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2010年12月

 作家富豪ランキング、
 青春小説の「80後」作家ら上位に

   
   

作家富豪ランキング1-25位【クリックで拡大】毎年恒例の「中国作家富豪ランキング」の2010年版がこのほど、中国で発表された。
1位に児童小説の楊紅桜、2位に「80後」(バーリンホウ、80年代生まれ)を代表する郭敬明、3位に児童小説の鄭淵潔がランクされ、児童文学や青春小説の作家たちが上位を占める結果となった――。

   
 

【中国作家富豪ランキング】
ランキング 印税(人民元) 代表作
1 楊紅桜

 2500万元

『淘気包馬小跳』(わんぱく少年・馬小跳)
2 郭敬明

 2300万元

『幻城』(幻の城)、『爵跡』
3 鄭淵潔

 1950万元

『皮皮鲁総動員』(ピピル総動員)
4 当年明月

 950万元

『明朝那些事儿』(明朝それらのこと)
5 曽仕強

 780万元

『中国式管理』(中国式管理)
6 郎咸平

 600万元

『郎咸平講戦略』(郎咸平が戦略を語る)
7 李可

 580万元

『杜拉拉昇職記』(杜拉拉のプロモーション)
8 韓寒

460万元

『三重門』『毒』
9 尹建莉

 448万元

『媽媽勝過好老師』(よい母はよい教師に勝る)
10 天下霸唱

420万元

『鬼吹灯』
  楊紅桜 『笑猫日記』
郭敬明 『爵跡』

※ 印税の統計期間は2009年11月15日~2010年11月10日。

国作家富豪ランキング」は2006年から毎年1回、ジャーナリストで同ランキングの独立制作者、呉懐堯氏が発表している。
作家、出版社、印刷会社、ネット書店、実体書店などの協力を得てリサーチし、印税収入の上位25人をランキング表に示したもの。

昨年トップの鄭淵潔にかわって、今年1位になったのが、児童小説『淘気包馬小跳』(わんぱく少年・馬小跳)や『笑猫日記』(笑う猫日記)のシリーズで知られる楊紅桜。08、09年のそれぞれ3位から、一気にトップに躍り出た。
作品のこの10年の販売部数は計4000万部。代表作の1つ『淘気包馬小跳』は、03年7月の発売以来、これまでに全20巻となったシリーズものだ(販売部数は計1600万部)。わんぱく少年・馬小跳(マー・シャオティアオ)と仲間たちの友情や活躍を描いた物語で、「中国のハリー・ポッター」ともいわれている。これを原作とした漫画化や劇場・テレビのアニメ化も進められており、話題性も手伝って、作品の売り上げを伸ばしたようだ。

第2位は、「80後」の人気作家・郭敬明。07、08年はともにトップの座に輝いたが、09年から2年連続して2位に後退した。
とはいえ、ランキングがスタートしてから毎年上位を占めており、この5年間の印税収入は計7250万元(1元は約13円)。こちらは堂々の第1位だ。80後の若手ではあるが、人気作家の勢いだろう。
今年は、ベストセラー『幻城』から10年ぶりとなる幻想小説『爵跡』のシリーズ第1作が発売され、大ヒットした。
また、自らが編集長を務める月刊文芸誌『最小説』も好調だ。「80後」「90後(90年代生まれ)」の若手作家の新作を集め、最新の2010年10月号まで通巻46号。販売部数は毎号平均120万部に達し(09年)、主流文芸誌『人民文学』『当代』をはるかに上回る売れ行きを誇る。

第3位の鄭淵潔は、昨年の1位から後退。
85年創刊の児童向け雑誌『童話大王』(月2回発行)の唯一の執筆者兼編集長で、同誌の印刷部数は計1億を超える。ここから生まれた児童小説『皮皮鲁総動員』(ピピル総動員)のシリーズは、単行本にして全70巻構成で、これまでに50巻余りが出版された。テレビアニメ化されたエピソードも多い。
慈善活動にも積極的だ。08年四川地震、2010年青海地震にあたっては、被災各地に巨額の寄付をし、08年には胡錦濤国家主席から功労賞の「中華慈善模範賞」を受賞した。

過去5年間のトップ10【クリックで拡大】ランキング3位までは、入れ替わりはあれこの3年間、前述した楊紅桜、郭敬明、鄭淵潔の3人で占められている。
上位10位までを見ると、ネット作家としてブレイクした当年明月が4位、同じくネット作家の天下霸唱が10位にそれぞれランクされた。
7位に原作が映画化、テレビドラマ化されてヒットした李可、8位に「80後」作家のパイオニア・韓寒がランクされており、10位内の7人が児童文学やネット文学、青春小説の作家となった。
さらに25位までは、王蒙(24位)、賈平凹(25位)といった“正統派”のベテラン作家もかろうじてランクイン。だが、今年のランキングでは従来以上に、青少年向け出版物が優勢であることがわかる。

