1.『中国不高興』(中国は不機嫌だ)
宋暁軍 王小東など共著 江蘇人民出版社 2009年4月第4刷
13年前に出版され、ベストセラーになった『中国可以説不』(ノーといえる中国)の続編といわれており、国内外で大きな話題を呼んでいる。3月12日の出版後10日余りで10万部を販売、1カ月後の4月にはすでに第4刷を重ねている。
その内容は「中国は世界的大国として、西側に対抗しなければならない」「剣を手にビジネスをする。それが大国勃興の勝利への道だ」などといった民族主義的主張に満ちたもの。中国の対米協調にも不満を向ける。
著者に名を連ねる宋強は『中国可以説不』の執筆メンバーの1人でもあり、「中国のような上昇勢力は、排除されるよりも覇権国になる選択をすべきだ」と強調している。
ネット上の大手ポータルサイトの多くに「不機嫌な中国フォーラム」があり、賛否両論が巻き起こっている。オリンピックを開催し、最大の対米債権国となった中国が世界に放つ、2009年の同国をシンボライズする書であることは間違いがない。
2.『明朝那些事儿(大結局)』(明朝それらのこと 完結編)
当年明月著 中国海関出版社 2009年4月初版
大手ポータルサイト・新浪ネットのブログが火を噴き、書籍化されたのが2006年9月。以来シリーズ化されて、合計約500万部のベストセラーに。本書はその完結編。
明代末期、後金(清)軍の侵攻を防いだ名将・袁崇煥は、策略を疑われて誅殺される。流賊出身の李自成の軍に包囲された崇禎帝は自殺、明は滅亡するのだった……。
末期的な動乱の時代を、小説仕立てで生き生きと現代によみがえらせた。足掛け4年、計7冊のシリーズになった大作は「ここ30年間で最もヒットした史学読本」と評価されている。
3.『自立』(SELF-RELIANCE)
ラルフ・ウォルド・エマソン著(米) 蒲隆訳 法律出版社 2009年4月初版
「オバマ米大統領の一番の愛読書」というキャッチコピーが帯にある。「自己啓発の祖」といわれる米国の思想家ラルフ・ウォルド・エマソン(1803-1882)の代表作にして古典的名著の中英2カ国語版。
「真理は自分の内にある」「人が強くなり、栄えるのを見ることができるのは、その人が独り立ちしたときだけだ」……。
自立と自己信頼の大切さを説き、世紀を超えて世界の人々を勇気づけてきた人生哲学書。日本では『自己信頼[新訳]』として、海と月社から翻訳本が出版されている。
4.『声息』
夏茗悠著 新世界出版社 2009年3月初版
作者は1988年生まれの「80後」(80年代生まれ)世代で、北京大学のラジオ・テレビ演出専攻の女子学生。94年に処女作「小星星」を雑誌に発表して以来、「全国新概念作文コンテスト」で1位になるなど数々の文学賞を受賞している「北大才女」だ。
物語は、不慮の火事により家族や美貌を失った少女が、整形と改名を経て女性2人組の歌手ユニットとして成功を収めるが、ある日放火事件の容疑者と接触することになり……。
若さゆえの残酷さとロマン、愛と孤独、悲哀と幸せのコントラストを際立たせたという青春ヒューマンストーリーだ。
5.『両生花』
沈星著 長江文芸出版社 2009年3月初版
香港の衛星テレビ局・フェニックステレビ(鳳凰衛視)で「娯楽大風暴」「美女私房菜」などの人気番組を担当する女性司会者、沈星の初の自伝的エッセイ集。長江文芸出版社刊で、いずれもベストセラーになった陳魯豫の『心相約』、曽子墨の『墨跡』につづく、フェニックステレビ人気司会者シリーズの第3弾だ。
珠海テレビ、北京テレビ、中国中央テレビとさまざまなテレビ局でキャリアを積み、2004年末からフェニックステレビに席を移した沈星。テレビ局でのハードな仕事から温かな家族、友人、愛情などのプライベートに至るまで、真摯に向き合い、思いのままに綴っている。
作家の余秋雨氏が序文を寄せており、「私が着眼したポイントは、本書の中にある文学的元素だ」と評している。
6.『我的団長我的団』(下)
蘭暁龍著 新星出版社 2009年1月初版
7.『杜拉拉2 華年似水』(杜拉拉2 青年は水の如し)
李可著 陝西師範大学出版社 2009年1月初版
8.『西決』
笛安著 長江文芸出版社 2009年3月初版
中国の若手人気作家・郭敬明が取締役社長を務め、中国最先端のカルチャーシーンを生み出している「上海柯艾文化伝播有限公司」(上海柯艾)の創立3周年記念作品。
同社がプロデュースする月刊誌『最小説』で発掘されたのが「80後」作家・笛安の『西決』で、郭敬明は「創立3年来の最高水準(にある作品)だ」と賞賛を惜しまない。
ポップな青春文学とはかけ離れた、親の世代の家庭倫理観がテーマ。主人公の鄭西決から見つめた、鄭家2世代にわたる人間関係に複合的に迫った異色の小説だ。
9.『銭文忠解読《三字経》』(上)
銭文忠著 中国民主法制出版社 2009年2月初版
10.『老子的帮助』(老子の助け)
王蒙著 華夏出版社 2009年1月初版
|