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2012年07月

 広がる「電子かばん」授業、
  中国で教科書ゼロへ

   
   

始まったばかりの電子かばんによる授業風景中国の小中学校などで、ノートパソコンやタブレット型多機能端末の「電子書包」(電子かばん、日本名「電子教科書」など)を導入した授業が試験的に進められている。教室やかばんから重い教科書、ノートをなくし、その代わりにパソコンや電子ホワイトボード(電子黒板)を使う授業が行われているという。

上海市の中心部、虹口区のモデル校で2010年10月に全国に先駆けてスタート。今年9月には、上海の全16区のモデル校へとテスト導入が拡大される計画だ。

「電子かばん」の推進は、中国の中期計画「第12次5カ年規画」(十二五、2011-2015年)の重点プロジェクトの1つであり、こうした動きは他都市にも広がっている。
上海市教育委員会の関係者は、「(生徒たちの慣れも必要だが)あと2、3年もすれば、電子かばんは紙の教科書に取って代わるだろう」と自信を見せている。
 

   
 

■国家プロジェクトの電子かばん

電子かばんを利用した学習モデル電子かばんを使った授業は、インターネット(雲にたとえられる)の向こう側にある巨大な情報処理施設を利用(提供)する「クラウドコンピューティング」(中国語で「雲計算」)技術を使って行われる。
これまでのコンピューター技術では、ユーザー(企業、個人など)はデータなどを自分で保管していたが、次世代のクラウドコンピューティングでは、ユーザーはネットの向こう側の事業者からサービスを受けることができる。パソコンなど最低限の接続環境を用意して、サービス利用料金を支払えば、いつでも、どこでも、必要なデータが自由に利用できるというわけだ。
これにより、事業者のサーバーに保管されたデータを使えば、教科書やノートがなくても学校の授業が進められる。教師と生徒はテキストの内容や問題、解答などを、パソコンや電子ボード、電子ペンなどを使って閲覧したり、書き込んだりすることができる。
さらに保護者も、ネット経由でデータベースにアクセスすれば、子どもの学習状況をチェックしたり、担任と通信したりすることができる。まさに最先端をいく学習ネットワークなのだ。

電子かばんの推進は、中国の「十二五」の重点プロジェクト(新聞出版産業)の1つとして組み込まれ、さらに中長期の教育改革プラン「国家中長期教育改革・発展規画綱要(2010-2020)」に基づいて、正式に実施される予定。
国家プロジェクトの制定を受けて、上海の虹口区は2010年10月、全国に先んじて幼稚園、小中高校のモデル校10校で電子かばんを導入した。翌11年にはさらに約4500万元(1元は約12円、約5億5000万円)の巨資を投入して、モデル校を20校ほどに拡大している。
 

■メリットとデメリット

大量の教科書が必要となる従来の授業では、中国での電子かばんのメリットとデメリットとは何か? 電子かばんの特集サイト「電子書包専欄」( http://www.caigou.com.cn/z/dianzishubao.shtml )などによれば、メリットは――

○ 軽便さ。中国の小中学生は宿題が多く、毎日のように10~20キロの重い教科書を背負って登下校しなければならない。背骨の曲がる子どもまでいて、健康上の問題となっている。電子かばんなら大きさは雑誌サイズ、厚さは約1センチ、重さは約1キロと軽くコンパクトになり、子どもの健やかな成長のためになる。

○ 大事に使えば、小中高校から大学、大学院を卒業するまで十数年間利用できる。ノートや鉛筆、消しゴムなど細々とした文房具も必要なくなり、省エネになる。

○ エコロジーに配慮できる。中国の小中高校生、大学生はざっと3億2000万人。もし紙の教科書が年間1人当たり40冊なら、毎年128億冊と大量の紙資源が必要になり、いずれ紙不足になる恐れも。
電子かばんを使えばそうした心配はなくなり、新時代の「無紙化教育改革」を進めることができる。

○ デジタル教育を促進し、学校と家庭の通信を容易にし、デジタル時代の子どもたちのITスキルを高めることができる――など。

一方で、デメリットは――

○ いまだ高価であること。現在1台1500~2500元前後とされており、紙の教科書(年間約40冊)の数倍~10倍前後、大卒の初任給にも匹敵する。1台1000元以下に抑えなければ、全国普及は難しい。

○ 中国の出版・IT企業による電子かばんの開発は、緒に就いたばかり。メーカーによって規格がバラバラで、内容が整わず、技術レベルの差があるなど、理想的な産業チェーン構築には一定の時間がかかる――などだ。

電子かばんはいろいろ使える“魔法の箱”だが、現時点では開発途上といえそうだ。
 

■広がるモデル校、進む国産化

モデル校で使われている国産電子かばんこうした欠点を補おうと、上海では昨年11月、中国初の電子かばん企業連盟「電子書包企業聯盟」が設立された。メンバーである上海外語教育出版社、華東師範大学出版社などが協力し、今年8月末までに「国語、数学、英語、歴史、地理、音楽、IT」の7科目のデジタルテキストを共同編纂。9月初めの新学年から、新テキストがモデル校に導入される計画だ。
また、この9月には、上海のモデル校が全16区に拡大される。そのうち市中心部に程近い閔行区では、同区だけで約40校に電子かばんが導入される計画で、学校の「無紙化教育」が急速に進む可能性がある(『東方早報』6月16日付)。
さらにテスト運用は、上海のほか重慶、江蘇省南京、浙江省杭州、寧波、雲南省昆明といった各市の学校にも徐々に拡大されている。

