占いの原型
中国古代文化研究の新しい地平を切り拓く必読文献! 本訳注書は上下二冊から成り、上冊は馬王堆帛書『易』の経に相当する『六十四卦』、下冊は伝に相当する『易傳』六篇(二三子問篇・繫辭篇・衷篇・要篇・繆和篇・昭力篇)である。 下巻はこちら。
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本訳注書は、上下二冊から成っている。馬王堆『易』の構成に従って『六十四卦』とそれに関連する部分を上冊とし、『易傳』六篇(二三子問篇・繫辭篇・衷篇・要篇・繆和篇・昭力篇)とそれに関連する部分を下冊とした。但し、馬王堆『易』の『六十四卦』と『易傳』六篇とは厳密に区別して取り扱われるべきである。なぜなら、前者の基本的な性質は(古い時代に由来する)占いの書であるのに対して、後者は(その基礎の上に新たに展開させた、儒教を中心とする)思想の書だからである。(「始めに」より)
●著者の言葉 馬王堆『易』の全体は、『六十四卦』と『易傳』六篇から成る。『六十四卦』の名称については、裘錫圭『集成』は『周易』と呼ぶが、本書では『六十四卦』という名称を用いる。馬王堆本の「経」に相当する部分を、当たり前のように周王朝・周文化と関係づけてしまうのは、適当ではないからである。(略) 『六十四卦』は、馬王堆『易』の「経」に相当する。戦国後期以前の成立と考えられる『六十四卦』それ自体には、これを「経」として取り扱うという意識があったか否かは不明である。と言うよりも、この段階では単なる卜筮家の占いのためのマニュアル本であるにすぎず、だから儒教の經典とするといったような意識はまだ持っていなかったはず、と推測することができる。 しかし、『易傳』六篇になると、『易』を単なる占筮(占い)の書から脱皮させて儒教の経典として取り扱う、すなわち『易』を儒教化経典化するという意識が、明確に存在している。『易傳』六篇は篇ごとに濃淡・強弱の差こそあれ、六篇いずれもこれを持っており、この点ははっきりと認めることができる。(「馬王堆『易』の『六十四卦』と『易傳』六篇」より)
●構成
始めに 凡例 参考文献
馬王堆『易』の『六十四卦』と『易傳』六篇 馬王堆漢墓とその出土資料の概略
六十四卦
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