邦題予定『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』)
J.K.ローリング著(英) 馬愛農など訳 人民文学出版社 2003年9月初版


魔法つかいの少年、ハリー・ポッターの活躍を描くシリーズ第5弾。日本に先駆けての翻訳出版である。
15歳になった魔法つかいハリーは、悩み多き思春期をむかえている。信じていた大人たちのうらぎり、善悪だけでは測れない世の中のしくみ……。苦しみもがきながら、大人への階段をのぼっていく等身大のハリーが描かれる。
中国では、9月に初版本80万部がいっせいに売り出されたが、それも"ハリポタ人気"を裏付けるものだろう。


8.『3000美金,我周游了世界』(3000ドルで、ボクは世界を周遊した)
朱兆瑞 著 蒜頭大学出版社 2003年9月初版


1999年イギリスに留学後、2年でMBA(経営学修士)学位を取得、2002年には、わずか3000ドル(約30万円)で世界28カ国・地域を単身旅行した中国青年の体験記である。「旅行とは一種の生活方式であり、投資であり、苦行である」と筆者。貧乏旅行に明け暮れながら、知恵と勇気と大いなる自信を身につけていく。「人生において、克服できない困難はない」という筆者のメッセージは、体験にもとづいた言葉であるだけに、力強い。


9.『我是天才優等生』(ボクは天才優等生)
趙昇衍 著(韓) 韓永傑 訳 中国社会科学出版社 2003年9月初版


1981年ソウルに生まれ、中学2年で両親に連れられアメリカへ移住。現在、在籍しているニューヨーク大学商学院では「栄誉学生」の称号を授与され、英語、フランス語、ドイツ語、ラテン語に精通しているというアジアがほこる天才、趙昇衍くんの「超学習法」だ。
「学習は態度の問題ではなく、効率の問題だ」「20分ごとに科目を換えて勉強する」「映画のように映像化して覚えよう」「参考書とノートは投げ捨てて」など、思わず「へぇ~」のユニークな学習法が満載。中国では、教育熱心な親世代を中心に、売り上げを伸ばしているようだ。


10.『水煮三国』(三国志の水煮)
成君憶 著 中信出版社 2003年7月初版


「水煮」とは、たっぷりのトウガラシと油を使った四川風煮込みのこと。ピリカラ風味の「白身魚の水煮」などは、北京でも近ごろ人気のメニューである。
そんな「水煮」と「三国志」の名を冠した本書は、「『三国演義』をベースにした麻辣(ピリカラ)風味の管理学」であるという。アジア太平洋人力資源研究協会(APHRA)の副秘書長で『三国演義』ファンの筆者が、劉備や曹操、諸葛亮などおなじみの登場人物をまじえて、経営管理をわかりやすく説く。
「劉備の野菜市場理論」「曹操の人材論」「袁紹の管理学手記」など、それぞれの異なる性格や手法から導きだされるユーモラスな管理学には、ビジネスマンでなくても引き込まれそうだ。

 
   
     

bj200311_19今年の春節(旧正月)は、1月22日。中国では、この日をはじめとする3日間の公的休暇に、前後の土日を加えて1週間の「大型連休」となります。数億人にも上る里帰りの“大移動”はよく知られていますが、ならば田舎のない都会っ子たちは、どのような春節休みを過ごすのでしょうか?
2004年の北京の流行は、郊外のリゾートへ行って「過年」(年越し、正月を過ごす)をすること。西北郊外の延慶県・竜慶峡では花火や爆竹、氷祭りやスキーが、北郊外の懐柔区では観梅祭りや氷柱祭りが楽しめます。また、地元紙『北京青年報』によれば、今年は、花火や爆竹の行える場所が郊外(昌平区や通州区、延慶県や密雲県など)に限り、昨年より13カ所増えて52カ所になったとか……。
火事や事故を避けるため、市街地での爆竹が禁止されて11年。その爆発音が厄を除け、福を呼ぶと考えられているからですが、郊外へ行楽がてら花火を上げに行くなんて、なんともリッチな世の中になったものです。

 

 

 

写真・文 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

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