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微観中国  (11)管理強化進みネット世論退潮
 2013年報告を読む
   
     

人民网发布2013年互联网舆情报告
 

 人民網ネット世論監視観測室が毎年末に発表する「中国インターネット世論情勢報告」の2013年版がこのほど発表になった。昨年中国政府はいわゆる「大V」と呼ばれる著名微博ユーザーの言論を厳しく取り締まったが、報告書もこの問題を取り上げ、「過度の政府批判やデマに規制を加えるのは必要」と政府の方針を援護しつつも、「ネットを滅ぼそうとしているのではなく、社会問題の解決に網民(ネット市民の)参加は必要」と述べ、規制とこれに反発するネット世論との妥協点を探ろうとしているのが特徴だ。

 
   
     

 「ネット世論の熱意は低下し、社会のマイナス面の現象を“吐槽”(反論する、反対を唱える、不満を表すなどを表す流行語)する声は明らかに減った。政府はネットの管理を強化し、微博の大Vは厳しい打撃を受け、かつてのような栄華はもはやない」と報告はこう指摘した。
 「ネット世論は大衆の(意見)表明、社会による監督を保証するなど積極的役割もあるが、潜在的なマイナス面がますます目立ってきた」として、例えば、ネット市民がメディアを過信し「見風就是雨」(一部の現象だけを見て、すぐに真実だと信じこむ)がしばしばで、あるいは一部の大Vは事実かどうかを確かめもせずにデマを流すことがあるとしている。「一部のネットPR会社は商業利益のため、デマを広め、ネットによる誹謗中傷、脅迫、違法経営は資本市場を撹乱し、多くの市民、役人、企業が被害を受けた」と弊害を列挙した。
 中国共産党はこれに対し2013年8月、全国思想工作会議を開いてネット世論対策を思想宣伝工作の最重点として取り組むことを決め、(インターネットの情報を監視、監督する)国務院国家インターネット情報弁公室の魯煒主任(新華社副社長、北京市副市長などを歴任)はネット上での発言について、これだけは守らねばならないという「7つの最低線」を発表した。具体的には「法律を守る」「社会主義制度を擁護する」「国家利益を守る」「社会公共秩序を維持する」「公民の合法的権益を保障する」「道徳の気風を尊重する」「情報の真実性を保証する」というもの。さらに9月には最高人民法院と最高人民検察院がネット上の誹謗中傷を禁止する規定を発表。数カ月にわたる取り締まりにより、ネットでの社会のマイナス面の暴露、特に政府批判は明らかに減少した。
 報告によれば、100人の活発な「オピニオンリーダー」の微博を抽出すると、8月10日の「7つの最低線」発表をターニングポイントに、それまで2カ月間の微博の発信数が72481本だったのが、65126本と10%も減少したという。
 さらに8月10日以降、政府系メディアや政府部門が発信する微博の本数が民間のオピニオンリーダーを上回り、「国家チーム」の勢力が台頭したとしている。
 だが、これに伴う過度な取り締まりも発生、特に本コラムでも紹介した「張家川事件」(9月に甘粛省張家川回族自治県でデマを広めたとして16歳の中学生が一時地元警察に拘束された事件)では、司法関係者にもその手法について賛否両論があったという。

 


2014年中国社会形势分析与预测

打击谣言使网络舆论板块发生重要变化
打击谣言使网络舆论板块发生重要变化

 報告書は、ネットユーザー取り締まりは、薄熙来事件や新指導部誕生など、中国政治が大きく動く中、改革のあり方や反腐敗についてネットで激論が交わされたことに体制側が反発、自らを守ろうとした反応だったと指摘した。
 しかし、次のようなくだりからは、ネット世論の積極的役割を評価しようとの強い意図も文面から感じることができる。
 「中国は改革前の高度に集中した計画経済や、『両報一刊』(『解放軍報』『人民日報』の2紙と『紅旗』誌)により思想を統一した時代に戻ることは不可能だ。ネットは中国社会の減圧弁で、草の根の網民の発言はたとえ過激な要求であっても、これを放出させることが政府や社会全体が末端で起きている問題を発見し、即時に解決することで、問題が拡大し、爆発することを防ぐのに有利なのだ。下からの民意の力により、『利益の固定化という垣根(既得権益)』を突破し、改革を深め、体制内の弾力性を高めるのに有利だ」
 「体制は網民という新たな社会の力を認め、受け入れる必要がある。同時に、網民も意見表明と政治参加にもまた自制を学ぶ必要がある。つまり、制度に基づいた修復や改善であり、土台を補修することであって壊すことではない、具体的でミクロな民生の問題や庶民個人の権利擁護の問題を取り上げ、(政治改革など)マクロな政治的記述にこだわるのではなく、自分の発言がネットで急速に拡散し、賞賛されることで生まれるヒロイズムの感情を捨て、水滴が石を穿つように中国社会の進歩を進めるのである。政府や体制を現実社会の問題を解決する重要な助手、更には主導的な力とみなし、体制内の空白や欠陥を見つけ出し補う」
 このように、ネットを通じた社会問題の解決に官民が協力することを呼び掛けている。
 報告は同時に、「ここ数年、威風堂々と時事問題を取り上げる大Vは自分の専門外の分野まで口を出し、無責任な放言をし威張り散らし、百万、千万のフォロワーを抱えていたが、これはネット世論のバブルだ。政府がバブルつぶしを強行したのは、やり方には粗雑なところもあったが、理性的で平和な世論の状態を作るのに有利だった。大Vが次々と凋落する中、専門家型の中Vが自ら熟知した分野で理性的な提案をすることは歓迎するべきだ」と指摘した。
 つまり大言壮語し政府を批判するような大Vではなく、自らの専門分野で改善を提案する「中V」の存在を奨励しようとの意見だ。
 そして、ネットのデマ取り締りから、中国政府がネットを撲滅しようとしていると推測するのは根拠が無いことで、インターネットの中国での発展は大規模な後退は起こりえない、としている。10月に国務院は「より一層政府情報の公開を強化し、社会の関心に答え、政府の信頼性を高めることへの意見」を発表し、経済や民生との関係が密接で、社会の関心が高い事柄を扱う政府部門は、少なくとも四半期に1度は記者会見を開き、重要な政策、法律について説明、大衆の疑問に答え、政務微博、微信などの新メディアを活用することを求めているという。
 「ネットは政府が直面する最大の変数であり、処置が悪ければ患いとなるが、処置が良ければ党、政府の公共管理や草の根民主の新たな平台(プラットフォーム)となる。ネットの発展と管理にいかにバランスをとるか、政府には今後大きな想像の余地がある」と結んでいる。
 ここで述べられた意見は、本コラムや拙著でも何度か紹介した、この報告をまとめた祝華新・世論監視観測室秘書長ら体制内のリベラルな声を反映している。大V取り締まりに代表される政府のネット統制に理解を示しつつも、ネット世論を敵視した統制一辺倒に陥るのではなく、社会の減圧弁であり、社会の末端で起きている問題の早期発見と解決に役立つとして、官民が協力しあうことを呼び掛けている。
 報告書ではさらに別の章で「“統一戦線”を用いて“オピニオンリーダー”を取り込む」ことを提案している。

