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2009年9月   古建築を復元、「西四新華書店」の改修進む
   
   

南側から見た、修復中の西四新華書店北京市の中心部、西城区にある古くからの書店「西四新華書店」の改修が進められている。清代末期の古建築を復元し、歴史的な街並みを残そうとする同区の文化プロジェクトの一環だ。
新中国の建国60周年となる国慶節(10月1日)までには外部工事を終える予定。9月中旬に訪れたこの日も、現場では建設の槌音が高く響き、大勢の労働者たちがせわしなく働いていた――。 

   
 

■外部工事を急ピッチで

西四新華書店を北から見る西四新華書店は、南北の通り「西四(南北)大街」と、東西の通り「阜成門内大街」が交わる十字路の西北側に位置している。
訪れたこの日、往来の激しい通りの向かいから全容を眺めてみた。現場はあいにく緑色の工事用ネットにすっぽりと覆われていたが、大勢の労働者たちが足場の上をあわただしく行き来している姿が見えた。
木製の飾り窓地元紙によれば、書店は国慶節までに外部工事を完成させる予定。木材とレンガ、瓦屋根による二階建てで、東棟と南棟が「L」字型につながる構造になるのだという(総建築面積は440平方メートル)。
近くまで寄ってみると、新しい木製の飾り窓はすでに嵌められていたものの、仕上げの塗装はまだまだといったところ。それでも国慶節を前にして、急ピッチで作業が進められているようだった。

■西太后の還暦祝いの文化財

建物はもともと清代光緒20年(1894年)に、時の権力者・慈禧太后(西太后)の60歳の誕生日を祝って造られたもの。通りを挟んで東北側の向かいに残されている古建築(現・工商銀行)と対になっており、「西四街楼」と呼ばれていた。
中華民国時代には、百貨店として利用された。1949年の新中国成立後は1階を書店、2階を交通警察の事務所としてそれぞれ使い、のちに建物全体を書店として利用するようになったのだという。

向かい(東北側)の中国工商銀行1980年代になると、向かいの工商銀行が建物を復元したため、創建当時の姿をのこす「西四街楼」は新華書店のみとなった。しかも、それは北京の旧城(現・二環路以内にあたる)にあって唯一“本籍”の十字路に残されており、区級の「文物保護単位」(文化財)に指定される貴重な建築物でもあった。

ところが2005年5月に、ちょうどこの下を走ることになった地下鉄4号線の工事にあたり、同書店の柱の損壊や建物の傾斜、さらには地盤沈下が発見された。その後、2007年6月末に書店の営業が停止され、改修工事が進められていたのだという。

■地下鉄開通でにぎわい増す

西四新華書店の完成予想図(新浪網より)今回の改修工事は、建物を創建当時のとおりに復元し、このエリアに歴史的な街並みを残すことを目的としている。
創建100年余りの古い建物のため、これまではジュラルミンの窓や扉を使って一部補修をしていたが、今回は「錦格窓」と呼ばれる古式の木製・飾り窓を使用。室内の柱や梁にはおめでたい「瑞雲」をデザインした彩色画を施して、インテリアには新たにモダンな雰囲気を取り入れる計画だという。
古建築の専門家の中には「厳格に復元するのであれば、できるだけもとの建材を使い、古式にのっとった建築をすべきだ」と、モダンな内装プランには異議を唱える人もいるという。
これに対し、同書店の経営者・牛守義氏はこう反論する。
「まだ使える柱や梁なら修復・補強して、再利用する。改修後の西四書店は、今後100年は利用できるはずだ」
リニューアルオープン後は、従来通り、書籍やCD、DVDなどを取り扱うが、「書店の歴史紹介コーナーを設けることも検討中」だとか(『法制晩報』8月27日付)。

9月末には、市内西部を南北に貫く新しい地下鉄「4号線」が開通する予定である。
この書店のそばにも「西四駅」がお目見えし、西四エリアが一層にぎわいを増すことが期待されている。
書店の工事はいささか遅れ気味のようではあるが、早晩ここが“新旧”の出合う交差点になることは間違いがない。21世紀に現れる清代の街並み「西四新華書店」界隈にタイムトリップしてみるのも、また興味深いことだろう。

