中国・本の情報館~東方書店~
サイト内検索
カートを見る
ログイン ヘルプ お問い合わせ
トップページ 輸入書 国内書 輸入雑誌  
本を探す 検索   ≫詳細検索
詳細情報
フォルモサの涙 獅頭社戦役
陳耀昌/下村作次郎 訳
出版社:東方書店
出版年:2023年08月
コード:22314   352p   ISBN/ISSN 9784497223142
 
価格 2,640円
  <在庫有り>
弊社出版物で在庫がございます。
 
カートに入れる

『フォルモサに咲く花』続編 歴史に埋もれた原住民と漢族の最初の衝突を描く

1874年、日本軍が台湾に出兵した(牡丹社事件)。清朝政府は台湾防衛のため軍隊を派遣するが、彼らは日本軍ではなく、原住民と闘うことになった――。「開山撫番」政策下で起こった最初の原住民と漢族の戦争「獅頭社戦役」を描く歴史小説。
原題『獅頭花』(INK、2017年)。本書は『フォルモサに咲く花』(原題『傀儡花』)に続く「開山撫番」三部作(あるいは「花シリーズ三部作」)の第二部にあたる。

【試し読み】book まえがき WEB東方にて公開中。

【関連書籍】『フォルモサに咲く花』 陳耀昌/下村作次郎 訳 2019年09月
      「開山撫番」三部作第一部。1867年に起こった「ローバー号事件」の顛末を描く。

【関連書籍】『フォルモサに吹く風 オランダ人、シラヤ人と鄭成功の物語』 陳耀昌/大洞敦史 訳 2022年09月 
      激動の17世紀台湾を、オランダ人、原住民族、鄭成功麾下の漢人という三者の視点から描き出す歴史小説。
      ※本書は「開山撫番」三部作ではありません。

著者の言葉
……そこで私は次第に考え方を変え、牡丹社事件(日本の台湾出兵)ではなく、獅頭社戦役を書こうと決めた。それがこの『獅頭花』である。なぜなら獅頭社の濛々とした霧と溪谷の中には、埋没したままの多くの英霊がいて、たくさんの忘れられた台湾の歴史があり、多くの血と涙と逆説的な諷刺が残されているからである。
(「淮軍と大亀文からの呼びかけと探究――私が『獅頭花』を書いた心の歴程」より)

本書のテーマのひとつは、牡丹社事件による清朝政府の危機感から生まれた「開山撫番」に誘発されたこの最初の原漢(原住民と漢民族)戦争、獅頭社戦役が、近代台湾の歴史を大きく変えたことを描く点にあり、本書によってはじめて取り上げられた。その意義は極めて大きく、こうしてはじまった「開山撫番(剿番)」は、その後清末から、さらに日清戦争後新しく統治者となった日本の「理蕃政策」に引き継がれていったのである。(「【解説】沈葆楨の「開山撫番」と最初の原漢戦争―獅頭社戦役―」より)

構成

日本の読者の皆さまへ、『フォルモサの涙 獅頭社戦役』作者のことば―「開山撫番」から「和解共生」へ―
本書を読むために

楔子
第一部 日本軍 刀を牡丹に揮い、風港を望む
第二部 大亀文 世と争いなく、かえって擾に見(まみ)える
第三部 清国兵 雄師〔精兵〕、海を渡り、倭軍を拒む
第四部 莿桐脚 争議の是非、総じて評し難し
第五部 沈幼青〔沈葆楨〕 開山撫番、変音を惜しむ
第六部 王玉山〔王開俊〕 民を護るといえど、かえって仁を傷(やぶ)る
第七部 アラパイ 英雄、姫と別れ、内文を護る
第八部 上瑯嶠 原漢、今日仇恩〔恩讐〕泯(つ)きる
第九部 獅頭花 三千里の外で、かえって君に逢う
第十部 胡鉄花 涙を鳳山の昭忠祠にそそぐ


附録
淮軍と大亀文からの呼びかけと探究――私が『獅頭花』を書いた心の歴程
神霊任務の一 「鳳山武洛塘山淮軍昭忠祠」の探訪と再現
神霊任務の二 枋寮「白軍営」のほかにも淮軍の墓地がある?
「台湾の淮軍」の歴史と遺跡を尋ねて
台湾淮軍史(一八七四―一八七五)
【解説】 沈葆楨の「開山撫番」と最初の原漢戦争―獅頭社戦役―(下村作次郎)

■編著者紹介
陳耀昌(ちん・ようしょう、チェン・ヤオチャン)
1949年、台湾台南市生まれ。国立台湾大学医学部卒業。ラッシュ大学、東京大学第三内科で研修。1983年、台湾ではじめて骨髄移植を成功させる。現任、国立台湾大学医学部名誉教授。台湾細胞医療協会元理事長。文学関係著作には、『生技魅影 我的細胞人生』(財訊出版社、2006年)、『冷血刺客之台湾秘帖』(前衛出版社、2008年)、『福爾摩沙三族記』(遠流出版、2012年。邦訳『フォルモサに吹く風』東方書店、2022年)、『島嶼DNA』(INK、2015年。巫永福文化評論奬受賞)、『傀儡花』(同、2016年。台湾文学奬図書類長編小説金典奬受賞。邦訳『フォルモサに咲く花』東方書店、2019年)、『獅頭花』(同、2017年。新台湾和平基金会台湾歴史小説奬傑作奬受賞)、『苦楝花Bangas』(同、2019年)、『島之曦』(遠流出版、2021年。第9回紅楼夢奬:世界華文長編小説奬入賞)、『頭份之雲―陳耀昌短篇小説集』(允晨、2022年)がある。

下村作次郎(しもむら・さくじろう)
1949年、新宮市生まれ。関西大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現任、天理大学名誉教授。著作に『文学で読む台湾』(田畑書店、1994年)、『台湾文学の発掘と探究』(同、2019年)、『台湾原住民文学への扉』(同、2023年)、共著に『台湾近現代文学史』(研文出版、2014年)、翻訳書に呉錦発編『悲情の山地』(監訳、田畑書店、1992年)、共編訳『台湾原住民文学選』全9巻(草風館、2002~2009年)、孫大川著『台湾エスニックマイノリティ文学論』(同、2012年、一等原住民族専業奬章受賞)、シャマン・ラポガン著『空の目』(同、2012年)、『大海に生きる夢』(同、2017年、第5回鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞)、陳芳明著『台湾文学史』(上下、共訳、東方書店、2015年)、ワリス・ノカン著『都市残酷』(田畑書店、2022年)などがある。2021年、日本台湾交流協会表彰、台湾文学賞受賞。


中国・本の情報館~東方書店 東方書店トップページへ
会社案内 - ご注文の方法 - ユーザ規約 - 個人情報について - 著作権について