ディアもこうした傾向に注目。
「中国作家愛喫青春飯」(中国の作家は“青春飯”を食べるのを好む=青春ものに頼る)と評したのは、中国共産党の機関紙『人民日報』(人民網11月16日付)だ。
 http://society.people.com.cn/GB/13231737.html 

それによると、ランキングには中国出版界の現状――①読書人口の低年齢化(中国成人の平均読書量は年にわずか2冊未満)、②出版市場の娯楽化、功利主義化――などが反映されている。中国の作家たちが、売れ筋の「青春もの」に頼るというわけだ。
その上で、“富豪作家”は作品のいっそうの向上を、と苦言を呈する。
「『ハリー・ポッター』の作者、J・K・ローリングは、中国本土を訪ねてもいないのに、中国トップの富豪作家を超える9550万元を稼いだ。中国人作家の誰が外国でこんなに売り上げたか? 聞いたこともない」

中国メディアの中には「作家の良し悪しがお金で評価できるか?」「マスコミを使った大げさな宣伝なのでは?」といったランキングへの批判もあるが、有名な文化学者で社会科学院哲学所の研究員、李河氏はこう語る。
「作家富豪ランキングは、商業社会の文化の一部。(上位の作品は)伝統的なものと異なり、ビジネス時代の特徴がある。それを批判するばかりでは、現代社会の古代人だ。重要なのは、作品の真相と問題(意識)。と同時に、商業作品を伝統的作品の代わりにしてはならない」(『北京晨報』11月17日付)
 http://www.morningpost.com.cn/fukan/rwgc/2010-11-17/83111.shtml 

ランキングを現代文化の1つとした上で、商業作品と伝統的作品を別のジャンルとしてとらえている。
さて、2010年の作家富豪ランキングは、青少年向け出版物がポイントとなった。
来年もこの傾向は続くのか? ランキングに注目したい。

2000-2010年の外国人富豪作家【クリックで拡大】※ ご参考「中国で稼いだ外国人作家の富豪ランキング」(制作・呉懐堯氏)
中国大陸での印税収入で算出(2000~2010年11月)。
1位はJ・K・ローリング(英)、3位はダン・ブラウン(米)。日本の作家では、4位に村上春樹、10位に東野圭吾、11位に黒柳徹子、14位に渡辺淳一がランクインした。

※ ランキングの図表は中国メディアより。

 
   
   
bestsellere
総合
 

★『新京報』図書ベスト
(北京図書大廈、王府井書店、中関村図書大廈、三聯書店など、市内主要書店やネット書店のデータから統計)
2010年11月11日~11月17日

     
第1位:『蔡康永的説話之道』

第2位:『不一様的卡梅拉』

第3位:『橙:陪安東尼度過漫長歳月2』

第5位:『大投資家:牛股基因』

第6位:『打撈中国憤青』

第7位:『侯衛東官場筆記4』

第7位:『気場』

第9位:『包容的智慧Ⅱ 修好這顆心』
 

1.『蔡康永的説話之道』(蔡康永の話の道)
蔡康永・著 瀋陽出版社 2010年11月初版


台湾の人気司会者・蔡康永。本書では、人との会話を生きたものにする彼の奥義40本を収録。
「話題を押さえるにはどうする?」「敏感な問題はどう口を切る?」「話のオチは最後でなくてもいい」「誉めることについて」などをテーマに、魅力的な会話の達人になるための秘訣を教える。 


2.『不一様的卡梅拉』(異なるカメラ)、全6冊
ハインリッヒ絵(仏) 21世紀出版社 2006年10月初版


2~10歳向けの児童書。にわとりママのカメラとパパ、その子どもたちの冒険物語。
ある日、カメラの家に災難が発生。太陽が突然見えなくなってしまったのだ。パパは失業の危機にあった。そこで、にわとりたちを救うために、娘のカメリドが太陽を探しに行くのだが……。
美しい挿絵と、創造性に富んだ物語。親しみやすい内容で「子どもたちに読書の楽しさを教えるのに最適の本」などと親子の人気を集めている。 


3.『橙:陪安東尼度過漫長歳月2』(橙:アントニーについて過ごした長い歳月2)
安東尼・著 長江文芸出版社 2010年10月初版


豪メルボルンに留学したアントニー、24~26歳のときのエッセイ風記録。日常の1コマから旅の見聞、人生や命への思いまでを、若者らしい素直な筆致でつづる。
「嘘ばかりの大げさな人物伝が多い中で、私たちは身近な真実の物語を求めている。複雑で小さな感動を求めているのだ」「さあ、アントニーについて、ゆったりとした時を過ごそう」と本書(内容紹介)。中国の若者たちの留学熱も相まって、関心を集めている。 


