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2010年03月   「かわいすぎる」漫画家に中国メディアも注目
   
   

「才色兼備」とネットで話題の漫画家、夏達さん(1)日本の漫画月刊誌『ウルトラジャンプ』(集英社)に幻想的なストーリー漫画「誰も知らない~子不語」を連載中の中国人女性漫画家・夏達(かたつ、シャア・タア)さんが、ネット上で評判になっている。
中国で発行されている雑誌『PSPe族』に掲載された夏達さんの写真がネット上に流出し、日本のファンらがその美貌に「なんという美少女」「かわいすぎる」と色めきたったものだ。
こうした人気の過熱ぶりに中国メディアも注目し、「美しい彼女の写真と漫画が、人々の目を“秒殺”(瞬殺)している」などと報道。「今後は“スター路線”を行くのか?」と、夏達さん本人に直撃インタビューをしたメディアも現れている。 

   
 

■「なんという美少女」と賞賛の声

『誰も知らない~子不語』より(1)夏達さんは、浙江省杭州市在住の28歳。高校時代から漫画を描き始め、漫画雑誌『北京卡通』(ベイジン・カートン、北京漫画)に発表した短編「成長」でデビューした。
大学在学中の2003年には、初の単行本『四月物語』を出版。繊細なタッチとたくみな心理描写で人気を集め、08年には第5回金竜(ゴールデンドラゴン)賞・最優秀ストーリー漫画の少女漫画部門金賞などを受賞した。
09年に『ウルトラジャンプ』で「誰も知らない~子不語」の連載をスタート。日本では同年10月に単行本1巻が発売された。現在、同作品は日中双方の雑誌で連載されているという。

「才色兼備」とネットで話題の漫画家、夏達さん(2)夏達さんが注目されたのは、中国で発行されている携帯型ゲーム機の専門誌『PSPe族』(プレイステーション・ポータブルe族)09年10月号の表紙とグラビアのモデルをつとめたことから。
その透き通るような白い肌とさらさらのストレートヘア、整った顔立ちは、まるで少女漫画から抜け出だしてきたような美しさだった。
PSPを手にした物憂げな表情や、セーラー服姿でにっこりと微笑む彼女の写真はたちまち評判となり、ネット上に大量に流出。これを目にした日本のファンやネットユーザーらが「なんという美少女だ」「中学生にしか見えない」「ようこそ、日本へ!」などと賞賛のコメントを次々と書き込んで、話題が話題を呼んでいった。

■漫画家のスター化か?

こうした日本での評判を、中国メディアも速報した。
『深圳特区報』は新華社サイトに転載された3月16日付電子版で、「漫画キャラクターより美しい 中国美女漫画家・夏達さん日本を風靡」との見出しをつけて報道。
「日本の読者が(夏達さんは)“日本人にも好まれる作品を描いた”と賞賛している」と伝えた上で、「(彼女は)日本のメジャー漫画雑誌に参入した中国初の漫画家」「日本の漫画ファンたちは、その容貌が漫画キャラクターより美しいと称えている」などと評した。

『誰も知らない~子不語』より(2)『深圳商報』は同3月18日付電子版で、日本で人気を集める夏達さんの情報が日本や欧米、国内の大手サイトのトップニュースになっており、「美しい彼女の写真と繊細なタッチの作品が、人々の目を“秒殺”している」と伝えた。
さらに「中国の漫画家も“スター路線”を行くのか?」として、専門家や夏達さん本人に直撃インタビュー。
日本で出版された『誰も知らない~子不語』が、『論語』の「子は怪力乱神を語らず」という言葉からインスピレーションを得たもので、(1)中国文化の色濃い作品であること、(2)主人公の子どもの目を通して神聖な大自然を描いたものであること――に触れ、その上で「重いテーマはふつう説教臭くなるものだが、こうした軽いタッチで描けば人の心に届きやすい」という中国の著名漫画家・姚非拉さんの評価を伝えた。
また「漫画家のスター化」を容認するのが、著名漫画家の金城さんだ。
「ビジュアル経済時代のいま、漫画家がスターになるのは(作品が)最も注目される手段でもある。(中略)夏達さんがこの間、ずっと原稿と闘ってきたことを知っているので、努力の成果が多くの人に見てもらえるなら、良いことでは」と語っている。

