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2001年07月  

     

今年7月1日は、中国共産党創立80周年の記念日でした。その日の前後は、展覧会や映画会、音楽会などさまざまな記念行事が各地で開かれ、まるでお祭りのようなにぎやかさ。次の焦点は、2008年オリンピックの開催地が決まる13日です。どうしても浮かれてしまいがちな、この7月です。

   
     

[今月のベストセラー]

 

 
   
     

★北京風入松書店 調べ(北京大学南門東側http://www.Forestsong.com.cn/)
「文学学関係書のベスト10」


1. 『麦田里的守望者』(ライ麦畑でつかまえて) 
J.D.サリンジャー著(米)、施咸栄・訳 訳林出版社

  ……国際的なベストセラー『ライ麦畑でつかまえて』の翻訳本。


2. 『写在人生辺上』(人生の縁で描く) 
銭鍾書 著 遼寧人民出版社・遼海出版社

  ……60年ほど前に書かれた作家のエッセイを、装丁も新たに再版。「ユーモアについて」「ご飯を食べる」「快楽を論じる」など日常生活に題材をとった、洒脱なエッセイが10編収められている。


3. 『悟空伝』(改訂版) 
今何在 著 光明日報出版社

  ……会話とマンガを多用した現代版・孫悟空。中国第2回インターネット(文学)コンテスト入賞作。


4. 『挪威的森林』(ノルウェーの森) 
村上春樹 著、林少華 訳 上海訳文出版社

  ……村上春樹『ノルウェーの森』の翻訳本。村上春樹モノは、いずれも中国で大ロングセラーとなっている。林少華のたくみな訳も「もう一方の珠玉作品」と評判だ。


5. 『千禧文存』(文に喜びあり) 
季羨林 著 新世界出版社

  ……著名な文学者であり仏教学者である筆者は、今年90歳。近年、記した序文やコラム、エッセイなどを本書にまとめた。「成功とは、天才+努力+チャンスだ」と著者。21世紀には「中国仏教史をまとめたい」とますます意欲を燃やしている。


6. 『大話西遊宝典』 
張立憲など著 現代出版社

  ……1996年に公開された人気の中国・香港合作映画「大話西遊」(大ぼら西遊記)。孫悟空を演じた香港の人気俳優・周星馳など、その魅力や舞台ウラの秘密に迫る。


7. 『認』(認める。原題『L'IDENTITE』=アイデンティティー) 
ミラン・クンデラ・著(仏) 遼寧教育出版社

  ……現代長編小説。


8. 『昆虫記 新版2000』 
J.H.ファーブル 著(仏)、王光 訳 作家出版社

  ……「不朽の名作。フランスの昆虫学者・作家ファーブルの最高傑作」と説明されている。


9. 『愛与痛的辺縁』(愛と苦悩のふちに) 
余傑 著 大象出版社

  ……男性作家・余傑のエッセイ集。そのなかに「曖昧な日本、鋭利な大江」という一編があり、2000年9月に訪中した大江健三郎の印象を記す。氏の「日中再戦に反対し、日本兵がリュックに私の作品をしのばせないことを希望する」との言葉を引用している。


10. 『在細雨中呼喊』(霧雨の中の叫び) 
余華 著 北京南海出版社

 

★北京西単図書大廈 調べ


1. 『魅力何来』(魅力はどこから) 
靳羽西 著 上海文芸出版社

  ……「上品で教養のある現代人になりましょう」と著者。「会議や講演の場では、携帯電話やポケベルのスイッチを切る」「トイレは清潔に」など女性ならではの観点で、"心の美人"になる秘訣を説く。


2. 『富爸爸、窮爸爸』シリーズ
『富爸爸、窮爸爸』(金持ち父さん 貧乏父さん) 
ロバート・キヨサキ 著 世界図書出版公司
『富爸爸、財務自由之路』
(金持ち父さん 財務自由の路)

……『金持ち父さん 貧乏父さん』の第2弾。翻訳本。
『富爸爸、投資指南』(金持ち父さん 投資指南)

……『金持ち父さん 貧乏父さん』の第3弾。翻訳本。


4. 『2000年度 中国50富豪』 
天野/尋国兵 編著 金城出版社

……米経済誌『フォーブス』に発表された2000年度の中国長者番付50人を、詳しく紹介。第1位は「栄毅仁とその家族」。栄毅仁氏は84歳。投資会社・中信グループの成功で、所得19億米ドル。第2位「劉永行(54歳)とその兄弟」。飼料販売の希望グループの経営で、所得は10億米ドル。第3位「任王非(56歳)」。電信設備の華為科学技術会社の経営で、所得5億米ドル。「彼らの奮闘ぶりや開拓精神は、賞賛すべきものだ」と記している。


5. 『世界歴史之謎』 
戸海生 主編 文匯出版社

……有名な「世界の謎」を紹介。たとえば、「巨石・モアイ像の不思議」や「タイタニック号沈没の謎」、日本関連では「日本精神の死・川端康成の謎」なども…。
『中国歴史之謎』 張海英/葉軍 主編 文匯出版社

