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2012年05月

 「首都図書館連盟」が成立、大学では無料開放へ

   
   

北京大学図書館中国国家図書館や北京大学図書館など、北京市の図書館およそ120カ所が加盟した「首都図書館連盟」がこのほど市内で成立した。
「図書やデータを共有し、利用者の便宜を図ろう」と、それまでバラバラに運営されていた各図書館が初めて連携を取ったもの。将来的には共通の読者カードさえあれば、公共図書館(約60カ所)ならどこでも図書が借りられ、かつ返却できるのがメリットだ。
さらに加盟する大学図書館(34カ所)では、段階的にではあるが、一般向けに無料開放されることが計画されている。
4月末時点では、公式ウェブサイトはまだ開かれておらず、各図書館のサービスもまちまちな感はあるが、連盟の「より多くの市民に図書館へ足を運んでもらいたい」との思いは強いようだ。
 

   
 

■「5大文化連盟」に続くもの

首都図書館連盟は3月12日、国家図書館館長の周和平氏(元文化副大臣)を名誉主席に、成立した。
北京ではこのところ「文化競争力」(ソフトパワー)を高めようとする“連盟づくり”が進められており、昨年末までに、①劇院(劇場) ②博物館 ③出版発行 ④映画館 ⑤影視(映像)産業の各連盟、いわゆる「5大文化連盟」が成立している。
首都図書館連盟もその一環であることは明らかだろう。
昨年秋の中国共産党の重要会議(第17期6中全会)では、新国家戦略として「文化強国」の実現が目標に掲げられたが、文化連盟が次々と生まれるのも、こうした国の意向を受けた具現化プロジェクトであることがわかる。
 

■バリアフリーで資源を共有

北京大学図書館の入館ゲート首都図書館連盟には、北京の大学や研究所、公共団体、小中学校などの約120カ所の図書館が加盟した(※下記参照、『京華時報』など)。

そのメリットは――
① 利用者は、首都図書館などの公共図書館(約60カ所)で共通読者カード「“一卡通”連合読者卡」を作れば、その約60カ所ならどこでも利用できる。市内の図書文献が“バリアフリー”で借りられ、かつ返却できる。
② 国家図書館と首都図書館は、両者で「読者証の相互認証」を実現。図書とデータを共有資源にする。利用者はそれを利用できる。
③ 加盟する大学図書館(34カ所)を一般に無料開放する。
④ 首都図書館連盟のウェブサイトを開設し、情報を公開する。
⑤ 加盟図書館は、講座や展覧会の開催などで協力する。講座は実況中継し、他館でも聴講できるようにする。
⑥ 「流動図書カー」サービスを小中学校、農村、工事現場などにさらに広げる――など。

これは、インターネットが発達し、情報の伝達や共有が容易になった今、図書館としても単独のままでいてはサービスが限られる。図書館同士の垣根をはらい組織化し、資源の共有やサービスの向上を図ろうとするのがねらい。
成立式に出席した魯煒・副市長は、「北京市は全国でも公共図書館が最も多く、設備も、管理も最高レベルにある都市だ。(連盟成立で)情報や資源を共有し、新しいサービスモデルを打ち立てよう」と強調したという(『京華時報』3月13日付)。

さらに、毎年増え続ける図書を、多方面で有効活用するという目的もあるようだ。
例えば、ある図書館では毎年10万冊が入荷され、そのために500平方メートル(バスケットボールコートほど)の新しい書架が必要になる。10年で5000平方メートルになり、大変な広さになる。毎年書架を増やすわけにもいかないので、図書資源を必要な図書館にスライドさせ、共有しようというわけだ。
こうしてみると図書館連盟の成立は、政策的にはもちろん物理的にも必要に迫られていたといえる。
 

■北京大では3元、清華大では2元

北京大学図書館の利用条件。外部の利用者は1日3元が必要。“サービスの一体化”をめざす図書館連盟だが、目標の実現までにはしばらく時間がかかりそうだ。成立から1カ月半が経った4月末時点で、公式サイトはまだ開かれておらず、目標に掲げる「情報の公開と共有」が机上論になっているのが現状だ。

大学図書館の一般無料開放も、対応が遅れている。
4月末に北京大学図書館を訪れたところ、一般入館者は身分証(パスポートなど)の提示と「臨時閲覧証」の作成が求められ、入館料として1日3元(1元は約13円)を納めなければならなかった。
同様に清華大学では2元、北京師範大学では5元が請求されるという(『新京報』4月5日付)。地下鉄の乗車キップが一律2元の北京では、入館料が2~5元はいささか高いように思える。「無料開放」という聞こえのいい謳い文句は、まだ実質を伴っていないようだ。

学生らの評判も悪い。
「中国伝媒大学には約1万3000人の学生がいるが、図書館にはわずか1000余りの座席しかない。試験前には座席がなくて苦労するのに、図書館を一般開放したら人であふれてどうなることか……」
「もともと専門書籍は少なくて学生間でも使い回しているというのに、一般向けに貸し出したら、勉強にも差し支えるよ」