 
   
   
bestsellere
総合
 

★『新京報』図書ベスト
(北京図書大廈、王府井書店、中関村図書大廈、三聯書店など、市内主要書店やネット書店のデータから統計)
2009年9月4日~9月10日

     
第1位:『朱鎔基答記者問』

第2位:『手到病自除』

第3位:『歴史是個什麼玩意兒1』

第5位:『我兎斯基你』

第6位:『中国大趨勢』

第7位:『宿主』

第10位:『立志要趁早』
 

1.『朱鎔基答記者問』(朱鎔基が記者の質問に答える)
《朱鎔基答記者問》編集組・編 人民出版社 2009年8月初版


「中国のゴルバチョフ」と称され、その決断力と指導力が高く評価された経済開放推進派の朱鎔基前首相。
引退して7年近くになるが、その在任中の記者会見での発言や海外講演の内容をまとめたのが本書。第9期全国人民代表大会(全人代)第1回会議の記者会見での発言(1998年3月)から、カンボジアで中国の国家建設について講演したときの内容(2002年11月)まで60本が収められる。
経済のマクロコントロールの強化や世界貿易機関(WTO)への加盟など、当時の中国政府が定めていた政治・経済政策とその課題が浮き彫りにされる。内容の大半が「国内初公開」だといわれている。 


2.『手到病自除』
楊奕・著 江蘇人民出版社 2009年8月初版・10月第3刷


タイトルは、もともと「手到病除」(ひとたび手を下すと病気がたちどころに治る)という「名医」をあらわす成語からきている。本書では、それをさらにひねった「自除」(自ずと治る)という言葉がポイントだろう。
著者は「中国名医フォーラム」の専門家であり、自然療法の大家。16歳のころから、針灸やマッサージの技術を習得。人体にある“反射区”(反応ポイント)を刺激して、人体の治癒力を活性化させる――という理念を実践している。
本書では、押す、揉む、こするなどの基礎マッサージ法などに“反射区”を組み合わせた健康法と病気の治療法を伝授。心臓病、糖尿病、不眠、扁桃炎などに効くという、手のひらや足の裏のマッサージ法を詳述している。 


3.『歴史是個什麼玩意兒1』(歴史って何だろう1)
袁騰飛・著 上海錦綉文章出版社 2009年8月初版


高校の歴史教師で、中国中央テレビ(CCTV)の人気レクチャー番組「百家講壇」(「両宋風雲」)にも出演中の著者が、高校生のインターネット授業用の映像を読み物としてまとめたもの。
本書はその「袁騰飛が中国史を説く」シリーズの上巻。第一章「青銅時代の中国人」(先秦)から第七章「異族の終結者」(清)までを収め、カラー図表を用いながらわかりやすく解説する。
「(このレクチャーで)生徒たちの歴史への興味をやしない、人々の教養を高めたい」と著者は語る。


4.『貨幣戦争2 金権天下』
宋鴻兵・編著 中華工商連合出版社 2009年8月初版


5.『我兎斯基你』(I,TUZKI,U?)
王卯卯・著 陽光出版社 2009年7月初版


兎斯基(Tuzki)という名前のウサギが繰り広げるシュールな日常を、オールカラーのイラストで描く。
「縁には、辛抱強さと運が必要」「悩みはラビリンス(迷宮)、覚醒は唯一の出口」「距離は別に恐れない。恐れるのは心がだんだん遠くなること」といった警句とともに描かれる“脱力系”のウサギのイラストがおもしろい。
作者が2006年にブログでTuzkiのイラストを発表したところ、人気に火がつき、09年3月に第1作品集である本書(繁体字版)を香港と台湾で出版。本書は大陸での簡体字版の第1作目になるという。 


