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2008年9月

 “超級”の国家図書館「新館」へ行こう!!

      
   
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12億円余りの巨額を投じ、約3年半をかけて建設された中国国家図書館の新館(総館北区)が9月9日、正式に一般開放されました。
総建築面積は、8万538平方メートル(東京ドームの約1.7倍)。中国語の図書やCD約60万冊(件)が収蔵されており、閲覧席は2900席、入館者が自由に利用できるパソコンが約500台、1日あたりの最大収容人数は、のべ8000人以上。
新館と旧館(総館南区)、古籍館(西城区文津街、北海・中海の中ほど)の3カ所を合わせた国家図書館の総面積は25万平方メートル、文献資料総数は2007年末時点で、約2631万件(注1)に上り、アメリカの国会図書館、ロシアの国立図書館につづく世界第3位の規模を誇るといわれます。
中国の「最先端のデジタル図書館」「情報ネットワークの拠点」として注目される、話題の新館を訪ねてみました。

※ 注1)国家図書館所蔵一覧 http://www.nlc.gov.cn/service/dzzn_gcyl.htm
※ 以前の関連記事 「北京便り」2008年2月号、2003年11月号。

 

   
 

bj200809_02■ 利用者へのサービス拡大

国家図書館は北京市の西部、紫竹院公園の東隣に位置しています。堂々とした中国式の宮殿を思わせる旧館の北側にお目見えしたのが、巨大な本を重ねたような、あるいは空港サテライトのようなモダンな建築の新館です。
国家第10次5カ年計画(01~05年)重点文化建設プロジェクトの一環で、04年12月に起工、今年6月に竣工しました。国家図書館の前身は1909年9月9日、清の宣統帝溥儀のお墨付きを取りつけて、北京の広化寺に開設された「京師図書館」だといいますから、新館のオープンはちょうど図書館設立99周年を記念するものとなりました。

さて、さっそく新館に入ってみましょう。
利用者はまず、新館1階の「存包処」(荷物一時預けロッカー室)へ。バッグの持ち込みは禁止されているので、財布などの貴重品を手にして2階のロビーへと向かいます。
ちなみにロッカーは、無料のオートロック式。扉を閉めるとロッカー番号とバーコードが印刷された紙が出てきますので、荷物受け取り時には、指定の小窓にそれをかざせば扉が自動的に開くしくみになっています。
 初めての利用者は、2階ロビーの「辦証処」(申請所)で「読者カード」の申請をします。新館の開架図書の閲覧のみなら身分証明書(パスポート)があれば入館ができますが、何回も利用する人ならカードを作成したほうが便利でしょう。
申請用紙の「国家図書館読者卡(カード)申請表」に住所、氏名、生年月日、電話番号、身分証明書番号、会社(学校)名などを書き込み、身分証明書とともにカウンターに提出します(並ぶことが予想されますのでお早めに。私は午前で約60人待ち、40分待たされました)。
カウンターでは暗証番号などを打ち込んでもらい、証明用の顔写真を撮ってもらえば、手続き完了! カードができるまでの所要時間は、ものの2、3分です。

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じっさい、本の貸し出しは16歳以上の中国公民に限られています。そのため外国人は、一般閲覧室で閲覧ができる「基本功能」か、書庫収蔵図書の閲覧ができる「基蔵庫書刊 閲覧功能」のいずれかを選ぶしかありません。前者の申請は無料ですが、後者はデポジット100元(1元は約16円)を支払います。つまり外国人は、図書文献などは借りられないものの、一部の図書を無料で閲覧したり、コピーを取ったり(有料)、デジタル資料・閲覧サービス(ネットは1時間以内無料)を受けたりすることができるというわけです。
従来は、荷物預け料金(大人1つにつき0.5元)や、カード作成料20元ほどがかかりましたが、新館オープンに合わせていずれも無料に。利用者にはうれしいサービスが拡大されています。カードは新館・旧館・古籍館で統一して利用できますので、お時間と関心がある方はぜひ、ゲットされることをお勧めします。  

bj200809_05■ 検索システムで効率アップ

「読者カード」を作ったら、向かいにパソコンがズラリと並んだ「目録査詢区」(検索コーナー)へ行ってみましょう。トップページに、探したい本のタイトルなどを入力すれば、本のIDナンバーから、何階の何番の書架にあるかまで一目瞭然。迷うことなくお目当ての本を探すことができ、大幅に効率をアップすることができます。
閲覧室に入ると、そこはもう本の青海原か、山脈か、というくらいの規模の大きさ。まるで中国北方の伝統的住居「四合院」(中庭を囲んで建物を配した住居)のように、吹き抜けとなった中央部を囲んで書架が並べられています。「大きいことはいいことだ」という“中華思想”がここでも体感できそうです。

全体の構造は、地下3階、地上5階(一般利用フロアは、地下1階~地上4階)で、「中文図書区」「工具書区」(1~2階、中国語図書、辞書・辞典コーナー)、「芸術与設計資料区」(3階)、「中文報紙区・期刊区」(4階、新聞・雑誌コーナー)、「数字共享空間」(4階、デジタル利用コーナー)、「学術活動区」(1階)などからなります。電子ブックや電子新聞・雑誌の利用も可能。
さらに地下1階には、中国最大の漢籍叢書で、清代の乾隆年間に作成されたという『四庫全書』の展示コーナーもあって、見ごたえもタップリ。本好きには1日あっても飽き足りない、刺激的な場所となるに違いないでしょう(自宅が近ければ、毎日でも利用したいくらいです……)。個人のパソコンも携帯できるそうなので、レポート作成や調べ物をしたいときには、うってつけの場所となりそう。あえて欠点を挙げるとすれば、広すぎるので、よく歩くことでしょうか……。