■「外見よりも作品を見て!」

もっとも当の本人は、人気の急騰にフクザツな心境のようだ。
「ルックスがいい」から、作品への注目度が高まったという見方に対して、夏達さんは「本当はそうであって欲しくない。外見でメディアの関心を集めたのは意外だったし、私の本意ではありません。“買櫝還珠”(マイドゥ・ホワンジュウ、箱だけ買って中身の真珠を返す、眼識がなくて誤ること)というのは、気まりが悪いことではないでしょうか?」と語り、外見よりも作品そのものを見てほしいと訴えている(『深圳商報』)。

『子不語』中国版の表紙今後については、「『誰も知らない~子不語』の連載を、日中双方の雑誌で続けていきます。日本で単行本1巻が出たのとほぼ同時に、中国でも単行本1~2巻を発売。絵本『哥斯拉不説話』(カスラは話さない)の仕上げももうすぐ終わります。テーマはまだヒミツだけれど、新しい連載も始まるかも……」などと述べて、売れっ子漫画家の片鱗をのぞかせている。

中国語版の作品『子不語(壹)』(新世紀出版社、2009年12月初版)を読んでみたが、構図やコマ割りの大胆さ、デッサン力の確かさなど、作品のクオリティーはかなりのレベル。背景なども細かく描き込まれており、中国チックなディテールまでもが楽しめる。

振り返れば、中国本土で大人の読者を対象としたイラスト本やストーリー漫画の単行本が現れはじめたのが、21世紀に入ってから。日本漫画の輸入版や海賊版に慣れ親しんだ80後(1980年代生まれ)が青年になってからのことだ(ご参照:「北京便り」2002年11月号、12月号、2003年3月号など)。
以来、中国の漫画産業は、漫画家の活躍の場(雑誌媒体など)がまだ少ないこと、報酬の安さなどからプロが育ちにくいという実情もあるが、それでも作品のクオリティーは全般的に向上している。

美貌の漫画家が、国境を超えて筆1本で活路を開くことができるかどうか? さらなる活躍に期待したい。

 
   
   
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総合
 

★『新京報』図書ベスト
(北京図書大廈、王府井書店、中関村図書大廈、三聯書店など、市内主要書店やネット書店のデータから統計)
2010年3月11日~3月17日

     
第1位:『把喫出来的病喫回去』

第2位:『手到病自除2』

第4位:『畢淑敏破解幸福密碼』

第5位:『齊白石:従木匠到巨匠』

第7位:『在中国如何当領導』

第9位:『為了公開:我当新聞発言人』

第10位:『紅楼夢八十回後真故事』
 

1.『把喫出来的病喫回去』(食べて生じた病気を食べて治す)
張悟本・著 人民日報出版社 2009年11月初版


著者は、中医学食事療法専門家(中国中医科学院 中医薬科学技術合作センター 首席食事療法普及専門家)で、同科学院の研究員。
「最良の医者は自分、最良の病院はキッチン、最良の薬は飲食、最良の効き目は堅持すること!」をモットーに、中国の自然哲学・五行思想などをとりいれた食事療法をわかりやすく説く。
糖尿病、高血圧、腫瘍、ぜんそく、肥満などの慢性病に対して中医学の分析を加え、その上で、それぞれに適した食事療法を伝授。食事による体質改善を唱えて「(病気持ちでも)終生薬を飲む必要はない!」という。 


2.『手到病自除2』
楊奕・著 江蘇人民出版社 2010年2月初版


『手到病自除』(ひとたび手を下すと病気が自ずと治る)の第1巻は、昨年8月の発売以来、ベストセラーに。
「中国名医フォーラム」の専門家であり自然療法の大家である著者が、基礎マッサージ法と人体の“反射区”(反応ポイント)への刺激で、自然治癒力を活性化させる方法を教えている。 