……「謎」シリーズ。「人か神か―黄帝の謎」にはじまり、「秦の兵馬俑の謎」「清明上河図の謎」「西安事変の謎」、日本関連では「中国侵略の具体的な方針をたてた」という「田中(義一首相)の上奏文の謎」というのがあった。


6. 『大敗局』 
呉暁波 著 浙江人民出版社

……10大新企業の成功と失敗の原因をさぐる、MBA(経営管理学修士)式ハウツー本。


7. 『性格与命運』(性格と命運) 
張鈞/楊恵濱著 時代文芸出版社

……19に分けた性格の特徴と、その命運。


8. 『孫子兵法与三十六計』(孫子の兵法と36計) 
魯中傑 編著 黄河出版社

……あまりにも有名な春秋時代の兵法書。「作戦編」「謀攻編」など孫子の兵法と、「空城の計」など36の計を紹介。「各国で翻訳されており、ケンブリッジ大やハーバード大の必修科目となっている。"経営の神様"松下幸之助や毛沢東主席が愛読。スポーツ競技や企業経営管理、人間関係などに広く応用できる」と、二千年余り前の思想を改めて現代によみがえらせた。


9. 『如何使你年軽10歳 多話10年 男士指南』
(原題=Look 10 Years Younger Live 10 Years Longer A Man's Guide)
 デイビット・レイバック著 中信出版社/PRENTICE HALL出版公司 編集翻訳

……同『女子指南』もある。「10歳若返ることは、誰にもできる。ビジネスマン(ウーマン)の健康と生活をアドバイスする」として、食生活や気の持ち方など身近な「若返りの法」を伝授。


10. 『在北大聴講座 思想的力量』
(北京大学で聴講する 思想の力量) 文池 主編 新世界出版社

……映画監督の謝飛、美学家の葉朗、北京大教授の邱尊杜など、著名な学者や教授、専門家らが北京大学で行った講座をまとめた。

 
   
     

[新刊本]

 

党創立80周年の記念日(7月1日)前後には、書店にズラリと関連書籍が並んだ。


『80位共産党人的故事』(共産党員80名の物語) 
呉佩華 総企画、徐焔・総編集 解放軍文芸出版社

  ……党員にみる党の歴史。李大釗、陳独秀、毛沢東の順で、80番目には「中国原子の父」といわれる科学者・銭三強が並ぶ。


『中国共産党80年 大事聚焦』 
邵維正 主編 解放軍出版社

  ……写真と文で党史を検証。


『党的理想信念教育読本 走向新世紀(再版)』
(新世紀に向かって) 何東成 主編 河南人民出版社


『中国共産党在上海80年』 
中共上海市委宣伝部 編  

 

今年はまた、中国の「チベット平和解放50周年」でもある。それにちなんだ本も目白押しだ。


『西蔵50年旅遊巻』 
胡海燕/陳波 著 民族出版社

   ……「観光資源の現状」「生態と環境保護」などチベットの観光資源をレポートする。


『探険西蔵』 
熊育群 著 広東旅遊出版社

 

  ……カメラマンの著者が、ゲギュ、アリ、ツァンダなど、チベット高原北方の地を歩いたオールカラー旅行記。藍天白雲や峻険な山々、活仏やチベット族女性の明るい表情など、美しい写真がふんだんに使われている。

   

[ちょっと気になる本]

 
 

『大宅門』 上下巻セット 
郭宝昌 著 作家出版社

  北京の老舗薬局「同仁堂」が舞台の、人気テレビドラマ『大宅門』を小説化。清朝末期から民国にかけ、時代の波に翻弄される富裕階層の家「大宅門」と、そこに暮らす人々の悲喜劇を丁寧に描く。ドラマは今春、夜の連続ドラマとして40日間にわたって放送され、高視聴率をあげた。ドラマの人気にあやかってか、ノベライゼーションもよく売れている。
 


『完全城市時尚手冊 通向酒吧路』
(完全都市トレンド手帖 バー編) 成翌 編著 新世界出版社

  北京や上海など都会のおしゃれなバーを紹介。「住所、電話、営業時間、客層、常連客、音楽、風格」などの項目と、ちょっとした店の紹介を併記して、便利なガイドブックとなっている。「客層:中・高レベル」「常連客:外国人、ホワイトカラーのビジネスマン、会社社長、大使館員」など「そこまで書くか!?」というくらいサービス精神にあふれていて、読むだけでもおもしろい。同シリーズに、『完全城市時尚手冊 聞香識茶館』(中国茶編)、易晴・編著、『完全城市時尚手冊 浪漫屋』(コーヒー編)、是是・編著などがある。

   
 
   
     

 

  北京の大通りには、ほとんどのバス停そばに、キヨスクのような"ブックスタンド"があります。『北京青年報』『北京晩報』などの新聞や、『コスモポリタン』『ELLE』などのファッション誌、コンピューターや釣り、サッカーなどの趣味本――と、種類も豊富。バスを待つ人々を顧客に業績を伸ばし、年内にさらに800店舗を増設するとのことです。
 

 

 

写真・文 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

   http://china-media.jugem.jp/
 
     
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