 

民生仍是焦点 司法舆情上扬 吏治话题火爆
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建议用“统一战线”包容“意见领袖”
建议用“统一战线”包容“意见领袖”

 統計によると、全国103の微博サイトのユーザーアカウント数は12億人に達し、うち新浪微博が5億3600万、騰訊が5億4000万ある。フォロワーが10万以上の大Vは1.9万、100万以上が3300、1000万以上が200だ。
 観測室はその中でも活発な300人のオピニオンリーダーを抽出、分析した結果を発表した。詳しい紹介は割愛するが、この分析に基づき、「社会の転換期にはネットオピニオンリーダーは一定程度、民意の代弁者となり、政府に陳情し、世論の圧力を加える。だが現実には不可能な過激な要求もしばしばだ。彼らの建設的な協力精神を評価し、共産党の『統一戦線』のやり方で取り込み、体制への対抗性を減らすことは重要なイデオロギー工作、社会管理である」としている。
 ただ、オピニオンリーダーを統一戦線工作により取り込めという意見には批判的な声も出ている。自由アジア放送(1月3日)は武漢の民間組織「民生観察」責任者の劉飛躍氏は「当局はますますネットの自媒体(微博など)の重要性を意識するようになったが、大Vを取り締まるにせよ、統一戦線で取り込むにせよ、最終目的はネット統制を強化し、大Vが協力を拒んだ場合当局はこれを弾圧するのだ」とした。
 米国在住の中国ネット・ウォッチャー、北風(温雲超)氏は「中国当局が統一戦線のやり方を大Vに取り始めたのは新しいことではなく、共産党がこれまで得意としてきた『片方で弾圧し、片方で統一戦線を図る』やり方だ」と指摘し、「自由派公共知識人で知られる五岳散人らは、国務院新聞弁公室に買収された、これは共産党の常套手段だ」と述べた。五岳散人を知る筆者にとって驚くべき指摘だ。
 北風氏は「華東政法大学の張雪忠教授、四川省の人権活動家冉雲飛ら絶えず転生(ネット名を変える)を繰り返す人、北京大学の賀衛方教授のようにネットを離れる人、五岳散人のように当局と協力する人、大Vたちは異なる選択に直面している」こう述べた。
 北風は中国当局の大V買収攻勢は外部の予想を上回り、中国では政府と民間の持つ資源は完全に非対称(政府のほうが圧倒的に多い)で、中国の未来が民主化する可能性はますます厳しくなっている、と述べた上で「中国の一般ネットユーザーは当局が管理するネットを離れ、別の場、例えば微信や海外のツイッターを使うべきだ」と指摘した。
 北風はこれまでもツイッター上で他のオピニオンリーダーに対してかなり攻撃的な言舌をすることが多く、五岳散人が政府に買収されたのか、確かめようもないが、確かに彼は最近日本に度々来ており、日本製紙おむつなどを中国国内で販売するビジネスを手がけているそうで、いずれ会う機会があれば直接聞いてみたい。
 報告はまた、微信や新聞客戸端など新たなモバイルアプリケーションがネット世論に新たな影響を与えていることを指摘しているが、この問題は次回また取り上げたい。
 


预测无线舆论场成为2014最大看点


媒企博弈挑战媒体公信力

     
   

 

 

 

 


「網民」の反乱 ネットは中国を変えるか?
古畑康雄

 

   
 
古畑康雄・ジャーナリスト
   
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