6.『中国大趨勢』(CHINA'S MEGATRENDS)
ジョン・ネスビッツ(米)など著 魏平・訳 中華工商聯合出版社 2009年9月初版


『メガトレンド』『メガトレンド・アジア―アジアの8大潮流が世界を変える』などの著作で知られる米国No.1の未来学者が、21世紀のいま、中国に押し寄せてきたメガトレンド(巨大潮流)を分析し、それが世界に与える影響を徹底予測する。
サブタイトルは「中国新社会の8大支柱」で、8大支柱とは現代中国のトレンドである「解放思想」「自由と公平」「芸術と学術の芽吹き」「グローバリゼーション」などを指している。
「中国の新しいビジネスモデルは、中国を世界経済のトップクラスへと押し上げた。さらにその政治モデルも、資本主義が人類史における1つの段階でしかなかったことを証明した」と著者。台頭する中国という「新社会」を、世界的な角度から分析したタイムリーな1冊。 


7.『宿主』(The Host)
ステファニー・メイヤー著(米) 李令慧など訳 接力出版社 2009年8月初版


アメリカのティーン向けベストセラー小説「トワイライト・シリーズ」で知られる作者のステファニー・メイヤーが、初めて大人向けに書いたSFロマンス。
エイリアンに侵略された未来の地球を舞台に、エイリアンに寄生されてしまった主人公メラニー・ストライダーと、その肉体と魂をむしばもうとするエイリアンとの心の戦いが繰り広げられる。
アメリカでは出版早々ベストセラーになったそうだが、中国でも翻訳版の『暮光之城』(トワイライト)シリーズ同様、早くも注目を集めている。


8.『蒼黄』
王躍文・著 江蘇人民出版社 2009年8月初版


9.『明朝那些事儿(大結局)』(明朝それらのこと 完結編)
当年明月・著 中国海関出版社 2009年4月初版


10.『立志要趁早』(立志は早めに)
兪敏洪など編著 陝西師範大学出版社 2009年9月初版


サブタイトルに「青少年の運命を変える激励の書」などとある。
中国で最も優秀な学生10人の成長と成功のプロセスを紹介しながら、中国で最も実績のある教育専門家10人の評価を加えている。
アメリカのエール大学、スタンフォード大学などに進学し、自分の進むべき道に向かって努力する優等生たちが、同世代の子どもに送るエールが「優秀(な人材)になりたかったら、まず志を立てること、早ければ早いほどいい」。
子どもたちには、早めに自分の正しい方向性をみきわめること、教師にはより多くの教育法を身につけ、子どもたちの成長過程に多くのヒントを与えることが重要だと説いている。


 

 
     

■北京便り――おわりに
 
手前味噌ではありますが、このたび、私にとりまして初の翻訳作品となります新刊『これが日本人だ!』(王志強・著、バジリコ刊)が出版されました。
「読んで首肯するか、立腹するか」という挑発的なコピーが、オレンジ色の帯に躍っています。
本書は、滞日年数も長い知日派の中国人が、本国の中国人のために書き下ろした日本および日本人の解説書『如此日本人』(中央編訳出版社)を邦訳したものです。
そこには日本人への遠慮もなければ、歯の浮くようなお世辞もないリアルな対日認識が記されています。日本人からすれば、認識の違いもあるし、異論のある部分もあります。しかし、学者や専門家ではない一般の中国人が、日本人をどう見ているのかを知る上で、本書は大変参考になるはずです。
世界の多極化は進み、中国は勢いよく台頭、日本では歴史的政権交代が行われました。日中両国は日本の新政権においても関係を強化していくことは間違いがなさそうですが、双方ではいまだに相手の国と国民に対する理解不足や誤解があり、問題視されています。相手国にマイナスイメージを持つ人がそれぞれ6~7割に達するという最近の日中世論調査もありました。
日本人は今こそ隣国の人々について深く知るべきではないか。その上で、日本と中国の新しい協力関係を築く時がきているのでは? そうした意味でも本書の日本語版が、現代日本人に示唆するものは大きいと考えています。
日中相互理解を促進するための必読書、『これが日本人だ!』――。1人でも多くの皆様にお読みいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

 

 

文・写真 小林さゆり
日本の各種メディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中。
著書に『物語北京』(五洲伝播出版社)

 

  Blog: http://pekin-media.jugem.jp/
   
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