図書館連盟の朱強・副主席(北京大学図書館館長)は、大学図書館の無料開放について「小規模実践中である」と認めた上で、「実現するには連盟内でさらなる研究を深め、コンセンサスを得ることが必要。細則が決まる前は、従来通りの読者管理を続けるしかない」と厳しい実情を打ち明けている(新華網3月25日)。

こうした中、4月15日には湖北省の省都・武漢市で、同市や武漢大学などの図書館6カ所からなる「武漢図書館連盟」が成立したと伝えられた(新華網4月16日)。「文化強国」の掛け声のもと、こうした動きは今後も広く進められていくだろう。

図書館のサービス一体化は、外国人にも利用の幅が広がるものと期待するが、はたして有言実行の組織となるか? 図書館連盟の本気度が試されている。
 

【首都図書館連盟リスト】(2012年3月12日の成立時点)

国家図書館/中国科学院国家科学図書館/中国社会科学院図書館/軍事科学院軍事図書資料館/中国地質図書館/中国医学科学院医学信息研究所・図書館/

中国農業科学院農業信息研究所/中共中央党校図書館/中共中央編訳局文献信息中心/中国民族図書館/国防大学図書館/解放軍医学図書館/北京大学図書館/清華大学図書館/
中国人民大学図書館/北京師範大学図書館/北京市委党校図書館/北京市委図書館/
北京市人大図書館/北京市社会科学院図書館/北京郵電大学図書館/

北京航空航天大学図書館/北京交通大学図書館/北京科技大学図書館/
北京化工大学図書館/北京石油大学図書館/北京林業大学図書館/華北電力大学図書館/北京語言大学図書館/北京外国語大学図書館/北京電影学院図書館/中国伝媒大学図書館/中国戯曲学院図書館/北京工業大学図書館/首都師範大学図書館

首都経貿大学図書館/北京建築工程学院図書館/北京農学院図書館/
首都医科大学図書館/北京印刷学院図書館/首都体育学院図書館/
北京青年政治学院図書館/北京舞蹈学院図書館/北方工業大学図書館/
北京聨合大学図書館/北京第二外語学院図書館/北京戯曲芸術職業学校/北京国際芸術学校/北京大学第三医院図書館/北京大学第一医院図書館/北京大学口腔医学院図書館/

北京大学人民医院図書館/北京大学首鋼医院図書館/北京大学腫瘤医院図書館/
北京中医薬大学第三附属医院図書館/北京中医薬大学東方医院図書館/
北京中医薬大学東直門医院図書館/清華大学華信医院図書館/首都医科大学北京胸科医院図書館/首都医科大学附属安定医院図書館/首都医科大学附属北京地壇医院図書館/首医大北京宣武医院図書館/首医大附属北京朝陽医院図書館/首医大附属北京児童医院図書館/首医大附属北京復興医院図書館/首医大附属北京口腔医院図書館/首医大附属北京同仁医院図書館/首医附属北京婦産医院図書館/首医附属北京天壇医院図書館/

首医附属北京友誼医院図書館/中国医学科学院腫瘤医院図書館/中国中医科学院望京医院図書館/中国中医科学院西苑医院図書館/中国中医科学院眼科医院図書館/中国中医研究院広安門医院図書館/
衛生部中日友好医院図書館/北京市第四中学図書館/北京市第八中学図書館/北京市第二十五中学図書館/北京第八十中学図書館/中国人民大学附属中学図書館/北京大学附属中学図書館/清華大学附属中学図書館/北京師範大学附属実験中学図書館/北京師範大学第一附属中学図書館/北京師範大学第二附属中学図書館/首都師範大学附属中学図書館/北京市第一零一中学図書館/

北京石景山学校図書館/北京小学図書館/北京第二実験小学図書館/北京市十一学校図書館/金彩芸術図書館/幸福図書館/民間流動図書館/首都図書館/東城区図書館/東城区崇文図書館/西城区図書館/西城区宣武図書館/朝陽区図書館/石景山区図書館/房山区図書館/

房山区燕山図書館/海淀区図書館/豊台区図書館/門頭溝区図書館/通州区図書館/昌平区図書館/大興区図書館/順義区図書館/懐柔区図書館/平谷区図書館/密雲県図書館/延慶県図書館/
西城区青少年児童図書館/石景山区少年児童図書館/朝阳区少年児童図書館/豊台区青少年児童図書館
以上 
 

