1.『蒼黄』
王躍文・著 江蘇人民出版社 2009年8月初版
現代作家・王躍文の官界小説。タイトルの「蒼黄」とは「青に染まれば青く、黄に染まれば黄色になる」という墨子の言葉から取られており、大きな変化を意味するという。
中国・烏柚県の県幹部には、2人の劉星明という人物がいた。1人は中国共産党・県委員会の書記、1人は常務委員。
この2人をとりまき、陳情が原因で精神病院に送られた県の元物価局長、元財政局副局長、商売がらみの陳情があいついだ民営企業家の県知事助役など“官界”にかかわるさまざまな人間関係が描かれる。
「王躍文の文字には、深い憂いと鋭い批判精神がしみこんでいる」「官界小説の第一人者が、蟄居10年にして剣を磨いた」などと評判になっている。
2.『貨幣戦争2 金権天下』
宋鴻兵・編著 中華工商連合出版社 2009年8月初版
2007年のベストセラー『貨幣戦争』(中信出版社)の第2弾。著者は、米ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫=住宅安定供給を目的に設立された特殊銀行)と、米フレディマック(連邦住宅金融抵当金庫)のハイレベル・コンサルタントなどを歴任し、現在は国際金融学者として知られている。
本書は、欧米を中心とする国際金融勢力の歴史や発展、その秘められた情報網をひもとき、新世代の中国戦略家たちの参考に、とまとめられた。
世界統一通貨は2024年に実現するか? 中国が保有する巨額のドルはどうなる? といった関心事についても、渾身のレポートを寄せている。。
3.『明朝那些事儿(大結局)』(明朝それらのこと 完結編)
当年明月・著 中国海関出版社 2009年4月初版
4.『無条件信任的力量』(無条件の信用の力)
朴鐘夏・著(韓) 千太陽・訳 中国友誼出版公司 2009年7月初版
その昔、アフリカのある青年が「9頭の雌牛」を結納にすると約束して、意中の女性だった酋長の娘との結婚を成し遂げたという。
本書はアフリカに伝わるこの「9頭の雌牛」の物語をベースに、無条件で相手を信用すること、互いに信頼しあうことの大切さと、そこから生まれる不思議なパワーについて述べている。
中国の不動産デベロッパーの第一人者・潘石屹氏(SOHO中国会長)をはじめ、ビジネス界、教育界など各方面から賞賛の声が寄せられている。
5.『盗墓筆記(伍)』(墓盗掘ノート5)
南派三叔・著 中国友誼出版公司 2009年7月初版
6.『季羡林読書与做人』
季羡林・著 国際文化出版公司 2009年7月初版
今年7月11日に北京で死去した、現代中国を代表する言語学者で文学者の季羡林氏(享年98歳)。中国では「国学大師」と敬称されている。
本書は、季羡林氏が最後に版権契約をしたという1冊であり、その学問の生涯や人生、師友をテーマにした散文、随筆など60本あまりを収めている。
帯には、かつて温家宝首相が氏の94歳の誕生日に寄せた「先生の人品を深く敬慕する」という祝辞が記されている。。
7.『山西煤老板』
王進・著 作家出版社 2009年7月第4刷
“山西煤老板”(山西省石炭企業オーナー)という特殊なポストに焦点をあて、それを利用して展開される官界と企業との共謀をあばく。官界の腐敗といった現代中国が直面する問題にメスを入れた“反腐敗小説”だ。
中国のめざましい経済発展を追い風に、一夜にして成金になった“山西煤老板”たち。官界と結託し、地位と名誉まで手に入れていくのだが……。正義と悪の戦い、人間性への問いかけなど、中国暗部の暴露にとどまらない社会派のヒューマンストーリーとなっている。
8.『暮光之城:破暁』(トワイライト:Breaking Dawn)
ステファニー・メイヤー著(米) 張雅琳ほか訳 接力出版社 2009年5月初版
9.『全世愛Ⅱ・絲婚四年』(SO IN LOVEⅡ 絹婚4年)
蘇小懶・著 長江文芸出版社 2009年7月初版
2008年6月に出版されたラブストーリー『全世愛』(全世界所有的愛)の第2弾。
南方出身の典型的なこがらな男性・木木と、北方出身の典型的な大がらな女性・小懶の結婚4年の生活を描く。“80後”(1980年代生まれ)の女性ライター・蘇小懶のコメディタッチの私小説で「爆笑小夫妻日記」とも。
「独身族必見の恋愛宝典」「恋人を誤らないための恋愛結婚指南」などとコピーにある。
10.『好媽媽勝過好老師』
尹建莉・著 作家出版社 2009年5月第5刷
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