電子かばんの国産化も急がれている。
当初は一部モデル校で、米アップル製のタブレット型多機能端末「iPad(アイパッド)」が利用されたが、現在は中国の電子ブックリーダー大手の「漢王科技」(漢王、Hanvon Technology)などが国産電子かばん普及の巻き返しを図っている。
とくに漢王は、2010年秋にiPadが中国大陸で正式リリースされて以来、タブレット端末市場ですっかり水を開けられている(同市場は、iPadがシェア約80%でトップ)。
そのため11年には、教育関連製品の開発強化のための全額出資子会社「北京漢王智学科技有限公司」を設立。さらに同社と地方出版社などとの共同出資で、電子かばん開発の「江蘇鳳凰教育科技有限公司」を設立し、市場シェアを伸ばしたい考えだ。
中国政府が国産品の保護や振興のためにテコ入れし、シェアが塗り変わる可能性も大いにある。

上海市教育委員会基礎教育処の倪閔景処長は、「電子かばんのテスト導入成功を踏まえ、上海では今年、これを大々的に広げていく。モデル校の生徒たちは伝統的な紙テキストから離れられないが、あと2、3年もすれば、電子かばんはそれに完全に取って代わるだろう」(『東方早報』同)と自信を示す。

アメリカや日本などでも始まっている電子教科書(電子かばん)のテスト導入。
低廉化や技術改革が進めば、国家プロジェクトとする中国では、一気に普及しそうな勢いだ。
 

 
   
   
bestsellere
総合
 

★『新京報』図書ベスト
(北京図書大廈、王府井書店、中関村図書大廈、三聯書店など、市内主要書店やネット書店のデータから統計)
2012年6月8日~6月14日

     
第8位:『于康:喫好毎天3頓飯』

第9位:『小狗銭銭』

第10位:『俗世奇人』
                                                                
 

1.『于丹:重温最美古詩詞』(于丹:最も美しい古詩を再び味わう)
于丹・著 北京聯合出版公司 2012年5月初


2.『因為痛,所以叫青春』(痛いから青春という)
キム・ナンド著(韓)/金勇・訳 広西科学技術出版社 2012年2月初


3.『你若安好 便是晴天:林徽因伝』(あなたが無事なら晴天に:林徽因伝)
白落梅・著 中国華僑出版社 2011年9月初


4.『虚実之間』(虚実の間)
芮成鋼・著 長江文芸出版社 2012年4月初版


5.『好媽媽勝過好老師』(よい母はよい教師に勝る)
尹建莉・著 作家出版社


6.『中国経済到了最危険的辺縁』(中国経済は最も危険な瀬戸際に立った)
郎咸平/孫晋・著 東方出版社 2012年5月初


7.『百年孤独』(百年の孤独)
G.ガルシア=マルケス著(コロンビア)、范曄・訳 南海出版公司 2011年6月初


8.『于康:喫好毎天3頓飯』(毎日3食をきちんととろう)
于康・著 化学工業出版社 2012年6月第2刷


北京の総合病院「北京協和医院」の臨床栄養科の主任医師で教授である筆者が、健康のための「食の秘密」を解き明かす。
「栄養の前提は安全」「偏食をしなければ、体は良くなる」「味つけが濃いと1年余りで7キロ太る」「なぜ私たちの油の摂取量はこんなに多い?」「1日に2500mlの水を飲むべき」など食にまつわる大切な知識から、人に必要な栄養素とその効果、肉や野菜、牛乳、くだものの効率的なとり方までをわかりやすく伝授。
「食物が持つ栄養だけでなく、その理由を理解して、食物と一生よいつきあいをしましょう」と筆者は語る。 


9.『小狗銭銭』(子犬のマネー、原題『Money oder das 1X1 des Geldes』)
Chrisian ボード・シェーファー著(独)、王鐘欣など訳、南海出版公司 2011年3月第10刷


子どもから大人まで楽しく読める「お金持ちになる方法」を教える世界的ベストセラー。
11歳の少女キーラのもとに、ある日やってきた犬の「マネー」。両親が借金に追われるキーラに、マネーがやさしく「お金の増やし方」や「人生の切り開き方」を伝え、キーラが大きく成長していく物語。
中国では2002年に工人出版社から、09年に南海出版公司、北京科文図書業信息技術有限公司からそれぞれ翻訳出版。中国に初めて上陸した「財テク童話」といわれる。
日本では『イヌが教えるお金持ちになるための知恵』(草思社)として01年に翻訳出版されている。 


10.『俗世奇人』(改訂版)
馮驥才・著 作家出版社 2011年7月第13刷


馮驥才氏は、中国文学芸術界聯合会副主席、中国小説学会会長、中国民間文芸家協会主席、中国人民政治協商会議全国委員会(全国政協)常務委員など数々の要職を務める、中国の著名作家であり画家、文化人。
本書は、19話からなる連作短編集。清代末期から中華民国時代初期、天津の庶民の暮らしを背景として、今に知られる伝奇的人物の生涯を生き生きと書きつづる。
「港町の人間は、強くなけりゃ生きられない」――。
「刷子李」(刷毛屋の李さん)、「酒婆」、「青雲楼主」、「泥人張」(泥人形職人の張さん)などいずれも「俗世の俗人」なのだが、空前絶後の個性派ぞろい。生まれ故郷の天津を愛してやまない作家が、長年収集した地元の民間伝説を素材にした小説集だ。 


 
     

 

 

文・写真 小林さゆり
日本の各種メディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中。
著書に『物語北京』(五洲伝播出版社)
訳書に『これが日本人だ!』(バジリコ)

 

  Blog: http://pekin-media.jugem.jp/
   
  b_u_yajirusi
 
 
     
   
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