4.『1988:我想和這個世界談談』(1988:この世界と話したい)
韓寒・著 国際文化出版公司 2010年9月初版


5.『大投資家:牛股基因』(大投資家:ブルの要因)
凱恩斯、楊永清・著 山西人民出版社 2010年11月初版


「牛股」(ニュウグウ)とは中国語で、株価の上昇が期待される株のこと。株価が上がることを英語でブル(牝牛)というところから来たようだ。
本書は、投機学を専門とする著者が、大投資家の「必経の路」(必ず通らなければならない路)をレクチャー。
「大投資家の秘密」「株式市場の三大周期の規律」「周期投資の5つの法」「ブルとベアの境界線」「適切な価格で買う」「高度成長業種、会社の分析」など、ブルにかかわる神秘の要因を解き明かす。
「一生に何度もない株投資のチャンスをつかめば、経済的自由を実現できる。貧富は往々にして、一念の間にある!」と読者を奮い立たせている。 


6.『打撈中国憤青』(中国憤青をすくい取る)
廖保平・著 北方文芸出版社 2010年11月初版


「憤青」(フェンチン)とは、中国語の「憤怒青年」を略した「怒れる若者」のこと。愛国者を自称するが、社会に強い不満を持ち、排他主義的な傾向が強い。
そんな憤青たちを、中国で初めて理論的に分析・解剖したのが本書。
コラムニストで評論家の著者が、「カルフール排斥運動」などに見られる憤青の特徴や行動、精神面を、政治経済的な背景を通して分析する。
「憤青の破壊的な情熱は、往々にして(国家)建設の情熱よりも大きい」
「民族主義の憤青に決然として言おう。『NO!こうした逆流に対して、我々は断固、攻撃するのだ!』」
現代の“憤青現象”を解き明かしつつ、「健全な自己実現こそが最大の愛国だ」などと怒れる若者に語りかけた異色の一冊。 


7.『侯衛東官場筆記4』(侯衛東の官界メモ4)
小橋老樹・著 鳳凰出版社 2010年11月初版


村から鎮(町)、県、市、そして省の政府へ。主人公の公務員・侯衛東の10年にわたる栄転ドラマを描くとともに、ベールに覆われた官界の実情と秘密に迫る。
第4巻では、侯衛東は共産党茂雲市委員会書記・周昌全の秘書として副市長の重大汚職事件の処理にかかわるほか、同書記代表として臨津県の鉱山の乱状を治めに行くのだが……。
清廉潔白な人あれば、陰険狡猾な人ありで、公務員の世界は千姿百態、陰陽怪気……。そんな得体のしれない官界の内情を、某市の局長の肩書きを持つ中国人作家・小橋老樹が自伝的小説にした。
シリーズは、今年6月出版の第1巻からこれまでに4巻を数え、物語も佳境に入った。 


8.『気場』(カリスマ)
ピケ・フィル著(米)=音訳 重慶出版社 2010年10月初版


世界の政界、経済界、芸能界などで金字塔を打ち立てた人物に共通したもの、それは「気場」(カリスマ)。
3000年前に中国やインド、エジプト、古代バビロニアでわずかに知られた、カリスマを運用し成功する秘密は、現在160カ国で流行。オバマ大統領からビル・ゲイツ、アリババ創業者のジャック・マーまで運用している。
人と人は、カリスマが近ければうまくいくという。ではカリスマとは何か? どのように得るのか? どう使えば、幸せや楽しさ、健康、愛が得られ、運命を変えることができるのか?
カリスマの秘密とそれを持つためのトレーニング、運用方法などを教え、自分の望みをかなえようと説いている。 


9.『包容的智慧Ⅱ 修好這顆心』(包容の智恵Ⅱ―この心の修行を積む)
星雲大師 劉長楽・著 江蘇文芸出版社 2010年10月初版


著者の1人、星雲大師は1927年中国江蘇省に生まれ、臨済宗48代伝承者となった後の49年に台湾へ。67年に仏光山を創建し、仏教の道場と学院を設けて布教に努めている。昨年、中国本土でもベストセラーとなった『寛心』(心を広く持つ)など著書多数。
また著者のもう1人、劉長楽氏は、香港・フェニックステレビの主席兼行政総裁(会長兼CEO)。
本書は、星雲大師と劉長楽氏が近年、仏光山の共同ドキュメンタリー制作などで交流を深めたことから生まれた。
釈迦は「一切唯心造」「心外無法」と「心」を説いた。自分の心を知れば「自在」(自由さ)を得ることができる。気力や意識、目標があれば、心を正すことができる。心を正しく持って大きなパワーを発揮しよう――本書はそう、心の修行の大切さを教えている。 


10.『幸福了嗎?』(幸せですか?)
白岩松・著 長江文芸出版社 2010年9月初


 
     

 

 

文・写真 小林さゆり
日本の各種メディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中。
著書に『物語北京』(五洲伝播出版社)
訳書に『これが日本人だ!』(バジリコ)

 

  Blog: http://pekin-media.jugem.jp/
   
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