1)『狼図騰』(オオカミのトーテム)
姜戎著 長江文芸出版社
2)『一路格桑花』(ゲーサンメド)
党益民著 解放軍文芸出版社 2004年9月北京第2刷
「ゲーサンメド」とは、チベット高原に生息する高山植物の名前。チベット語の「ゲーサンメド」を「格桑花」などの中国語にあてている。「幸せの花」の意味もあるという。
女性記者の安寧が、チベットで見聞きする武警(武装警察)交通部隊員の過酷な暮らし。それは、秘境の高地で命や青春を投げだして仕事に生きる男たちと、彼らをとりまく女たちの壮大な人間ドラマであった――。本書の作者で、中国作家協会会員の党益民自身も、武警交通指揮部の宣伝部長だ。
3)『中国式離婚』
王海鴒著 北京出版社 2004年9月初版
宋建平と林小楓など3組の中年夫婦が、離婚の危機に直面する。心と体の不一致が、思いやりのない冷たい関係に発展してしまい……。浮気を理由としない中年インテリの危うい家庭生活を描き、「現代中国の離婚事情を、初めて深く掘り下げた小説」として注目を集めている。
さきごろ、中国中央テレビ(CCTV)で放送されて人気を呼んだテレビドラマ『中国式離婚』(全23回)は、この原作を改編したもの。
4)『達・芬奇密碼』(原題『THE DA VINCI CODE』、ダ・ヴィンチの暗号)
ダン・ブラウン著(米) 朱振武/呉晟/周元暁訳 上海人民出版社
5)『狼的誘惑』(オオカミの誘惑)
可愛淘著(韓) 世界知識出版社 2004年8月初版
『那小子真帥』シリーズに続く、韓国の女子大生作家のキャンパス・ラブストーリー。ベストテン8位に、前作の『那小子真帥2』がランキングされている。
6)『青年文摘・人物版珍蔵本 靠自己去成功』(自分を信じて成功をつかむ)
中国青年出版社 2004年5月初版
青少年向けの月刊誌として1999年に創刊された『青年文摘・人物版』。これまでに3000編もの実話や伝記が紹介されたが、本書はその創刊5周年を記念して再編集されたダイジェスト版だ。中国社会科学出版社につづいて、中国青年出版社からも、このシリーズ本が出版された。作家・池莉の「人間らしさとは」、作家・王蒙の「どのように自分の一生を決めたか」など、青少年に勇気と希望を与えるエッセイが収められている。
7)『借我一生』(わが一生を借りて)
余秋雨著 作家出版社 2004年8月初版
人気作家・余秋雨の初の自叙伝。幼年期から大学、学院長時代の足跡をはじめ、数々の名作を生みだした経緯を振り返る。
とりわけ世間の注目を集めているのが、「文革」時代の経歴だ。
当時、彼は上海の「文革」推進派グループとして "大批判写作組"に参加、"ブルジョア反党路線"に対する批判文を発表していたという"風評"に対して、「当時の私は農村に下放されており、上海に帰ったことは一度もない」「"大批判写作組"とはいっさい関わりがない」という反論を展開している。
しかし、一部の研究者からはなおも「余秋雨の自伝の真実性は疑わしい。虚言である」などの指摘が出ており、本書はその文学性のみならず、ゴシップ的にも大きな話題となっている。
8)『那小子真帥2』(イケてるあいつ)
可愛淘著(韓) 世界知識出版社 2004年4月初版
9)『李嵐清音楽筆談』
李嵐清著 高等教育出版社 2004年9月第6刷
温厚な人柄で、文人官僚として知られた李嵐清・前副総理(1932~)が著した、西洋クラシックの音楽大全。もとは経済畑であったが、文化教育事業にも従事した李嵐清は「音楽愛好家の一人として、クラシック音楽を紹介する著作をまとめてみたい」と長らく願っていたそうだ。本書では、ビバルディ、バッハ、モーツアルトから、ガーシュウィン、ショスタコーヴィチ、バーンスタインまで、西洋音楽の作曲家50人とその代表曲を紹介している。歌やピアノをこよなく愛し、みずから合唱曲を作詞・作曲している李嵐清は、「音楽関係の著作をこれからも続けていきたい」と語っている。本書で取り上げられた作曲家とその代表曲を紹介するDVDも付いている。
10)『島(VOL.01)』
郭敬明など著 春風文芸出版社 2004年8月初版
ネット小説の旗手・郭敬明がプロデュースする新感覚の一冊だ。公募したエッセイやコラム、小説、書簡、写真を掲載する、読者参加型の単行本。郭敬明の連載小説「1995-2005 夏至未至」もスタートして、ファンの興味を引いている。
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