天井のガラス窓からは明るい自然光がふりそそぎ、清潔で静かな館内からは、ページをめくり、パソコンを打つ音だけが聞こえてきます。世界でも“超級”のデジタル図書館。それは、21世紀初頭を代表する近代的ライブラリーといっても過言ではないでしょう。北京を訪れたら、最先端をいくハイテク図書管理システムに触れてみてはいかがでしょうか。 

bj200809-06◆ 中国国家図書館
住所: 北京市海淀区中関村南大街33号(〒100081)
開館: 閲覧9:00~21:00(月~金)、9:00~17:00(土日) 
※閲覧室によって異なる場合もあります。
電話: +8610-88545426、88545360
HP: www.nlc.gov.cn

   
   
bestsellere  

★『新京報』図書ベスト
(北京図書大廈、王府井書店、中関村図書大廈、三聯書店など、市内主要書店やネット書店のデータから統計)
2008年9月4日~9月10日

     
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1.『従頭到脚説健康』(頭から足まで健康を語る)
曲黎敏著 長江文芸出版社 2008年7月初版


2.『沈思録』(Meditations)
マルクス・アウレリウス著 何懐宏訳 中央編訳出版社 2008年2月初版


3.『明朝那些事儿(伍)』(明朝それらのこと5)
中当年明月著 中国友誼出版公司 2008年3月初版 


4.『迷迭之翼』
月星汐著 新世界出版社 2008年8月初版


ベストセラー『淘気少女的愛情無間道』(おてんば少女の愛情一直線)の著者の最新作。
貴族学校に通う女子生徒の藍瑰児は、ウサギの皮をかぶった「四大悪人」の1人。クールな王子・慕雪寒は、学校の平穏のために、藍瑰児を追い出そうと戦いに挑むのだが……。
漫画風のイラストを挟みつつ、ポップでユーモラスな筆致で描かれる学園ラブコメディーだ。


5.『丑陋的中国人』(醜い中国人)
柏楊著 人民文学出版社 2008年4月初版


6.『常勝思考』
大川隆法・著(日) 弘誠訳 新世界出版社 2008年8月初版


幸福の科学出版から02年1月に日本で出版された『常勝の法―人生の勝負に勝つ成功法則』の中国語版。人生の成功法から、企業経営で勝つ法則、不況の乗り切り方まで、さまざまな場面で活用できるという「21世紀の兵法」を解説する。
「本書を精読すれば、性別や年齢、国籍を超えて、あなたの前に勝利の道が開けるだろう」と中国語版にある。


7.『求医不如求己2』
中里巴人著 江蘇文芸出版社


8.『曲黎敏養生十二説』
曲黎敏著 中国出版集団・中国対外翻訳出版公司 2008年8月第6刷


この週もベストワンの快進撃を続ける『従頭到脚説健康』の著者・曲黎敏さん(北京中医薬大学助教授)の養生訓。
本書では、現存する中国最古の医学書『黄帝内経』の養生の知恵をはじめ、儒教・仏教・道教の養生理念と秘訣を分析。たとえば、1年には二十四節気があり、1日には十二時辰(昔の時間単位)がある。そこで、「自然と人体の規律」を守るために「子の刻にはよく睡眠をとる」「卯の刻には大便を済ませる」などの具体的な方法を伝授。中国伝統の医学と思想を、現代人にやさしく教える“健康ガイド”となっている。


9.『駐京辦主任(三)』
王暁方著 作家出版社 2008年8月第2刷


ベストセラー『駐京辦主任』の第3弾。東州市の「駐京辦主任」(北京事務所主任)の丁能通は、新市長・呉東明の信任を得るために腐心するが、呉東明は主任助役をつけて彼を監視しようとするなど、うまくいかない関係だ。
 その後、呉東明の全面的な支持のもと、盲目的に事業拡張した民営企業の「蝎神集団」が経営不振で倒産。官民結託の罪を恐れた社長は逃げ出し、事態は、清江省で最大規模の「群訪(集団陳情)事件」へと発展していく……。
小説は、現代中国における「国有企業改革と、民営企業発展段階の“アキレス腱”を暴き出」し、執政の苦境を描いて「リアリズム作品の“重量級”の作と称される」と本書コピーにある。


10.『杜拉拉昇職記』(杜拉拉のプロモーション)
顧李可・著、陝西師範大学出版社 2008年3月第7刷


 
 
     

■北京便り――おわりに

中国で初開催された五輪とパラリンピックが終わり、落ち着きを取り戻したかに見える北京の街ですが、ここへきて、一般の人たちを震撼させているのが“汚染粉ミルク”問題です。
中国政府は9月16日までに、国内の乳製品メーカー22社の製品からメラミンが検出されたと発表し、製品の回収を命じましたが、中には事件の発端となった「三鹿集団」(河北省石家荘市)のほか、「蒙牛」「伊利」「光明」といった国内最大手も含まれていることが明らかになりました。「伊利」といえば、北京五輪スポンサー企業であり、中国の五輪メダリストたちがフレッシュミルクをごくごくと飲む、派手なコマーシャルでも知られています。
汚染されていたのは、本当に粉ミルクだけなのか? 生活者が毎日のように口にする牛乳やバター、チーズなどの乳製品は大丈夫なのか?
被害がこれ以上、拡大しないためにも、一刻も早い事件の真相究明と再発防止が待たれています。

 

 

文・写真 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

  ブログ http://pekin-media.jugem.jp/
   
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