 
   
   
bestsellere
総合
 

★『新京報』図書ベスト
(北京図書大廈、王府井書店、中関村図書大廈、三聯書店など、市内主要書店やネット書店のデータから統計)
2012年4月13日~4月19日

     
第2位:『光明与磊落』

第7位:『你若安好 便是晴天:林徽因伝』

第8位:『蕙蘭瑜伽1:生活方式与自然療癒』
                                                                
第9位:『鼎立南極――崑崙站建站紀実』

第10位:『遇見未知的自己』
 

1.『青春』
韓寒・著 湖南人民出版社 2011年9月初


2.『光明与磊落』(光明と磊落)
韓寒・著 湖南文芸出版社 2012年4月初


中国の若手作家にしてオピニオンリーダー、カーレーサーの韓寒。17歳の時にリアルな高校生活を描いたデビュー作『三重門』が200万部のベストセラーになり、各国で翻訳された。米誌『TIME』で紹介され、ブログは5億超のアクセス数を誇る人気作家だ。最近は「使っている言葉が古い」などとして代筆疑惑が持ち上がったが、その疑惑を打ち消そうとしたのが本書。
『光明』と『磊落』の2冊からなり、前者には未発表の詩や雑文が、後者には『三重門』の手書き原稿(全文)や、未採用原稿の一部などが収められる。タイトルは中国語の「光明磊落」(公明正大である)から来ており、韓寒の反駁の意思が込められているという。 


3.『大故宮』
閻崇年・著 長江文芸出版社 2012年2月初


4.『好媽媽勝過好老師』(よい母はよい教師に勝る)
尹建莉・著 作家出版社


5.『愛你是最好的時光』(あなたを愛するのは最高の時)
匪我思存・著 新世界出版社 2012年2月初


6.『不一様的卡梅拉』(異なるカメラ)
Chrisian Jolibois作 Christian Heinrich絵、二十一世紀出版社 2006年10月初


7.『你若安好 便是晴天:林徽因伝』(あなたが無事なら晴天に:林徽因伝)
白落梅・著 中国華僑出版社 2011年9月初


林徽因は、中華人民共和国の第一世代の女性建築家。中国の国章のデザインにかかわり、天安門広場の人民英雄記念碑の設計者の1人でもある。中国の文学者・思想家の胡適に「中国一代の才女」と称され、夫は建築史家、建築家の梁思成。当時の文壇の金岳霖、徐志摩などとの交友もあったという。
「20世紀中国の最も伝奇的な女性」といわれる林徽因の生涯を、現代の才女・白落梅が史実に基づき、生き生きと描く。 


8.『蕙蘭瑜伽1:生活方式与自然療癒』(蕙蘭ヨガ1:ライフスタイルと自然治癒)
張蕙蘭など著 江蘇科学技術出版社 2012年3月初版


著者の張蕙蘭氏は、現代中国の「ヨガの母」として知られるヨガ指導の第一人者。誰でもカンタン、安全、効果的にできるヨガのトレーニング「蕙蘭ヨガ」を編み出して、テレビやDVD、CD、書籍などで普及に努める。
本書はシリーズ全3巻の1つ。糖尿病、喘息、便秘、うつ病などの治療に効果的とされるヨガの養生法や、ヨガを取り入れて容易にできる睡眠法、鼻腔の塩洗い法、呼吸調整術、リラックス術などを紹介。健康を長く保つためのヨガの秘密を、やさしく説き明かす。
ヨガ・トレーニングのDVD付き。 


9.『鼎立南極――崑崙站建站紀実』(南極に鼎立する――崑崙センター建設記)
張鋭鋒・著 陝西人民出版社 2011年12月初版


中国の南極観測と、観測センター建設の一部始終を見つめたノンフィクション。
中国は1985年2月2日、南極に観測センター「長城センター」を、89年2月26日「中山センター」を、さらに2009年1月27日「崑崙センター」をそれぞれ建設。うち崑崙センターは、中国にとって南極の最内陸にあり最高海抜にある、極地考察の世界レベルに達した「第一の陣営」だという。
中国の作家、張鋭鋒氏が、観測隊員への綿密な取材や膨大な資料を通して、崑崙センター建設と南極観測の知られざる全容を描く。中国極地研究センター、国家海洋局などの推薦書。 


10.『遇見未知的自己』(未知の自分に出会う)
張徳芬・著 華夏出版社 2008年1月初


著者は、台湾で有名な元アナウンサー(Anchor)で、米カリフォルニア大学でMBAを取得。2002年からは心理カウンセリングの研究を深め、07年に台湾で出版した“心の成長の小説”『遇見未知的自己』がベストセラーに。本書はその大陸版。これまでに台湾と大陸の両岸で、合わせて40万部を超えるヒットを飛ばした。
サブタイトルは「都市身心霊修行課」(都市の心身の精神修行課)。
「自分は誰で、誰でないか」「なぜいつも楽しくないか――本当の自分を失う」「未知の自分」「吸引力のルール」「潜在意識の人生モデル」「自分の世界を創造する」などのトピックから、よい精神状態の保ち方、癒し方、自己啓発の方法などをわかりやすく説く。 


 
     

 

 

文・写真 小林さゆり
日本の各種メディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中。
著書に『物語北京』(五洲伝播出版社)
訳書に『これが日本人だ!』(バジリコ)

 

  Blog: http://pekin-media.jugem.jp/
   
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