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フォルモサを照らす月 山脈を越えた帝国【近刊】
陳耀昌/石原嘉人 訳
出版社:東方書店
出版年:2025年10月
コード:22513   224p   ISBN/ISSN 9784497225139
 
価格 2,640円
  <近刊>
近日刊行予定のものです。
 
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花シリーズ三部作 完結!

19世紀後半の台湾を舞台に、原住民族と外部勢力(主に清軍)との衝突を描く歴史小説「花シリーズ三部作」の最終第三作。「奇密花 奇密社の故事」「大庄阿桃 大庄村の阿桃の物語」の短編2篇と「戯曲 苦楝花(Bangas) 苦楝の花」を収録。

「奇密花」:花蓮県南部の瑞穂を訪れた小君はアミ族の村・奇密社の虐殺現場にタイムスリップする。
「戯曲 苦楝花(Bangas)」:サキザヤ族の大部落、タクブワン部落の頭目・Pazikとその妻・カナサウの受難を戯曲形式で描く。
「大庄阿桃」:台東市に駐屯する清軍への包囲攻撃(大庄事件)に参加した夫を亡くしたタイボアン族・阿桃の物語。

原題『苦楝花』(INK、2019年)。


【花シリーズ三部作】
第1作 フォルモサに咲く花  陳耀昌/下村作次郎訳 東方書店 2019年09月
第2作 フォルモサの涙 獅頭社戦役  陳耀昌/下村作次郎訳 東方書店 2023年08月
第3作 フォルモサを照らす月 山脈を越えた帝国  陳耀昌/石原嘉人訳 東方書店 2025年10月

【シリーズ原作】
第1作 430529 傀儡花/印刻文學  陳耀昌 INK印刻文學生活雜誌出版有限公司
第2作 451235 獅頭花/印刻文學  陳耀昌 印刻出版有限公司
第3作 450591 苦楝花 Bangas/印刻文學   陳耀昌 印刻出版有限公司


【訳者論文】沖縄大学リポジトリ「陳耀昌の作品における台湾歴史認識の新展開」 石原嘉人 2022年


【関連書籍】『フォルモサに吹く風 オランダ人、シラヤ人と鄭成功の物語』 陳耀昌/大洞敦史 訳 2022年09月 
      激動の17世紀台湾を、オランダ人、原住民族、鄭成功麾下の漢人という三者の視点から描き出す歴史小説。
      ※本書は「開山撫番」三部作ではありません。


著者の言葉
サキザヤ族の物語は実際には昨年のうちに書き上げていた。しかし、自分で納得できないと感じた。なぜならサキザヤ族の故事は本来とても悲壮であり神聖なものなのでそこに手を加えることができないからだ。手を加えるべきではないと思うものの、そのままでは小説として成立しづらい。そこで私は身の程をわきまえず、シェークスピアばりの劇本形式に書き換えるという、新たな手法への挑戦を試みた(「戯曲 苦楝花」)。「大港口事件」「大庄事件」はそれぞれ「奇密花」「大庄阿桃」として短編小説の形式で描いた。私は司馬遼太郎の歴史短編小説『幕末』と藤沢周平の『隠し剣孤影抄』『たそがれ清兵衛』に感服しており、これらは私が作家としての殻を破るために「西施の顰に倣う」つもりで挑んだ作品である。(「後記」より)

訳者の言葉
沖縄で生活するということは、中央政府によって消されていく声に共鳴しつつ、それが現実世界に反映されないというもどかしさに耐え続けることだというふうに感じていました。台湾原住民部落にも同じような嘆きの声が木霊していたわけですが、近年そこを訪れると、長らく抑え込まれてきた祖霊の声が生き生きと誇りをもって解き放たれつつあることを感じます。しかし、それが形となって台湾の背骨を支えるには、まだまだ時間がかかるでしょう。陳医師は作品を通してそこに歴史の中から汲み取った新鮮な血液を与える役割を果たしておられる――そんなイメージを勝手に抱きながら翻訳作業を進めてきました。(「訳者あとがき」より)

構成

本書を読むために

奇密花 奇密社の故事
戯曲 苦楝花(Bangas) 苦楝の花
大庄阿桃 大庄村の阿桃の物語

後記
訳者あとがき


■編著者紹介
陳耀昌(ちん・ようしょう、チェン・ヤオチャン)
1949年、台湾台南市生まれ。国立台湾大学医学部卒業。ラッシュ大学、東京大学第三内科で研修。1983年、台湾ではじめて骨髄移植を成功させる。現在、国立台湾大学医学部名誉教授。台湾細胞医療協会元理事長。文学関係著作には、『生技魅影 我的細胞人生』(財訊出版社、2006年)、『冷血刺客之台湾秘帖』(前衛出版社、2008年)、『福爾摩沙三族記』(遠流出版、2012年。邦訳『フォルモサに吹く風』東方書店、2022年)、『島嶼DNA』(INK、2015年。巫永福文化評論奬受賞)、『傀儡花』(同、2016年。台湾文学奬図書類長編小説金典奬受賞。邦訳『フォルモサに咲く花』東方書店、2019年)、『獅頭花』(同、2017年。新台湾和平基金会台湾歴史小説奬傑作奬受賞。邦訳『フォルモサの涙』東方書店、2023年)、『島之曦』(遠流出版、2021年。第9回紅楼夢奬:世界華文長編小説奬入賞)、『頭份之雲―陳耀昌短篇小説集』(允晨、2022年)などがある。

石原嘉人(いしはら・よしひと)
神戸市外国語大学大学院外国語学研究科中国語学専攻修士課程修了。台北YMCA日語班専任講師、大阪外国語大学留学生日本語教育センター専任講師、琉球大学留学生センター准教授等を経て、現在は台湾の實踐大學高雄校應用日文學系専任講師。台湾に関する著述として「日本統治下の台湾と沖縄出身教員」『沖縄国際大学総合学術研究紀要』第21巻第1号(2019年)、「陳耀昌の作品における台湾歴史認識の新展開」『沖縄大学人文学部紀要』第25号(2022年)がある(いずれもインターネット上で公開)。
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