3.『小時代2.0 虚銅時代』(TINY TIMES 2.0)
郭敬明・著 長江文芸出版社 2010年1月初版


4.『畢淑敏破解幸福密碼』(畢淑敏が幸せのコードを説く)
畢淑敏・著 江蘇人民出版社 2010年2月初版


国家一級作家であり、内科医、心理カウンセラーである著者が、中国中央テレビ(CCTV)の人気レクチャー番組「百家講壇」の講座などをまとめた。
コンプレックス、うつ病、悲観、死への恐れといった人間の“深層意識のキズ”を理解して、いかによりよい心のバランスを取るか――。豊富な実例を挙げながら、心理学、医学、人文科学の角度から「幸せをつかむコード」をやさしく説き明かす。


5.『齊白石:従木匠到巨匠』(齊白石:木匠から巨匠へ)
呂立新・著 北京出版社 2010年1月初版


中国書画鑑賞の研究家でありコレクターである著者が、中国中央テレビ(CCTV)の人気レクチャー番組「百家講壇」の講座をまとめた。
現代中国画の巨匠といわれる、齊白石(1864-1957年)。
貧農に生まれ、独学で絵を描いた少年時代から、木工として頭角を現した青年時代、師匠について本格的に画を学び、中国全土を渡り歩いて視野を広げた壮年時代、詩書画印の制作に専心した中高年時代まで……。齊白石の各年代を振り返りつつ、その成功への軌跡や人となりから、今日への啓示を改めて探る。 


6.『失落的秘符』(ロスト・シンボル)
ダン・ブラウン著(米) 朱振武ら訳 人民文学出版社 2010年1月初版


7.『在中国如何当領導』(中国でいかにリーダーになるか)
曽仕強・著 北京大学出版社 2009年11月初版


著者は、イギリス・レスター大学の管理哲学博士で、中国管理哲学を30年近く研究、「中国式管理の父」といわれている。
本書では、(部下への)有効な意思の疎通、正しい励まし方、時宜にかなった権限の与え方など、中国の理論思想「以人為本」(人間本意)にのっとったリーダーの法則について詳述。
2005年に出版された『中国式領導』(北京大学出版社)に加筆修正した改訂版になるという。 


8.『好媽媽勝過好老師』(よい母はよい教師に勝る)
尹建莉・著 作家出版社 2009年5月第5刷


9.『為了公開:我当新聞発言人』(公開するため:私はスポークスマンになる)
王旭明・著 作家出版社 2009年8月初版


著者は大学卒業後、中学・高校教師を経て『中国教育報』の記者、編集長室主任などを務めた。その後、1998年から教育部(省)の第3代スポークスマンに。現在は、語文出版社社長の任にあるほか、テレビの教育番組や人気ブログなどで活躍中。
本書は、「改革・開放の30年は、中国の教育改革の30年であった」として、著者がスポークスマンを務めていたときの実践理論と考え方をまとめたもの。
「教育ニュースの記者会見は、教育ニュースをよりよく宣伝するための重要な手段の1つ」だとして、情報公開の理念をつねに探求していたという。


10.『紅楼夢八十回後真故事』(紅楼夢80回後の真物語)
劉心武・著 江蘇人民出版社 2010年3月初版


2005年につづき、今年3月ふたたび中国中央テレビ(CCTV)の人気レクチャー番組「百家講壇」に登壇した著者(現代作家)の講座をまとめた。
『紅楼夢』の登場人物たちの変化に富んだ運命を、全120回のうち最後部の80回以降について解読。作者・曹雪芹が本来まとめていた全108回のナゾについてや、のちに高鶚が書き足して全120回の通用本としたナゾについて、また登場人物の行く末について、従来の「紅学」(紅楼夢学)に一石を投じる“真物語”を紹介している。


 
     

 

 

文・写真 小林さゆり
日本の各種メディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中。
著書に『物語北京』(五洲伝播出版社)
訳書に『これが日本人だ!』(バジリコ)

 

  Blog: http://pekin-media.jugem.jp/
   
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