1.『相知紐約』(ニューヨークとつきあう)
張宏喜著 世界知識出版社 2005年1月初版
中国の駐ニューヨーク総領事(大使に相当)として1999~2003年まで赴任、アメリカの同時多発テロ「9.11」の目撃者でもある著者が、当時の記録などをもとに、在任中の外交活動や暮らしについてふりかえる。
「中国ではほとんど忘れられているが"六・四"(天安門事件)は、なお国外で話題になる」「不法(中国人)滞在者問題に直面して」「アメリカのイラク戦争をニューヨークで見る」など、外交官としての立場ながら、敏感な政治や外交、社会問題について率直に語っている。著者は現在、中国人民政治協商会議全国委員会委員(全国政協委員)。世界知識出版社の編集長も兼任している。
2.『菊与刀』(菊と刀)
ルース・ベネディクト著(米)/呂万和など訳 商務印書館 2003年11月北京第10刷
3.『培養靭性』(原題『The Power of Resilience』)
ロバート・ブルックス サム・ゴールドスティーン著(米)/彭一勃など訳 機械工業出版社 2005年4月初版
中国語のタイトルは「強靭性(粘り強さ)を養う」、サブタイトルは「人生のプレッシャーに、落ち着いて対応する」だ。
「人の思いを善意にとらえる」「自他ともに受け入れる」「関係をはぐくみ、同情をよせる」など、粘り強さと積極性によって人生のプレッシャーをはねのけていくことの大切さを、豊富な事例を交えてアドバイスする。
これとは別に、日本では同じ2人の著者による『アメリカに学ぶいじめ・逆境に強い子を育てる10の心得』(学研)が翻訳出版されている。
4.『達・芬奇密碼』(原題『THE DA VINCI CODE』)
ダン・ブラウン著(米)/朱振武 呉晟 周元暁訳 上海人民出版社
5.『非常道:1840~1999的中国話語』
余世存編 社会科学文献出版社 2005年5月初版
清代末期から現代までの約160年間を、歴史的人物の特徴的なエピソードとそのことばであぶりだす。
史景、政事、文林、武運、革命……などの32章にわかれているが、たとえば「政事」の章では、1945年の日本敗戦の際に、蒋介石が当時の中国政府を代表して「徳をもって恨みに報いる」というラジオ放送を行ったこと。また、「性情」(性質)の章では、女流作家の張愛玲(1920~95)が、王兆銘内閣の高官で、評論家の胡蘭成に「理解したので、哀れいつくしみます」というラブレターを送ったこと(2人はのちの一時期、内縁関係になる)など、興味深いエピソードが満載。
歴史の断片を"血のかよった生身の人間の足跡"として、より身近にとらえることができそうだ。
6.『細節決定成敗』(ディテールが成敗を決める)
汪中求著 新華出版社 2005年3月北京第20刷
7.『関于上班這件事』(出勤することについて)
朱徳庸著(台湾) 中信出版社 2005年4月初版
その作品がことごとくベストセラーになり、人気のテレビドラマ(『双響炮』)にもなった台湾の売れっ子漫画家・朱徳庸の最新作。繊細なタッチ、独特なキャラクターの4コマ漫画は、なおも快進撃をつづけている。仕事や家庭に翻弄されるサラリーマンの切なさがコミカルに描かれていて、思わずクスリとさせられる。
8.『従優秀到卓越』(優秀から卓越へ、原題『GOOD TO GREAT』)
ジェームズ.C.コリンズ著 兪利軍訳 中信出版社 2004年9月第14刷
コリンズの研究チームは、優良企業1400社あまりの過去数十年にわたる分析を行い、業績を伸ばしつづける一流企業を選びだした。それは、ジレットやフィリップ・モリスなど11社。「優良企業から一流企業に、どうしたらなれるのか?」。彼らが導き出した答えは、「仕事をまじめに貫徹する」という最も基本的な経営哲学にあった……。難しい内容だが、グラフや表を駆使してわかりやすく説明している。企業がさらなる繁栄をめざすための必読の書!
9.『偉大的博弈:華爾街金融帝国的崛起』(原題『The Great Game』)
ジョン・スティル・ゴードン著/祁斌訳 中信出版社 2005年4月第4刷
ニューヨーク市の南端マンハッタン地区にあるウォール街は、アメリカのみならず世界の金融・資本市場の中心である。本書は、そんなウォール街の歴史書であり、アメリカ金融史と経済史のバイブルでもある。
写真や挿絵を交えてはいるが、中国語で370ページにおよぶ大著。1653年、オランダ人が植民したことによる街の誕生から、1929年の世界的大恐慌を経て、第2次大戦後に世界最大の金融市場となるまで、ウォール街の350年をこの一冊にまとめている。
「アメリカ経済の成功は、資本市場と実体経済が協同発展したという、すぐれた例証である」と本書。訳者の祁斌氏は「資本市場のゲームは、大国のゲームと盛衰に波及した」と冷静に分析している。
10.『傾城傾国』(絶世の美女)
凌力著 長江文芸出版社 2005年2月初版
女流作家・凌力の歴史長編小説。明代末期の動揺する社会を舞台に、西洋火砲の研究と利用に功績のあった英雄・孫元化の出世と栄華から、部下の反乱で朝廷に処刑されるまでの数奇な運命を描く。史実をヒントに、複雑な宮廷社会やリアルなまでの戦場風景、英雄の愛と死をいきいきと描き、「多年にわたる作家渾身の作」として高く評価されている。
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